見出し画像

投資家との壁打ち、どう活用したらいい?【スタートアップアワー(2022/4/8開催)レポート】

スマートラウンドの杉山です。
今回は、スマートラウンドアカデミア『今をときめく!投資家壁打ち第3弾』のプレトーク、Twitterスペースでお話しした内容を記事にしました!

〈スピーカー〉
ジェネシア・ベンチャーズ 鈴木隆宏さん(Twitter @takabos
mint / TLM 木暮圭佑さん(Twitter @keysket
One Capital 浅田慎二さん(Twitter @asada23
〈モデレーター〉
スマートラウンド冨田阿里(Twitter @anritomita

壁打ちって何するの?

冨田:みなさん時間ぴったりにありがとうございます!本日はSlidoを使って質問を読み上げてまいります。

浅田さん:初めてなんでワクワクします。今回は5月に行われる壁打ちプレトークということで、木暮さん、そもそも壁打ちって何をすればいいんですかね?

木暮さん:むしろ起業家の皆さんに教えて欲しいですけどね。事業のアドバイスとか最近よくわからなくなってきて(笑)。1on1で起業家にお会いするときには、むしろ僕が勉強させられるケースが増えてきました。良くも悪くもですけどね。VCとしてそれでいいのかとか(笑)。

浅田さん:いやいやいや(笑)。僕ら事業をやっている側ではないから基本的にはアドバイスはできないけど、似た事例などケースのシェアはできるかと思います。具体的な実例は言えない場合もありますけど。相談といっても事業の相談というよりも投資家がどういうときに投資したくなるのか、うちのファームだったらこういうディールにこういうラウンドでこういう金額で投資したいと思う、とかそういった形での返答はできますね。

木暮さん:そうですね。

浅田さん:鈴木さんどうですか、壁打ちもかなりご経験あると思いますけど。

鈴木さん:僕はあまり事業の話をしないですよね。もともと興味あって調べたことだと色々な観点で質問しますけど、どちらかというと我々の場合はアイデアのタイミングで投資することが全体の7、8割なので、原体験は必要じゃないけど、なぜその事業を選んだのか、決断の背景はすごく聞きたいですよね。

浅田さん:うんうん、確かに。

鈴木さん:後はなぜ起業をしようとしたのか。別にこれも強烈な原体験は必要ないけど、企業で働いていた中でキャリアを変えるという決断をしているわけじゃないですか。そういう決断をする上でどういうことを過去にしてきたのか、そういうことがすごく気になりますね。

浅田さん:うんうんうん。

鈴木さん:我々は本当にアイデアの段階で投資させていただいていて、日本の場合ものすごく順調に行っても上場するまで6、7年くらいかかるので少なくともそれくらいの付き合いがあるわけです。となってくると事業の良し悪しというよりかは投資家との相性がとても大事だなと思っていますね。

木暮さん:うん。

鈴木さん:それをお互い確認する場みたいなのを大事にしてますね。

浅田さん:そうですね。「壁打ち」という言葉は少し正確性を欠いているのかもしれないですね。壁打ちってお互い自己紹介した後に、なぜその事業やってるのかとか、そういった会話で盛り上がることが多いですよね。別にアドバイスするとかではなく、別の言葉で言うならネットワーキング会ですね。そこはフラットにどんどん活用して欲しいです。

1人あたり15分という壁打ち時間をどう活用すべき?

木暮さん:「今をときめく!投資家壁打ち」の1人あたり15分ってすごく難しいですね。ピッチで終わっちゃうかも。

浅田さん:ピッチしたい方は時間配分も冒頭その一緒に話す相手と決めてちょっと10分ぐらい時間くださいみたいな形でピッチするのが良いと思います。シンプルに「こういう事業やっていて、こういったところを考えてんだけど、どう思いますか」と質問していただくケースもあります。その場合、投資家がどんどん質問していきますから、それで自然な会話が15分できたら、結構いいんじゃないかと思います。僕はどちらかというと、鈴木さんのように「なんでそれを始めたんですか?」みたいな質問をしたいですね。

浅田さん:そういった議論ができるとパーソナルな部分でつながれると思うので、その後のフォローアップミーティングの時にそこの話ができた上で、また事業の話ができますし、そんな感じでセッションを使うことが多いですね。
 
冨田:なるほど。これまでの参加者からのフィードバックをもとに、限られた時間でたくさんの機会を創出するために今回は15分で設定させていただきました。
 

印象に残ったポジティブ/ネガティブな壁打ちは?

冨田:今までで何か印象に残った壁打ち、初対面でこの起業家よかった!もしくは、その一方でネガティブな体験を教えてください。
いきなりこういうことをやっちゃいがちだけど、少し気を付ければ避けられる失敗を知りたいです。
 
鈴木さん:難しいですね。印象に残ったっていうと、そうだな。まあ何個かあって1、2分で投資を決めているケースがあって。ピッチを受ける前に投資を決めるっていう謎の現象ですけど(笑)。まず僕の普段のスタイルでいうと、資料を必ず先にもらうようにしていています。お会いする前に資料を全部読んだ上で、質問したいことや、自分の知ってる事例を整理した上で会うので、資料の良し悪しで良さそうだなってなることも多いですね。あとは、起業家を見たときに明らかに覚悟決まっている感じの、覇気というかオーラみたいなものをまとっている人たまにいるんですけど、そうなるともう今すぐ投資したいって感じになることがありますね。でも、この直感って結構当たるなあっていう印象があって。一目惚れに近いんですけど、一目惚れで投資させていただいている会社はかなり上手くいってます。
  
 後は、僕に関して言うと必ず自分の自己紹介もさせていただいているので、まあ前半の10分、15分ぐらいなんかもう自己紹介をし合う感じですね。そこである程度相性とかお互いの共通項が見出した状態でプレゼンテーションしていただくのがやっぱりいいなと思っています。どうしても立場的に投資家と起業家ってなると、なんかジャッジされてしまうみたいな感じに思ってしまいがちじゃないですか。我々もジャッジされる側ではありますが、緊張させてしまうケースが多いので普段通りのパフォーマンスが出せるようアイスブレークとかには時間を使いながらやっています。お互いの共通項とか、生い立ちとか含めたお互いの理解を深めた上で、事業の話をしていただくことが多いですね。

  逆にダメだったケースで言うと、言葉のキャッチボールがうまくできずに一方的に話されて終わるみたいなのですかね。僕は支援をさせていただく時もキャッチボールし合いながらサポートできることをしっかりサポートして行きたいタイプなので、壁打ちで言葉のキャッチボールがうまくいかない場合、実際にご支援をさせていただいても厳しいのかと思います。関係性という意味でですね。よく壁打ちとかそういうご相談いただくときも一方的にお話されて終わるみたいな時は「何もできなかったな僕は」みたいな感じで終わってしまい、そのまま投資の検討も進まないですね。
 
冨田:ありがとうございます!
 
浅田さん:僕は印象に残るっていう意味ではすごく素でいらっしゃる方ですね。会話ってやっぱり質問とかで生まれるじゃないですか。だから、気負わずに自然体で、フラットに質問をしていただけるほうが、記憶にも残りますね。
  逆にちょっと微妙だったエピソードをあげると、30分でも1時間でも弾丸トークをずっとしててみたいなときですね。私から質問できないくらい、何か息苦しくなっちゃう程ずっとしゃべり続けて、残り3分しかないんだけどってリマインドしてみたいな。情報量は多いんですけど、あんまり記憶には残らない。そして会話が成立してないので、いい相性じゃないのかなって思っちゃうので。やっぱり自然体で質問を楽しむって大事なのかなと思うので、ぜひそういう機会にしていただきたいですね。こちら側も話しやすい空気感をつくるように頑張るので。
 
鈴木さん:なるほど。そうですね。

起業家が投資家と会う前に意識すべきこと

冨田:起業家が投資家と会う前に意識すべきこと、投資フェーズ、役職、パートナーなのか、アソシエイトなのか?みたいな部分で、気をつけるべき点、事前に確認して準備すべきことは何でしょう?
 
木暮さん:実際どれくらいの金額資金調達したいのかと、投資家がどれくらい投資を金額しているのかを調べておくとお互い時間の無駄はないのかなと思います。
  小さなステージから、大きなところまでやるみたい方もいらっしゃいますけどね。他にも大きなお金しか投資してないんだけれど、今ではなくて1年後2年後のステージを見据えて会いたいって人たちもいらっしゃると思います。そこのライトな投資検討、ライトに会えるというのが壁打ちの魅力だと思うので、適宜活用してもらえればと思います。
 
冨田:ありがとうございます。
 
浅田さん:目的がVCからの資金調達なのであれば、僕だったら徹底的に相手について調べますね。そこから資金調達したいということであれば、ネットでも調べますが、壁打ちMtgの中で質問しますね。私自身1号ファンド創業のため、ファンドへの出資者(LPと呼ぶ)がどのVCへの投資実績があるのか、海外系だったらピッチブックに載ってますし、国内だったら国内のほかのVCのGPの方々に聞けばわかるので。LPの投資担当者とかもわかるし、その方の特徴とかもわかると思います。ビジネスはやっぱり情報戦だと思うので徹底的に相手について調べますね。

TwitterのDM経由でのコンタクトは有効?

浅田さん:これはいい質問ですね。直接TwitterのDMで来る数がすごく多いので返事は恥ずかしながらちゃんとできていないです。ぜひ今度実施するスマートラウンドさん主催のイベントとかで、お話したいなと思っています。もしくはやっぱり知り合い経由でご紹介いただくと、スムーズだと思います。
 
鈴木さん:そうですね、確かに。

投資家に会いに行くべきタイミング

冨田:Slidoからの質問です。「事業テーマが決まっているけど、準備段階で事業計画ができてない状態で話に行って、解像度が低い、ショボいと思われるリスクがあると思いました。その後、成長したらまた会える、伸びしろを見てもらえる可能性もあるという考えでいたいと思うのですが、ポテンシャルなしと思われることが恐く躊躇してしまいます。」
 
鈴木さん:多分そう思わせちゃってるVCの責任だと思います。(笑)
 
浅田さん:確かに。
 
木暮さん:僕の場合、そのシード投資をさせていただいてて、事業プランが固まってて資金調達で動いてますって話であれば、ジャッジの場にはなりますが、前提として起業をしたいと思っていて事業テーマを絞り込んでいる段階で相談させてくださいっていう相談は、むしろ歓迎です。というのも、固めきる前に過去に投資検討したテーマとかもあるので、様々なインサイトを出せると思います。その場の設計をこういう状態なんですけどっていう前提で相談してもらえるのは全然ありがたいですね。

起業家の地頭の良さを重視する?どう見極める?

冨田:これもSlidoからの質問です。「地頭の良さを重視しますか?その場合、どう見極めますか?」
 
浅田さん:地頭の良さって定義難しいですが、相手の知識レベルに合わせて会話ができる人だと思っています。相手に合わせた会話が出来れば採用もできるし、営業もできるし、色んな利害調整もできると思うんですよね。だからこそ、すごく大事。自分のビジョンを語って、みんなを巻き込む、リーダーなわけじゃないですか。だから相手に合わせて会話ができることが僕はとても大事だと思います。そのためにはいっぱい口説いていっぱい経験(失敗も含めて)することだと思います。
 
鈴木さん:地頭の良さもそうですが、シード期で資金調達をしようってときは覚悟の重さかなと。もちろんその覚悟ってやりながら決まっていくものでもあるんですけど。エクイティで調達をするってことは、出口を作らなきゃいけないっていう話じゃないですか。なので僕は「本当にエクイティなの?」って質問をよくするんですよね。そのVCから調達した後に出口を何かしら作らなきゃいけないっていう運命を背負うことになるので、その覚悟をもっているかどうかというところが大事な気がしますね。

ーー鈴木さん、木暮さん、浅田さんありがとうございました!

Smartround Academia「今をときめく!壁打ち第3弾」お申込みはこちら

本記事で登場した、投資家のみなさんと直接話せる貴重な機会です!
今回は、投資家との1on1だけでなく、交流スペースへのカジュアルな参加も可能です。ぜひお気軽にご参加ください!
投資家との1on1の壁打ち申込締切:4/20(水)
(交流スペース・フリータイムのみのカジュアルな参加は4/20以降もお申込み可能です!)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?