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日常に潜む物理現象と現代社会への警鐘?【コリジョンコース現象を学ぶ】

愛知県稲沢市で交通事故が起きました。事故現場は、田園地帯のこれ以上ないくらいの見通しの良い場所とのこと。なぜ事故が起きたのか。その理由として警察はコリジョンコース現象ではないかと調べているのだそうです。

コリジョンコース現象とは何なのでしょう?

コリジョンコース現象については、私は初耳だったのですが、JAFや損保会社が注意喚起をしているようです。

この動画を見ても、結構怖いなと感じます。
というのも、これほど見通しが良いと、「車が来ていない」と思うのも無理はなく、普通の十字路でのような注意意識は働きにくいことは十分考えられるからです。

このコリジョンコース現象は、物理の相対速度の考え方で説明できます。2つの車が等速で運動している場合、下図のように45°の角度は維持され、相対速度も維持されます。

JAFのHPより

これが人間の認識としては、等速で動いているか、止まって見えてしまいます。
自分が動いているという認識がある場合、等速で動いて見え、
自分が動いているという認識がない場合は、止まって見えます。

この事故を見て感じた疑問としては、人間の認知機能、とりわけ動体への認識機能は、それなりに高いはずなのになぜこのようなことが起こるのかということです。

今でこそ、定住生活している我々ですが、狩猟時代は獲物を狩りで獲得して生命を維持してきました。そんな我々の祖先が発達させた動体認識能力を、多少なりとは衰えているとはいえ、保持しているであろうと考えられるのに、なぜこんなことが起こるのだろう?という疑問です。

考えられるのは、このような形状が自然界で存在するのか?ということなのではと思います。
そもそも自然界で対称性があるものは非常に稀です。人間は綺麗な対称性のある構造物を好んでいたるところに作っていますが、そのような都市化した環境で歴史的にそんなに長く生存していない。なので、このようなコリジョンコース現象のようなことが起こるのかなと思いました。

このような自然界では存在しない人工物が人間に何らかの影響を与えている例はまだあるのかもしれません。

ただ、そんな難しく考えなくとも、事故を防ぐためには、交差点では、減速して注意して通過することではあるのでしょうが(^^;

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