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ポートフォリオをデザインする前に|構成・表紙・紙の種類で差をつけよう


スマートキャンプのデザイナーのはなおかです。

コロナの影響で就活・転職にも影響が出るのではと不安になっている学生さん・転職者さんも多いのではないでしょうか。私も10年前、リーマン・ショック後の就職氷河期にとても苦労しました。その際の経験知識を少しでもお役に立てればと思います。

「そもそもポートフォリオってなに?」「どんな種類があるの?」「何を気をつければいい?」などの基礎情報については「はじめてのポートフォリオの作り方」もご参考ください。

デザイン職志望ではポートフォリオ作成がほぼ必須

デザイナー志望者は一般企業の就活生に比べ、自己分析、履歴書、SPI、面接の対策に合わせて「ポートフォリオ」作成があります。

また自己分析・ビジョン・企業研究が関わり、そこから作り始めても「応募に間に合わなかった!」「応募できる企業が少ない!」ということもあります。そうならないためにも、簡単に各企業に合わせることができる効率的なポートフォリオ作成方法をご紹介します。

ポートフォリオをデザインする前にページ構成を

基礎知識にもあるようにポートフォリオに適する枚数は「15〜20ページ」と言われております。作品と取り組みに関しては人により大きく配分が変わると思いますが、大きな構成としては下記のようとなります。

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紙にデザインする前提でポートフォリオを作る

デザイナーの幅は多様化はしてますが、どのデザイナーもまずは紙のポートフォリオが必要です。紙を前提として制作してもPDFなどのデジタルデータに置き換えられます。

紙のメリット1: 実際に見せる場合、トラブルが少ない
デバイスによって色の変化なし、ネット環境が悪く立ち上がらない。充電が切れてしまった。面接官が複数人いた。などのトラブルがなく、どの環境でも素早く開いて見せる事ができます。

紙のメリット2: どんな面接官(選考担当)にも見せることができる
まだまだパソコンやタブレットといった情報端末が苦手な人もいます。最終面接に近づけば近づくほど、デザインから離れた職種の人と話す可能性もありますが、紙媒体なら老若男女と問わず見せることができます。また、ジャスチャーも踏まえることでプレゼン力もアピールすることができます。

紙のメリット3: 直前でもページ構成を変えられる
内容をとったり、付け加えたり、ページの順番を変えたりなどが紙だとすばくできます。デジタルでもパソコンを開いて編集して書き出して…という形でできますが、時間がない場合は紙だと便利なこともあります。

企業に合わせられるポートフォリオって?

作品ページにてもっとも採用担当者が見るのは作品の2~3ページ目です。このページで企業とのマッチングしやすい作品を入れるのがよいでしょう。企業が求めている人材は、業界、部署、時期によって異なります。業界研究、企業研究、求人情報で傾向を読み取りましょう。

例えば、業種から求められることは、

制作会社  → スキル技術
広告代理店 → アイディア、構成力
インハウス → 企画力
作家    → 表現力

事前に作品をカテゴリを分けておくことで応募企業によって順番を変えることができ、ゼロからポートフォリオを作る必要がありません。

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※あくまでも一例です。求人によっては求めるものが違います。またチームで業務するためのコミュケーション能力、協調性は必須となります。

当時のものですがデザイン例として、私のポートフォリオの一部を載せます。このときはデザイナーとして商品企画もしたかったため、コンセプトから企画した作品を最初のページにいれました。(今見るとド素人すぎて恥ずかしいです......きっと皆さんのほうが良いもの作れると思います。)

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企画系デザイナーを狙ったポートフォリオの例(制作:はなおか)

ポートフォリオの作品集以外のデザイン・準備物

1: ページ差し替えのしやすい「ポケット式ファイル」

ここでは、企業に合わせてページ差し替えをすることを前提としますので、製本はしません。効率性を考えてファイルにしましょう。

スカスカすぎても見栄えが悪いので10ポケット(20ページ分)でかつ複数冊購入しやすいものをおすすめします。予算、作風、シーンによってファイルを選んでみてください。

▼ ポリプロピレン製のおすすめファイル

▼ 紙製のおすすめファイル

▼ レザー製のおすすめファイル


2: 表紙は中身と合わせて、変えるなら紙質を

表紙は自己を表現する名刺です。多くの場合、採用担当者は複数のポートフォリオに目を通します。表紙は手に取るという行為を促してくれます。また、中身と表紙がチグハグではなく自分の作風にあわせたデザインにし全体を統一させる必要があります。

企業によって表紙のみ変えたいこともあるかもしれませんが、デザインの整合性をとることなど考えると、紙質を変えたり、箔押し、エンボスなどを施す方向が望ましいと思います。
紙質に詳しくなれますので、その点も自己アピールできるでしょう。

3: 紙質にこだわる

「上質紙」:テスト用や予備用におすすめ
 一般的なコピー用紙。安価なので刷りなおししやすい紙です。インクが染み込んでしまうため、暗めに仕上がります。刷りテストとして使うのがおすすめです。

「コート紙」:写真が多い場合におすすめ
表面がつるつるで艶のある紙。再現性が良いため、写真印刷に適しています。その反面、指紋がつきやすく傷つきやすいです。

「マットコート紙」:本気の企業にアピールするのにおすすめ
マットな仕上がりで発色良く高級感がでます。指紋や傷もつきにくいので扱いやすいです。ただ、値段も上質に比べ、高くなるので予算がない場合は、特に志望度が高い企業用に使うとよいかもしれません。

まとめ:ポートフォリオは常に作り変えるもの

就職活動は、数を絞って就職活動を進められるという強い意志を持った方はなかなか少ないと思います。多くの場合、採用がもらえるかわからない不安と戦いながら複数社エントリーを続けることになります。

本日紹介したものは、「作風」「表現方法」「自己紹介」以外で少しでも通過率を高め、かつ効率的に就職活動するためのポートフォリオのデザイン方法です。

もちろん、大学生活・実務の積み重ね、作品クオリティ、企業研究に勝るものはありません。

忙しいデザイナー志望者の参考になればと思っております。


WRITER : SMARTCAMP Designer はなおか
EDITOR : SMARTCAMP Designer モリシゲ(@MorishigeYuta

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