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勤続25年、退職。お母様の介護に転職する決意

先日、ご来店いただいたお客様から衝撃のご報告
「今年の秋で、25年勤めた会社を退職するの」
事情をお伺いすると、お母様の介護に専念しようと心を決めたとのことでした。
主婦としても、母としても活躍しながらキャリアを築いてきたお客様のS様。
しかし、少し前から認知が入ってきたお母様の介護に疲れ、相談した同僚の方が
「辞めるのはもったいない、順送りで親は亡くなってしまうのだからここまできたキャリアを捨てることはないよ」
と言った言葉がきっかけになったそう。
いつか、人は亡くなる、だけど一人娘として、かわいがって来てくれた母に親孝行できる時間も残りが少ないんだ…
と改めて心から湧き上がるお母様への愛を確認したそうです。
バブルがはじけて以降、オイルショック以来の不景気、平成の大不況と言われた25年前、平成9年1997年。
携帯電話が普及したかと思ったら、ネット環境がビジネス上でも必須になっていき、従来の慣例が次々と変化していった、時代の変革期でした。
また、そんな時代背景とはアンバランスに、お茶くみ、掃除は職場でも女性社員がやる仕事。男性文化と規範の中で可愛らしく輝くからこそ注目を浴びるウーマンパワー。純粋に「働きたい自立心」をもつ女性にとっては、20代後半以降仕事を続けることがまだまだ窮屈な時代でした。
長年お付き合いいただいてきたS様のご報告。彼女の頑張りを、陰ながら拝見してきた一人として、正直、衝撃を受けるご報告でした。しかし、周りの評価や基準ではなく、ご自身の心と対話してたどり着いたS様の決断にはもっと心が打たれました。
私たちが運営するジュエリーアトリエ&meeKには、様々なお客様がご来店されます。小さなサロンでは、お修理やリモデルのご相談、新調したいジュエリーのご相談に多くの女性がいらっしゃいます。なぜ、そのジュエリーをお持ちになったのか?お持ちになりたいのか?とお伺いすると、その陰には小さくも大きくも”物語”が隠れています。
今回、S様はジュエリーを新調されました。
「今まで頑張ったご自分へのご褒美」とおっしゃっていただきました。
今までのキャリアの分だけお母様の介護に専念されるであろうS様に、ご自分のための時間を取り戻すきっかけ、になるジュエリーであってほしいと願いを込めてご納品させていただきました。

最後に、このお話をnoteに投稿するにあたり
「誰かの、何かのヒントになれば」
とS様にご承諾いただきました。

S様の親孝行がお母様の心に届きますように。
meeKも陰ながら見守ってまいりたいと思います。