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1日合宿をしカスタマージャーニーマップを使ってUXに関する社内全員の共通認識の合意を行った話

はじめまして、smartroundのエンジニアの小山(@doyaaaaaken)です。このブログでは僕たちの会社のことについて皆さんに知ってもらえるよう、社内の様子や運営体制について書いています。

今回は1日合宿を行ったときのエピソードを赤裸々に紹介することで、社内の雰囲気をお伝えしたいと思います。

1日合宿を行った背景

合宿を行った背景としては、ある大きな機能改善をしようとした際に、それが理想とするUXと整合性が合うものなのかについて、チームメンバー間で意見が分かれたことがありました。
またその議論を行っていく中で、僕含めた開発メンバーの中でそもそも既存の機能がどういう意図で作られているのか(想定ユーザ・ユースケースなど)理解できていない点があることや、そもそものユーザ自体についての解像度が低い(ペルソナ・業務フロー・ユーザ課題理解などが曖昧)ということがそもそもの大きな問題点として浮き彫りになりました

背景として、僕たちは最初期においてスタートアップとして生きるか死ぬかの状況でひたすらに開発速度を高めるため、社長兼PdMの砂川(@SunagawaSunny)のインサイトを元に攻めの姿勢でガンガン機能開発してきていました。
砂川は米国VCの勤務経験や、自身で起業した会社をNTTドコモに売却した経験もあり、このスタートアップ・VCという業界へのインサイトが他社員とは比較にならないレベルであるため、まず立ち上げフェーズにおいてはその判断を信じることが最善手だったという事情があります。

立ち上げフェーズにおいてはそれで全く問題がなかったのですが、最近社員数が7名に増え、イベント実施・ユーザインタビュー・コンテンツの作成・サービスの細かなUX改善等、他の社員でもできることが増えてきており、その中で各社員が自発的に良い仕事をできるようにするためにはユーザ理解が必須という状況になってきました

こういった事情があり「まる1日合宿をし、チーム全員がユーザに関する解像度を高める。また全員でユーザ像について合意形成し、今後の議論をスムーズにする」という決断に至りました。

解決のため用いたフレームワーク

カスタマージャーニーマップという有名なフレームワークを用いて議論を行いました。
グッドパッチさんのブログでわかりやすく説明されているものを見つけたので、以下にリンクを貼っておきます。

その名のとおり、ユーザがたどるジャーニー(UXフロー)について、サービスに到達する前から到達後までを可視化することで、UX面での一貫性の欠如を発見したり、UXフローに関して関係者間での合意形成を行うためのフレームワークです。

まさに弊社が抱えていた課題の解決にピッタリだと感じたため、こちらのフレームワークをベースにしつつ少しカスタムした上で使ってみました。

合宿の様子

合宿といっても、森に囲まれたリゾート地で半日森林浴をした後、夕方前からワインを飲みながらサービスの未来像について思い思いに語り合う、といった優雅でオシャレなものではなく、オフィスの会議室を1日貸し切ってそこに籠もってあるべきUXについてガチンコMTGをするというハードな内容のものでした。

ホワイトボードにジャーニーについて書き出しながら、代表の砂川からユーザがどういう課題を抱えていてsmartroundとしてどういう価値を提供したいのかを語ってもらい、それに関して社員の皆が気になった点を遠慮なくどんどん質問していくような形を取りました。

それによりスタートアップが資金調達するプロセスについて漠然と手順だけを理解していただけだったのが、「それらのプロセスにおいてどういった課題をユーザは感じがちなのか」、「その際にどういった感情を抱くのか」「またその課題を今どう解決しているのか」について明確に聞けたことで、ユーザに対する解像度がぐっと上がりました。

※ マップのごく一部を切り出した写真。実際はこういうのが他に何枚かあったり、あるいは議論自体はホワイトボード上でなされたりしました。

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得た成果

当初の狙い通り、皆が持つユーザの解像度が格段に上がりました。そのため、今まではUXに関して「よくわからないから何か変だともやもやしつつ、意見を出しづらい」状況だったのが、各個人が具体的な意見をクリアに出せるようになりました。
またこれも狙い通り、一度全員が集まって議論し合意形成を行うことで、どこまでは合意できているのかが明確になったため、その後の議論が非常にスムーズに進むようになりました

また当初の狙いにはなかった非常に大きな副産物として、サービス全体におけるUXフローに問題点があることもわかりました
具体的には、弊社で提供している機能間で想定ユーザ像が異なるということが、ジャーニーを書き出していく中で浮き彫りになりました。
弊社のターゲットである「スタートアップの起業家」は、会社のフェーズごとに抱える課題が全く異なり、例えば同一人物であっても『Aさんには今は機能Xが刺さるが、機能Yが刺さるのは1年後』という時間軸の要素が強く、これらの機能はどれも必要になるが同時に見せても価値を感じてもらえないものが出てくるという非常に重要な気付きが得られました。

この重要な気付きのおかげで、この問題を解決する大規模なUX改善に着手するという、非常に価値あるアクションにつなげることができました。
このUX改善によって、ユーザから見たサービスの体験は今までと全く異なるものになりました。

※ 改善点の一例。ランディングページにおいて各機能を1つのサービスではなく分割されたサービスとして見せるようにしました。

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カスタマージャーニーマップという手法に対する感想

以降はエンジニアの私個人の所感になります。

カスタマージャーニーマップは目的意識を強く持って使えば非常に効果的なフレームワークだと感じました

一方でこれも調べるとよく指摘されているのですが、きちんとやると非常に時間を食います。しかもその性質上、なるべく関係者全員を巻き込んで行う必要があります
そのため目的意識が明確でないままこのワークショップを行うと、『関係者全員の時間を延々と食い続け、トピックが曖昧な話し合いがなされ続けた結果、なんだか仕事した感はあるけど結局何の成果にも何のアクションにも繋がらず、皆もう二度とこういったワークショップはやりたくない』という状態につながってしまう恐れもあります。
(実際、初めてで不慣れだったこともあり、こういった状態に陥りそうになった瞬間も一瞬ありました)

つまり、とても効果的ですが同時に実施難易度も高いと感じたため、事前にゴールとして何を得たいのかをきっちりと考えておくことが非常に重要だと感じました。


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