クソリプの研究(無縁声声編)

前回の記事はそこそこ反響を呼び、かつ5000円!というむちゃくちゃな価格設定にもかかわらずお二人の方からご購入いただいた(6月5日現在)。少なくともクソリプバトルの当事者以外に1名、物見高い野次馬の方がご購入いただいたことになる。誰が買ったかはわからないのですが(一見さんの捨てアカウントでも買えるし)。

なんというか世の中は面白い。ああいうクソリプを簡潔に分析っぽく論じた走り書きのテキストですら、その文脈次第では5000円の価値を見出す人がいるのだなあと真面目に感心する。いやマジで、軽蔑の気持ちとか全くなく(お客様ですから)人間というものはどんなものにも価値を見出す能力を持っているのだなあ、とピュアに感動すら覚えた。

高校生の時に熱中して読んだ岸田秀の唯幻論を思い出したりもした(少し古いけど若い人は『ものぐさ精神分析』とか教養として読んでおくといいですよ。少しは他人や世の中に騙されなくなるよ)。

今回は値段どうしよかな、と思ったのですが、インフレターゲット政策として(笑)5000円からスタートして毎日値段を上げていくことにした。読みたい方がおられましたら今買うのが一番安いです。明日は1000円値上げします。値付けの上限1万円なので5日後には1万円でストップ。

まあ金儲けが目的ではないので誰も買わなくても良いのです。クソリプへの返答として「なぜそんなに貴方はクソリプなのか」の要因を解明しておいたテキストが書き残され、クソリプのクソっぷりが記録されていればそれで良い。万が一買う方がおられて(ありがとうございます)収益があったらどっかに寄付することにしたい。クソリプに困ってる人を支援する財団とかないかな…

さて今夜も前回とやや異なるタイプのクソリプがやってきたので検討しておこう。対象は無縁声声@tMSd7Iesct34Mlqというアカウントで、「おっさん的なものが大嫌いな中年男性」とプロフィールにはある。

こういう面倒くさい自己紹介するおっさん(「自分は意識的だ」ということをアピールしたがるおっさんほど面倒な存在はない)っておるよな…とは思ってはいけません。思うけど。

こういった「自己言及による自己の相対化」を誇示する態度は(少なくとも日本の)ツイッターではよく見られる、というより、ツイッター自体が「どれだけ自己言及した上での自己相対化ができているかを競う」メタ言説の強度を競う場になってしまっているからだ。

私ももちろんその磁場とは無縁ではない。クソリプの基本型とは「お前は自己相対化が足りないぞ」なのである。懐かしの「オマエモナー」だ。

最初の発言を見てみたい。


これ自体がしょうもないクソリプなのであるが、そのような発言を初対面の相手に「してしまう」人の背景をやや掘り下げて考えてみたい。

政治的立場の前景化に熱心なアカウントというのはよくある。私個人は右翼を標榜している愛国者で、一方でネトウヨ(というかレイシスト)とネオリベは心底大嫌いで、現在の政権も全く支持しない。だが、そういった「一見よくわかりにくい」政治的立場というものを決して理解できないのが今回のような政治的立場を掲げるクソリパーである。

こういう方々にとって、世界には「敵」と「味方」以外のカテゴリーが存在しない。味方でなければ全て敵。シンプルこの上ない。

彼ら/彼女らは世の中の人々が置かれた多様に複雑な立場を、ご自身の乏しい理解力に合わせて切り詰め、

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