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そっと窓を開けて 雨を眺めている 街並みを洗う 幾多の雨粒 窓枠に肘をついて ただ 眺めてい…
ようこそ、レファヌキ共和国へ。 この国は、ひとりのクリエイターが呟いた、たった一言か…
第一部 山の風 夏休みに、妙子さんの家に行くのは、楽しみでもあり、憂鬱でもあった。 …
たいていの場合、誰かが「こんな事をやりませんか?」って、声を掛けないと、リレー小説って、…
「山上サクラさんのお宅ですか?」 玄関先に訪れた塩人の少年は、貝殻を手にしている。大叔…
「10分後、巌流島に着陸します」 アナウンスを聴いた途端、夫は、防護服のグローブで、私の…
「30分遅れます。誠に申し訳ございません」 上司宛にメッセージを入れると、バス待ちの列から離れた。 何て事だろう。よりによって、顔を忘れてくるなんて。 帽子を深く被り直す。眼鏡とマスクも着用している。一見して、顔が無い事に気づく人間は居ない筈だ。 急ぎ足で角を曲がり、細い路地へ向かう。家に戻るより早い。 路地の先の小さな公園は、いつもながら寂れていた。人目が無いのを確認して、中に入る。 公園の片隅の自販機に近づいて、もう一度、辺りを見回す。大丈夫だ。誰
★ オリジナルのショートムービーを作りました(1分45秒)。 私とエリス羽衣さんの共作…
「どーこ、かしらー、わたーしの、めがーねー」 冬子さんは忘れっぽい。そして、適当な節回…
茜の空が、蒼く暮れていく。 天井と壁一面のスクリーンが映すのは、宇宙一の夕暮れ。 …
玄関を入ると、醤油と砂糖の混じった湯気の匂いがした。 「適当に座ってて」 初めて入っ…
長い揺れが、やっと収まった。 テーブルの下から這い出す。 照明が消えている。停電ら…
窓を叩く音がした。土曜の午後七時。いつもながら、弟は時間には正確だ。 窓を開けると、小さ…
梅雨の晴れ間 心は まだ湿ったまま 小川のきらめきも 鳥の歌声も 今の私には眩し過ぎて 風に吹かれたい 髪が目に入った振りをして 波立つ胸の内を 風のせいにしてしまいたい 立ち止まる足元 一輪のたんぽぽ ゆっくりと 綿毛を乾かしていく 朝の陽射し 小川はささやく 鳥たちは歌う ほら 風だ、と