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【18年11月第4週】東南アジアのスタートアップニュース

こんにちは、三上蒼太(@sota_mikami)です。
東南アジアのスタートアップ情報を日々チェックしています。

先週(2018年11月18日~11月24日)に報道された、注目すべきASEAN Tech Newsをピックアップします。

本記事では、10個のニュースをピックアップしました。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

Google Temasek Report2018が公開されました

Googleとテマセク(シンガポールの政府系投資会社)による共同レポートが発表されました。

それによると、2025年の東南アジアにおけるIT市場はUS$240Bとの予想。
過去2年のレポートではUS$200Bと見込まれていたところ、40Bの上昇見込み。
この数字は2018年の3倍の規模。急拡大が見込まれています。

レポートのDLはこちらリンクから↓


タイの民主党が、世界で初めて投票にブロックチェーン技術を活用

12万人以上が参加する「ライブ電子投票システム」なる機会で、ブロックチェーン技術を採用して投票を行ったとのこと。
「世界初」の取り組みがまさか東南アジアのタイで行われたということは、大きなニュースです。

プラットフォームはZCoin(XZC)を利用したとのこと。


シンガポールのニューロサイエンスマーケティングスタートアップ「NeuroTrend」がUS$1.5Mを調達

脳神経科学技術を用いて、消費者の「選択」と「認識」を分析するスタートアップです。

既存のマーケティング調査では、人間の洞察における10%しか分析できていないが、脳神経科学を用いることで残りの90%も分析でき、100%の完全なマーケティングができるとのこと。
メディアを顧客とし、広告が最大限の効果を発揮できるようまとめたレポートを作成し、納品している。

シンガポール大手メディア(新聞と雑誌)のSPHなどと、すでに提携済。

いわゆるdeeptech。シードの調達としては大きいこの額は、それへの期待の表れでしょうか。


Tokopediaが次の調達。SBビジョンファンドから10億ドル!!

インドネシアの大手ECであるTokopedia。
8月にシリーズFとしてAlibabaから1.1億ドルを調達したばかりですが、わずか3ヶ月でラウンドを更新。
シリーズGとして、ソフトバンクビジョンファンドから新たに10億ドルを調達したとのこと。

この記事で詳しく語られているような、SBお化けファンドによるパワープレーに見えますね。


GO-VIETがフードデリバリーを開始

インドネシアのライドシェアスタートアップであるGojekは、今年8月よりベトナム展開し、「GO-VIET」を提供していました。
インドネシアでGojekが提供しているサービスはライドシェアにとどまらず、フードデリバリーからマッサージデリバリーまで幅広いサービスを提供しています。

そして今回、ベトナム版であるGO-VIETで、フードデリバリーが開始されました。

今、ベトナムのフードデリバリー市場の大手プレイヤーは『GrabFood』と『FoodyNow』。
同業のGrabと、ベトナム版食べログを展開しているFoodyのサービスです。

両者とも様々な施策を打ってユーザーを集めていますが、まだどちらが圧倒的とも言えない状況でした。

ここに切り込むGO-VIET。
Grab vs Govietの時のように、3社でのマネーバトルがこれから始まります。


マレーシアのTravelTech「LokaLocal」が資金調達(額は非公開)

エアビエクスペリエンス系のサービスです。

ロゴもAirbnbのそれとそっくりな気が。


体験系のサービスは圧倒的強者がおらずまだ道半ばな市場。
LokaLocalはピッチコンテストなどで賞を獲得し、その後マレーシア国内の州とのパーソナーシップ獲得を進めています。堅実なグロース戦術だなと感じます。


インドのエンタメスタートアップ「BookMyShow」がGrab VenturesのアクセラレーションプログラムにJoin。Grabアプリからの申し込みが可能に

BookMyShowは、映画や演劇、スポーツの観戦チケットの予約システムを提供しているインドのスタートアップ。
ライドシェアアプリのGrab傘下VCであるGrab Venturesの16週間のアクセラレーションプログラムに参加したとのこと。

「チケットを予約し、そのままGrabで移動」が可能なので、相性が良さそうですね。


先週はもう一つ、Grab Ventures関連のニュースがありました。


Grabが新サービスGrabWheelsをNUSでテスト開始

シンガポール国立大学(NUS)とGrab Venturesが協力し、スクーター版mobikeあるいはofoのようなサービスをテストローンチしたとのことです。

ちなみにGrabはシンガポールでGrabCycleというmobike的サービスをすでに運用しています。

「シェアサイクル事業は湯水のようにお金を使う」と言われていて、それはGrab Venturesも例外ではありません。
資金難問題の他にも、迷惑駐車問題なども過去にシンガポールでは話題になり、「oBike」というサービスが停止に追い込まれていました。

自転車では厳しいので、スクーターで再チャレンジを試みるということでしょうか?

・・・と思ったら、GrabCycleは停止するとの発表もありました!!

Grab is shutting down GrabCycle and replacing it with its new e-scooter app

やはりリスタートということですね。


韓国のAmazer(KPOP特化のTikTok)が韓国の仮想通貨交換所「Bithumb」などから資金調達。東南アジアへの拡大費用に

TikTokが圧倒的なインパクトを放つ中、類似サービスは戦うすべはあるのでしょうか?
・・・と思いつつ、K-POP特化というコンセプトは面白い気がします。

なぜならASEANでもK-POPはブームだから。

ちなみに東南アジアでも白星をあげているTikTokですが、ベトナム市場をみている限り、日本のように口パクで踊るいわゆる「リップシンク」はまだそれほど多くありません。大人しめな動画やおもしろ系の方が流行っているように見受けられます。

(日本人もシャイですが)この要因は性格的問題にあると思っていて、そこに切り込むK-POPが新たな市場を作ってくれるでしょうか。

TikTokとはまた違ったおもしろさを持つamazerについてのツイートをモーメントでまとめました。


WeWorkがアクセラレーションプログラムを発表

WeWorkがシンガポールでアクセラレーションプログラム「Labs」を立ち上げたというニュース。
2019年第一四半期にはバンコクにも進出予定で、東南アジアのほとんどのWeWork提供地域に広げていく意向だという。

東南アジア各地をつなげるネットワークとしての役割、またビジネスディベロップメントに強くない東南アジア人の補助的役割などに大きく貢献してくれそうなプログラムです。

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