間寛平さんの「笑い」

間寛平さんの「笑い」が好きだ。

僕は寛平さんと「寛平の屋台がいく!」という深夜関西ローカル番組を一年余りやっていた。

間寛平さんと島田珠代さんが屋台を押して、地元の人たちとおでんを突きながら、トークを繰り広げるバラエティー番組。

別撮りで、花紀京さんのコントコーナーもあった。

今から30年以上前の話である。

吉本興業のプロデューサーは、「M-1」を作った谷良一さん。チーフ・プロデューサーは読売テレビの藤澤國彦さんである。

間寛平さんは屋台に集った一般の人々に、均等に話を振る。

それが寛平さんの不器用なところでもあるが、優しいところでもある。

だから、トークも長めに撮らないと、今で言う「撮れ高」が少ない。

でも、その不器用で朴訥とした「笑い」が良いのである。

明石家さんまさんや島田紳助さんは、「素人」でも「タレント」でも面白いと思った人だけ、集中してトークする。悪く言えば、その他の人は切り捨てるのである。

だから、二人の番組の「笑いのエネルギー」は高くて、面白く、笑えるかも知れない。

でも、「他人の急所を突いて笑わせる笑い」はいつか飽きられると、僕は思う。

間寛平さんの「笑い」は「瞬発力」はあまり無いが、「多様性」で「普遍的」な「笑い」である。

寛平さんの温かい人柄が滲み出る「笑い」が僕は好きだ。

ホッとする。

こんな殺伐とした「時代」に間寛平さんの「笑い」はマッチしている様に思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?