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都庁のデジタル化ってどうやって進めているの? ~各局サポートの仕事紹介~

こんにちは、各局支援担当です。
このnoteではこれまで東京都のデジタルサービス局が進めている「スマートシティ」「データ利活用」「ネットワーク整備」などについてご紹介していますが、都庁の各局でもQOS(Quality of Service)の向上のため、様々な事業にデジタル技術を導入・活用する取組が行われています。この記事を読んでいる皆様の中には、デジタルに関する知識が豊富な方もいれば少し苦手な方もいると思いますが、都庁の職員も同様に、メンバーの知識レベルは様々です。そうした中、各事業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を迅速かつ着実に実現していくため、デジタルサービス局では、この各局のDXの推進をサポートする専門部署として「各局支援担当」を設置しています。今回はこの各局支援の取組をご紹介します!

サポートの内容

各局支援担当では、都庁各局におけるDX事業の計画段階から開発、テスト、リリースまで、各局職員に寄り添い、きめ細かな技術的なサポートを行っています。

[各局からのサポートの要望例]
✔  仕様書のチェックをしてほしい
✔  DX事業の進め方についてアドバイスしてほしい
✔  事業者との打合せに同席してほしい
✔  ユーザーテストの実施をサポートしてほしい
✔  UIデザインやUX設計のアドバイス、必要な検討プロセスやアクションを理解したい
✔  契約の成果物のチェックを一緒にしてほしい

このような各局の相談に対し、各局支援担当では以下の流れでサポートを進めていきます。

はじめに各局支援担当が受付用データベースから各局の相談を受け、どのようなサポートができるかを検討します。その後、各局と密にコミュニケーションを図りながら、各事業のニーズに応じた支援を行っていきます。
具体的なサポートの内容は、

・   構想段階での計画策定支援、国内外のデジタル市場動向調査
・   要件定義の段階での業務フロー整備支援、ユーザーテスト
・   調達段階での契約スキームの組立て、仕様書作成支援、見積書の妥当性確認、外部有識者の紹介
・   設計、開発段階での委託事業者との打合せ同席、成果物レビュー
・   ユーザーテスト(レビュー)
・   リリース段階での立会い
・   運用に向けた支援

など多岐にわたります。

また、デジタルサービス局には、民間企業等での勤務経験からDXの専門的な知識を持つデジタルシフト推進担当課長(DX課長)や、DX課長とともに各局の技術的支援に当たるICT職(人材プール)も在籍しています。それぞれ「プロジェクトマネジメント/プロダクトマネジメント」(企画段階からのプロジェクト支援)、「Human Resources」(採用/人材育成)、「Engineering」(データベース、クラウドシステム、インフラ技術等)、「UI/UX」(webデザイン、デジタルマーケティング等)及び「セキュリティ」(サイバーインテリジェンス、セキュリティポリシー等)のチーム体制を組み、高度で専門的な知見に基づく助言や、成果物のプロトタイプ(試作品)提供などの支援を行っています。この専門メンバーと、都庁の制度や環境を理解したプロパー職員である各局支援担当とが二人三脚で、各局のプロジェクトを強力にサポートしています。

サポート実績

昨年度は各局支援担当として255件の支援を行いました。

(支援の例)
・「徹底点検TOKYOサポート」プロジェクト(総務局)でのアプリ開発及び運用支援、DX推進等のサポート

・都の新型コロナウイルスワクチン大規模接種会場における予約システムの構築(福祉保健局)に係る企画検討、調達スキーム検討、テスト、運用に向けた支援等

・「TOKYO UPDATES」HP(政策企画局)のデザインの改善提案やアクセス解析ツール導入

・東京都内における繁華街の混雑状況等の公開(政策企画局)に向けた実現方法の提案や画像作成自動化プログラムの構築サポート

今後の各局サポート

昨年4月にデジタルサービス局が発足して1年が経ちました。2年目となる今年は、さらなる都政のQOS向上を実現していくため、各事業の企画・検討段階(上流工程)からのサポートに重点を置き、よりユーザーのニーズを踏まえたサービスを提供できるよう取り組んでいきます。また、この1年間で蓄積した様々なノウハウや好事例を積極的に情報発信して各局に横展開し、全庁的な知識の底上げとより一層のDXの推進を図っていきます。

おわりに

この記事をご覧になっている皆様の中には、手続きのためにわざわざお仕事を休んで役所に出向いたり、郵送したり、必要な情報に簡単にアクセスできなかったりと、行政のデジタル化の遅れによるストレスを経験した方もいると思います。実はこの記事を書いている職員の私自身、同じように思っていました。しかし、4月からデジタルサービス局の一員となり、各局の担当者もみんな同じ思いで、デジタルサービス局職員とともに一生懸命にDXに取り組み、東京都におけるDXが加速していることを日々実感しています。皆様にとってもこの記事が、実は東京都も頑張っているんだなと、ほんの少し安心いただける一助になると幸いです。