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グッドパッチに相談してわかった「デザイナーの評価設計」

スマートキャンプデザインブログ、モリシゲです。

Goodpatchの夏の無料相談会」というものがあり、デザインに関するありとあらゆることを相談できるということで、メンバーの髙松さんから紹介があって、「じゃあ、参加してくるよ」ということで、参加してきました。

先月7月21日にオンラインで実施になりまして、グッドパッチさんからはデザイナーのマネージャークラスの方1名が相談にのってくださいました。1時間分ある1on1のようなミーティングでした。

デザイナー専用の評価はどう設計すればいいのか

現在のスマートキャンプではエンジニア、マーケター、セールス、コーポレートの4つの職種に分別して評価をしています。

ですが、デザイナーはこの中のどれにも当てはまりませんので、「新しく評価設計しよう」ということで相談をしてみました。

(以下、会話形式でお送りしますが、記憶とメモをたどりながらなので、圧縮した形でお送りします。)

モリシゲ
「デザイナーと一口に言っても、UIデザイナー、グラフィックデザイナーなど、求められるスキルも成果も異なるじゃないですか。どうやって評価設計していいのかわからなくて相談しにきました。」

グッドパッチのデザイナーさん
「グッドパッチでも同じ課題があります。グッドパッチでは評価軸として複数あります。他社でもいくつか持っているので、以下のような軸を参考にしてみてください。」

デザイナーの評価軸の例
1. 組織貢献軸(会社への貢献度)
2. 役割軸(与えられた任務や、会社に期待される役割の達成度)
3. スペシャリティ軸(専門スキルや個性が事業に貢献しているか)
4. OKRの達成度合い
5. クライアント、プロジェクトメンバーの評価(NPSアンケートを取る)
6. 360度評価

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モリシゲ
「参考になります。スマートキャンプ全体では、組織貢献とジョブスキル(役割軸)は評価軸があるので、これに加えて、スペシャリティ軸など追加していくのがよさそうな気がしました。」

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どんな役割でも共通する評価軸はあるのか

モリシゲ
「評価軸はある程度見えてきたのですが、結局これらも『人によってそれぞれ』というところもあると思います。グッドパッチさんでは、どんな方にでも共通する評価みたいなものってありますか?」

グッドパッチのデザイナーさん
「デザイナーに求められるのは『影響力』だと思っています。もちろん、デザイナー以外の職種についてもそうです。世の中のプロフェッショナルと呼ばれる方々は、さまざまな媒体やSNSで多くの人々に影響を与え、その時代時代を作っていると思います。

そこにたどり着くためには、まずは同僚や後輩を育成するなど、身近な人間に影響を与えるところからスタートするはずです。

その後、レベルが上って、チームに影響を与えられるようになり、会社全体に影響を与えられるようになり、業界、日本、世界…と影響力を増していくと思います。

なので、例えば、後輩デザイナーをリーダーに昇格させられるとか、アートワークの社内授業を定期的にやっているとか、社外で登壇するとか、そういう取り組みは、業種や専門性に問わずできますよね。

グッドパッチではその影響力の評価は重視しています。」

ec_goodpatch_designer_hyouka2 のコピー

モリシゲ
「その観点はいままでなかったので、目からウロコです。
たしかに、自分の給料や働きがいのためだけに働く社員よりも、会社にいい影響を与えてくれる社員の方が評価したいと思えます。

スマートキャンプのデザイナーにも影響力を持ってほしいと願っているので、その影響力の軸も取り入れたいなと思いました。」

とはいえ、定性的な評価も多いので、納得してもらえないケースもあるのでは?

モリシゲ
「正直、どんな完璧な評価設計をしたとしても、『いや、私はこうだと思うんで、この評価はおかしいです。』と反発してくる方もいると思うんです。納得感みたいなものってどうしていますか?」

グッドパッチのデザイナーさん
「グッドパッチでは評価される側のメンバーにアンケートやヒアリングをとって評価設計をしています。みんなで決めたことだから、その決めた中での範囲ならどんな評価をされても、ある程度の納得感は得られるはずです。

また、中間レビュー、最終結果のところでは納得しないまま終わらせないという努力もしています。必要に応じて人事や役員からも、説明してもらうようにしています。

そもそも評価設計は100人いたら100人納得しないものです。
そこを割り切って作っていいと思います。ですが、納得させるための努力や仕組みは必要だと考えています。」

モリシゲ
「なるほど。私はどうしても完璧なものを作ろうとして足踏みばかりしていました。まずは納得してもらえなくても、デザイナー全員で作ってみようと思います。」

グッドパッチのデザイナーさん
「デザイナー全員で作っていくときのポイントとして、設計は完璧なものは作らず、毎期アップデートする前提で作るといいと思います。
実際、グッドパッチでも評価設計は1年以上かけて作りましたし、いまもアップデートをすることがあります。

また、『今期からこの評価でいきます!』ではなく、移行期間を設ける形で導入すると、アップデート前提になるのでおすすめです。」

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評価を組み立てる手順としては?

モリシゲ
「ここまでの話をまとめて、実際に評価を組み立てていきたいのですが、どのような手順がいいでしょうか。

それでいうとスマートキャンプでは『SOCS』と呼ばれる行動指針があって、その行動に沿っていれば評価しよう、というのがあるのですが、この行動指針自体が抽象的すぎて、解釈が異なるんですよね。

『SmartThinking』『Ownership』『Collaboration』『Speed』の頭文字なんですけど、これ以上の説明がほとんどなくて、具体的にどういう行動をとれば評価できるのかは、会社全体でも不明瞭なところがあります。」

グッドパッチのデザイナーさん
「でしたら、会社全体でもすり合わせしたほうがいいと思います。ただ、会社全体ということもあって時間はかかるとおもいますので、決まりきらずとも、まずはデザイナーの評価を設計しきるのがいいでしょう。そのあと、アップデートすればいいですからね。」

モリシゲ
「たしかにそうですね。並行して会社全体での行動指針の見直しをしつつ、ここまでの話をまとめると、このような手順になりそうです。

デザイナーの評価設計の手順
1. ファクト集め(アンケートやブレスト)
2. ビジョン・バリューの言語化(会社全体の行動指針も含む)
3. 等級ごとに求められるスキルを言語化
4. メンバーとのすり合わせ
5. テスト運用〜アップデート(1年程度)
6. 評価制度の本採用(その後もアップデートは繰り返す)

多少前後はすると思いますが、この手順でならうまく進められそうです。

グッドパッチさん、今回は相談にのっていただき、ありがとうございました!」

終わりに

グッドパッチさんの夏の無料相談会、とてもよかったです。
デザイナーのいる会社さん、8月はやっているのかわかりませんが、もし次の機会があれば、参加おすすめです!

WRITER & EDITOR
SMARTCAMP Designer & PR モリシゲ @MorishigeYuta



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