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元気と笑顔を持続する“運動”5つのポイント

Wellness健康トレーナーの森 雫です。

今回は「いつまでも元気で好きなことが出来る身体でいたい」「病気にならずいつまでもイキイキと笑顔で活発に過ごしたい」など「健康づくりのための運動」に興味のある方に向けて、運動の種類や視点、楽しく続けていくためのポイントをご紹介していきます。

そもそも「健康づくりのための運動」とは何でしょう?長寿科学振興財団では、こんなふうに定義されています。

健康づくりのための運動とは、糖尿病や脂質異常症、メタボリックシンドローム、循環器疾患、がんなどの生活習慣病の発症の予防や、病気による死亡リスクの低下、生活機能レベルの低下の予防を期待し、健康で生活することのできる健康寿命を延ばすために行う運動です。厚生労働省の身体活動基準2013では、運動は日常生活での家事や仕事、活動などの身体活動以外に、週2回以上、1回30分以上の運動を習慣的に続けることが望ましいとされています。

でも1日30分以上の運動って「何をしていいかわからない」「ずっと同じ運動をしていても効果ある?」「そもそもやろうと思っても続かないのが悩み」という方も多いのでは?そのへんの疑問を今回は解決していければと思います!

動くという字は「重力(じゅうりょく)」という字になっていますね。地球には重力があり、私たちの骨や筋肉に刺激を入れてくれているのも「重力」です。地球上では、体に重力がかかっているため、体を支えながら自由に動き回れるように筋肉や骨の量や質を一定に維持しようと体が働きます。

先日星出宇宙飛行士が帰還されましたが、宇宙空間ではほとんど身体に重力はかかりません。ですので、宇宙飛行士は国際宇宙ステーション滞在中に1週間に6回、1回当たり2時間半程度のトレーニングを欠かさないようですが、それでも筋力は半年で10~20%減少してしまいます。ですので、長期宇宙に滞在し地球に帰ってきた直後は、自力で立って歩くことが困難になり、リハビリをして筋肉や骨をほぼ元の状態まで回復させる必要があるのだそうです。

地球 重力

人間は動物です。動物は「重力下」で「動く」ことを前提に出来ています。寝たきりや動かない生活が続くと、宇宙飛行士の帰還の後と同じような状態に近づいていってしまいます。筋肉や骨は「廃用性症候群」といって使わなければどんどん衰えます。筋肉が萎縮して骨量も減少し、心肺機能や認知機能が低下するなど、全身にも悪影響を及ぼしてしまうのです。

そうして改めてみると「運動」とは「重力を運ぶ」と書いてありますね!

健康のための運動のポイント1つめは「重力」を意識した筋肉トレーニングです。


私たちが2足歩行で立っているためには、重力に抗う「抗重力筋」と呼ばれる筋肉群が大切になってきます。私たちの筋肉のピークは20~30代くらいといわれていて、年と共にその筋力は少しずつ下降傾向になると言われていますが、その落ちやすい筋肉はこの「抗重力筋」が多いです。

「抗重力筋」は、姿勢を維持する筋肉とも一致する部分も多く、年と共に姿勢が保ちづらくなり、腰が曲がってしまったり、身長が縮んだ感じがするのもこの筋肉の衰えが影響大なのです。

抗重力筋


筋肉の名前はさておいて、この絵を見ていると前と後ろから抗重力筋は体を支えてくれていることがわかります。背中、お腹、お尻、ふともも、ふくらはぎ、そして首の筋肉など。外側の大きな筋肉もあれば内側の小さな筋肉も入っています。

アウターマッスルとインナーマッスルという言葉を耳にしたことがありませんか?抗重力筋は、アウターと言われる動きのための外側にある筋肉とインナー(深層)で支えてくれる筋肉の両方で成り立っています。この両方をバランスよく鍛えることがまずは老化に負けない身体づくり、いつまでも姿勢を保ち関節に負担をかけずに動き続けられるポイントとなります。

特に痛みや動きに不安のない方は、まずやりやすく効果がわかりやすいのは、外側の大きな筋肉(アウターマッスル)を使ってあげること。

お家でも出来る運動での最初のセレクトは、「かかとあげ」「スクワット」「プランク」「ダイアゴナルエクササイズ」などになります。今回はエクササイズのやりかたは省略させていただきますが、興味のある方は上記のエクササイズの名前を参考に検索してみてくださいね。

いつも同じ動きばかりを繰り返すよりは、いろんな筋肉をいろんな方向から使えるようたまに種目を変えていきながら、新鮮に動いていただいたほうが効果的です。そうすることで脳や神経にもいい刺激が入ります。

そして筋肉を増やしていくためには少しずつ負荷を上げていきステップアップしていくのが理想です。

痛みがあったり、運動が苦手でなかなかうまく見てもできないという方が最初に始めるおすすめ筋トレは、内側の支える筋肉(インナーマッスル)を使うものです。

すぐに取り組みやすいのは「ドローイン」。壁に無理の無い形で背と頭をつけてまっすぐに立ってみましょう。息を3秒間吸って、7秒間吐くことをやってみます。息を吸う際は、お腹を膨らませます。息を吐く際は、お腹を凹ませて尻の穴を閉めます。これをお腹の奥の方が疲れた感じになるまで続けます。

寝た形や座った形でもできますので、こちらもいろんなやり方ググってみて下さいね。

痛みがあったり既往歴や基礎疾患があったり、運動が苦手な方は、最初は近くの理学療法士やトレーナーの力を借りてみましょう。ひとりで悩んでいるよりも難なくクリアしていける近道となります。

自分の身体の今の状態(身体の動かないところや動かさないほうが良いところ、バランスの崩れているところなど)や負担をかけてしまう動きのくせ等を把握することから始めていきましょう。

そして丁寧に自分が動いても問題の出ない関節や筋肉のコンディションを整え、動くときの注意点を知り、安心して動ける動き方のコツを早めに知っておくことが、楽しく運動を続けていけることにつながります。


ダンベルトレーニング

また骨格まわりの筋肉は大きく分けて速筋と遅筋という2種類の筋肉繊維が入り混じっています。筋トレで鍛えられる筋肉は、「速筋」と呼ばれる年と共に衰えやすい筋肉繊維です。使うと太くなり、使わないと細くなる筋肉。姿勢が悪くなったなあとか瞬発力やパワーが落ちたなあと感じるときは、やはり筋トレが有効です。

健康のための運動のポイント2つめは「身体の巡り」を意識する有酸素運動です。


「よく健康のためには歩きましょう!」と聞きますが、それはこちらに入ります。「有酸素運動」と呼ばれる身体の循環を良くする運動です。一番抵抗なく日常の中に取り入れやすい運動かもしれません。

ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクス、ボクササイズ、ダンス、踏み台昇降(階段のあがりおりやステッパーも)、腿あげ運動、トランポリン、フラフープ、なわとび、球技やレクリエーションスポーツなど、少量から中程度の負荷をかけてちょっと息が上がるくらいある程度の時間をかけながら行う運動です。最近はおもしろい有酸素運動がいっぱいあるので、あなたがわくわくするものに出会える可能性も高いです。

夕日ランニング

有酸素運動のメリットは、脂肪を燃焼する、心肺機能の向上、血圧の安定、生活習慣病の予防改善などです。

また有酸素運動で使われる筋肉は「遅筋」といわれる持久力の筋肉の比率が多いです。末端の毛細血管も増えていき、血流がアップし、エネルギーを生み出すミトコンドリアの工場の生産性もあがります。

なんだか最近元気が出ない、元気度UPから自分は取り組んでいきたいと思っている方は、是非有酸素運動から始めていきましょう。

特に日本人は遅筋の割合が多いとされています。個人差も大きいですが平均で遅筋が約70%、速筋が30%くらいといわれています。アフリカ系の方はその割合が逆になっているそうです。筋トレによって多少の割合は変えることもできるといわれていますが、もともとのポテンシャルの違いは大きいですね。

見方を変えれば、日本人には、有酸素系の運動での心と身体へのアプローチは刺激が入りやすいともいうこともできるのではないでしょうか。

健康のための運動のポイント3つめは「身体の柔軟性」を高めながらメンテナンスをすることです。


身体の巡りは、体のあちこちが固まっていたり、動かないところが多かったりしていると滞ります。細胞を活性化していつまでも若々しく健康でいるためには、柔軟性を高め、循環がスムーズにいくよう身体のコンディショニングをすることは大切な要素です。

筋膜リリースなどという言葉も最近は一般的になり、ホームセンターなどでも筋膜リリースのグッズが置いてあるようになりました。痛みをとることにつながったり、スポーツ選手もコンディショニングに積極的に取り入れているなんて言うのも聞いたことがあるかもしれません。

脂肪燃焼効果も高まりますし、怪我や病気の予防のためにも有効な手段です。準備運動、整理体操としても取り入れていきたいです。

ヨガやストレッチ(静的スタティック・動的アクティブ&ダイナミック)、ラジオ体操、ストレッチポール運動などがここに含まれます。身体の関節の動きを広げ、全身くまなくスムーズになめらかに動く身体にしていくための基礎になります。

健康習慣


呼吸と動きを合わせることを意識してやると、さらに効果が上がります。

いろいろ気を付けている方であっても、どうしてもその人それぞれ身体の使い方のくせがあり、いつも使いすぎてしまう筋肉と全然使えていない筋肉が出てきてしまいます。使いすぎてしまったら硬くなった筋肉はほぐしてストレッチしてあげる、使えない筋肉は目覚めさせてあげると全体の筋肉のバランスが取れ自然と頑張っている筋肉は緩んでいきます。

自分では気づきにくくわかりにくいことも多いので、たまに自分の身体を客観的にプロに見てもらいアドバイスを受けることをおススメします。こちらの記事もご参照ください。

長持ちするためにはメンテナンスが重要なのは、身体も同じです。

重だるい身体を軽くすっきりしたいと思っている方は、このカテゴリーから出来そうなことをチョイスしてやってみましょう。お風呂の中やサウナ上りなど身体が温まり柔らかくなっているときのコンディショニングはおすすめです。

健康のための運動のポイントの4つめは「バランス」がとれる「軸作り」と軸を基本に全身をなめらかに「連動」させるファンクショナルトレーニングです。


片足で立てる身体、左右にふらふらしないで歩けることがいろんな動作の基本となります。そのためには、身体の軸を保ち、もっている筋肉を全体として複合的な動きにつなげていくことが大切です。

中心から末端へ。末端から中心へ。身体はいろんな動きや使い方が出来ます。一つの部分だけに負担をかけない調和的な身体の使い方を、日頃から意識してつなぎなおしておくことは、身体を長持ちさせるためには、実は大変重要な視点です。

若い時は何も考えなくても自然と出来ていたことが、年と共にできなくなってくるのはもちろん筋力低下の問題もありますが、実は脳や神経の衰えで筋肉とのつながりが途切れてしまったり、今まで偏って使ってきてしまった筋肉疲労の代償というケースも実は多いです。

軸がしっかりし止まるところが止まると、動くところがなめらかに動きます。日ごろからの身体にかかるストレスも少なくなります。

地味なトレーニングが多くはなりますが、スポーツ選手なども筋力や体力、柔軟性に加え、軸や体幹トレーニング、ファンクショナル(機能的な)トレーニングを取り入れて効果を上げています。けがや病気などの機能低下からの復活にも積極的に活用されています。

バランスボール

パーソナルトレーニングでは、運動の中で自分の感覚を整えていくという基礎作りもやっています。いくらバランスを高めようと思っても、動きをつなげていっても、もともとの自分の中心感覚やバランス感覚が鈍っていたり、どこの筋肉を使っているか感じられない、どう使えばいいかわからないといくらやってもなかなかうまくいきません。

割とここは盲点になるところ。使っていない筋肉は感じにくいですし、自分の目で見えない部分はなかなかわからないことも多いです。

ですので、より効果的なトレーニングや動きの改善をしたい人には、自分の新たな気付きを楽しみ正しい感覚を馴染ませ染み込ませていきながら、身体に優しい動きを繰り返し確認していくことなどもやっています。

上級者向けのようで、実は最初に知っておきたい「身体の使い方」「身体の正しい取扱説明書」のような運動初心者だからこそ知りたい要素でもあるのです。

健康のための運動の最後のポイント5つ目は、かたよらずに細く長く楽しみながら続けていくことです。


今まで上げてきたポイントを振り返ってみますと、抗重力筋を使った筋肉トレーニング、全身の循環を良くする有酸素運動、柔軟性を高めながら身体をメンテナンスすること、体軸とそこを中心とした末端をうまく連動させるバランスやファンクショナルトレーニングといったいろんな種類の運動が、健康のためには必要なことが分かりました。

「歩くだけでは歩けなくなる」というように、有酸素運動だけをやっていてもなかなか筋力は上がっていきません。やはり筋肉の衰えを防ぐには筋力トレーニングが必要です。

またいくら筋力トレーニングをしていても、やりっぱなしにしていたり、身体の動きに幅が狭くなっていくことに気づかないでいてもどうしても不具合が出てしまいます。ですので柔軟性やメンテナンスもやはり必要です。

そして支える力と動く力のバランスが取れていないと、身体にゆがみが生じたり、動いていても不安定が増し、けがや転倒などにもつながりやすくなります。バランスをとるコンディショニング、動きをスムーズにつないだりバランス感覚を目覚めさせるトレーニングなどが、全体の運動効果、健康効果を高めてくれます。

このように「健康のための運動」はどれか一種類だけをやっていればOKなのではなく、いろんな要素をまんべんなくやっていくことが重要です。

つまり最初にもお伝えした、厚生労働省の身体活動基準でいわれている、「運動は日常生活での家事や仕事、活動などの身体活動以外に、週2回以上、1回30分以上の運動を習慣的に続けること」も、同じカテゴリーのものだけでなく、運動のバリエーションが必要ということです。

まずは自分にとって取り掛かりやすいものから、始めてみましょう。自分に合った運動もまずは何かは実際始めてみなくては見つかりません。これならできるかなと思うものを気楽にやってみながら、アンテナ張っているとまた次にやってみたい運動に出会えるかもしれません。

今までやったことのないことをやることは、脳にもとてもいい影響があります。そして運動することで身体だけでなく心もすっきりしていくことを感じていただけることでしょう。

また健康の3要素は「運動」「栄養」「休養」の3つがあります。「運動」ばっかりがんばっていても、残念ながら健康は保つことはできません。

運動した後には、しっかり身体をつくるための栄養素をとって、しっかり眠ることや回復させる時間をもつことも大事です。あたりまえのようですが、逆に運動に一生懸命になりすぎるほどつい忘れてしまうこともあるのでご注意を。また人間関係などのストレスを極力減らし、リフレッシュする時間をもつことも大事な健康を保つ要素のひとつです。

筋肉や健康は一日にしてならず。自分を褒めながら認めながら、細く長く楽しみながら続けていくことが、実は一番大切です。

そして一緒に楽しめる仲間を見つけることも継続のひとつの秘訣になります!一人じゃなかなかできなくても、誰かと一緒なら続けられる、また自分だけでは見つけられなかった発見もあるかもしれません。

フィットネス みんなで振り返り

もちろん自分一人の方が気楽に自分のペースを保ちやすい方は、それがあなたのベストですから、そのスタイルに自信をもっていきましょう。

こだわりすぎず、変わってもいいので、とにかく何か運動してみる。そして飽きたら種類や視点を変えてやってみる。三日坊主だってまた始めればいいのです。逆に飽きっぽい人はいろんなバリエーションを体験出来て、思わぬ人生の豊かさも広がるかもしれません!

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みなさまがいつまでも健康で、毎日をごきげんに前向きに過ごせて、たくさんの笑顔が増えていくことを心より願っております。ご参考になれば幸いです!さあ、運動しましょう~♪

最後までお読みいただきありがとうございました!

SmiringHarmony海光

あなたの持つ可能性をミクロの細胞レベルからマクロの宇宙の視点まで幅広く見つめながら開花させ、健康になりたい・若々しく元気を維持したいという方々へのホリスティックサポートを行っています。よかったらホームページもご覧ください。 → SmiRing♡Harmony


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