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それでも、教材が紙であるべきと考える理由②

教材について書いています。ICT教育が推進されている昨今ですが、まだ課題は多いのではと思っています。教材のデジタル化に反対しているわけではありませんが、教材はまだ紙であるべきだろうと考えています。

前回はこちら。

今回は、書くという視点で考えたいと思います。

年末になると、書店や文具売り場に大量の手帳が売られ始めます。スマホでスケジュール管理をされておられる方からすれば、意味不明な光景なのかもしれませんが、私はスケジュール管理もアナログです。

前からそうだったのではなく、一度デジタル化した後に手帳に戻った「出戻り派」です。

やはり大きいのは、入力の手間の問題です。デジタル機器は、入力との相性の悪さは、まだ改善されたというには早いと私は感じています。

この入力問題は、教材の電子化の問題としても存在しているかなと感じます。

私立高校を中心にタブレットPCが配布されていますが、高校生の使い方を見ていると、紙のノートをやめて、タブレットで一元管理している生徒は、きわめて少数派です。

ある社会人の方とお話をさせていただいた時、その話をすると、「会議は、資料は電子で配布されて、メモはタブレットにペン入力が大半」とお話されていました。

このような社会人の「常識」があると、学校教材の電子化は、「当然」であり、まだ紙を使っていると「遅れている」と感じるのかもしれませんが、現場の感覚では、そんな単純な話ではないのではと思います。

タブレット端末を配布されていても、高校生がいまだに紙のノートやルーズリーフを使うのは、やはり使い勝手が悪いからだろうと思います。

私もペン入力ができるタブレット端末も持っていますが、筆圧を十分にかけられず、入力のストレスを感じます。画面にペン入力用のフィルムを貼っていますが、十分ではありません。
さらにデジタル機器での手書きは悪筆がさらに目立つように感じ、ストレスを倍加させます。

会議などで、閲覧しつつ、ちょっとしたメモを取る社会人の使い方と、何時間も集中して書き続ける高校生の勉強は、同列には扱えないと思います。

この入力の問題は軽視できないのではと思います。

学校現場では、まだ課題提出などは、紙で行われているようですが、タブレットに直接入力することによる課題提出などは、生徒の負担が大きいのではと思います。

大学生くらいになると、事情は変わっているようにも思いますが、まだ高校生以下は、紙をベースに考える方がリスクが少ないのではと思います。

もちろん、昨今言われている電子教材のメリットを否定するわけではありませんが、課題があるのに、メリットに目を奪われるあまり、強引に推進すると、そのことがデメリットになる可能性もあります。

未来ある子供たちのためであるのならば、課題には真摯に向き合い、万全な検討が必要ではと思っています。

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