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箱の中の物語

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小説と、朗読台本。声劇(90秒の小さな朗読劇)として、nanaに投稿もしています。
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記事一覧

雨の記憶 【詩と絵 〜実験の欠片〜】

そっと窓を開けて 雨を眺めている 街並みを洗う 幾多の雨粒 窓枠に肘をついて ただ 眺めてい…

清水はこべ
2か月前
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レファヌキ共和国の道案内(リレー小説「レファヌキ共和国の物語」のご紹介)

 ようこそ、レファヌキ共和国へ。  この国は、ひとりのクリエイターが呟いた、たった一言か…

清水はこべ
7か月前
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波を鳴らして【小説】

 第一部 山の風  夏休みに、妙子さんの家に行くのは、楽しみでもあり、憂鬱でもあった。 …

清水はこべ
7か月前
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「影のないボクと灰色の猫」01 はじめに

たいていの場合、誰かが「こんな事をやりませんか?」って、声を掛けないと、リレー小説って、…

4

恋の海葬【ショートショート】(お題「塩人」)

「山上サクラさんのお宅ですか?」  玄関先に訪れた塩人の少年は、貝殻を手にしている。大叔…

清水はこべ
10か月前
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アナログ巌流島【ショートショート】

「10分後、巌流島に着陸します」  アナウンスを聴いた途端、夫は、防護服のグローブで、私の…

清水はこべ
10か月前
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顔自動販売機【ショートショート】

「30分遅れます。誠に申し訳ございません」  上司宛にメッセージを入れると、バス待ちの列から離れた。  何て事だろう。よりによって、顔を忘れてくるなんて。  帽子を深く被り直す。眼鏡とマスクも着用している。一見して、顔が無い事に気づく人間は居ない筈だ。  急ぎ足で角を曲がり、細い路地へ向かう。家に戻るより早い。  路地の先の小さな公園は、いつもながら寂れていた。人目が無いのを確認して、中に入る。  公園の片隅の自販機に近づいて、もう一度、辺りを見回す。大丈夫だ。誰

修学宇宙旅行【声劇】【30日間毎日note:その29】

★  オリジナルのショートムービーを作りました(1分45秒)。  私とエリス羽衣さんの共作…

清水はこべ
10か月前
4

冬子さんの眼鏡【ショートショート】【30日間毎日note:その25】

「どーこ、かしらー、わたーしの、めがーねー」  冬子さんは忘れっぽい。そして、適当な節回…

清水はこべ
10か月前
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火星旅行は悪くない【ショートショート】【30日間毎日note:その20】

 茜の空が、蒼く暮れていく。  天井と壁一面のスクリーンが映すのは、宇宙一の夕暮れ。  …

清水はこべ
11か月前
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三分豚足の秘密【ショートショート】【30日間毎日note:その13】

 玄関を入ると、醤油と砂糖の混じった湯気の匂いがした。 「適当に座ってて」  初めて入っ…

清水はこべ
11か月前
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ウェディングキャンドルの片割れ【ショートショート】【30日間毎日note:その9】

 長い揺れが、やっと収まった。  テーブルの下から這い出す。  照明が消えている。停電ら…

清水はこべ
11か月前
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土曜七時の青い鳩【ショートショート】【30日間毎日note:その6】

窓を叩く音がした。土曜の午後七時。いつもながら、弟は時間には正確だ。 窓を開けると、小さ…

清水はこべ
11か月前
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風を待つ

梅雨の晴れ間 心は まだ湿ったまま 小川のきらめきも 鳥の歌声も 今の私には眩し過ぎて 風に吹かれたい 髪が目に入った振りをして 波立つ胸の内を 風のせいにしてしまいたい 立ち止まる足元 一輪のたんぽぽ ゆっくりと 綿毛を乾かしていく 朝の陽射し 小川はささやく 鳥たちは歌う ほら 風だ、と