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都市のデジタルツインって!? ―都営大江戸線都庁前駅構内の3D点群データ収集とオープンデータの取組―

今回は次世代通信推進課の隣のデータ利活用チームが進めている、都市のデジタルツイン実現に向けた関連事業「都営大江戸線都庁前駅構内の3D点群データ収集とオープンデータ」の取組についてご紹介します。

1. 点群データって何ですか?

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突然ですが、これ、何に見えますか?

レーザースキャナで測定した、約3千万個の点でできている都営大江戸線都庁前駅の姿です。
戦略政策情報推進本部では、協定を締結しているルーチェサーチ株式会社(広島県広島市 https://luce-s.net/)にご協力いただき、交通局と連携し、昨年12月に都営大江戸線都庁前駅の構内で、点群データを取得する実証実験を行いました。

点群データというのは、3次元(X,Y,Z)の座標情報を持っている点のデータの集合のことで、「LiDAR SLAM(ライダースラム)計測システム」という最新の3Dレーザー計測技術を活用し、データ取得を行いました。

このシステム、何がすごいかって、一般的には取得した点群データをきれいにするのに数日かかるところを、ほぼリアルタイムで3D点群データが出来上がります。
移動しながら3D計測を行いつつ瞬時にデータ化できるので、現場で出来上がりを確認しながら作業ができる優れものなのです。
また、測定は専門知識がなくても計測機器を持って歩くだけででき、1秒間に約30万発のレーザーを、360°方向・上下±15度の範囲に照射し、データ取得を行っています。

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【(左)データ取得の様子;黄色の丸印がLiDAR SLAM(ライダースラム)という計測機器】
【(右)地下2階のデータ(一部);柱や改札の形がくっきり見え、点の集合であるのがわかります】

2. 点群データってどんなことに使われているの?

このLiDAR SLAM(ライダースラム)という計測機器は、ずばり、「短時間で現況をコピーのように取り込める」ところが一番の強みです。

例えば、増改築した建物で、現況の図面がない場合、点群データを取得することによって、高さや奥行きなどを容易に把握することができ、断面図や平面図などの図面化が可能となります。

わざわざ距離計などで地道に測量しなくてもよく、レーザーが届けば測量ができるので、道路調査においては、交通規制をかけずに幅員などの調査ができるメリットがあります。

このように、現況をコピーのように取得できるので、的確かつ効率的な構造物の劣化診断・予測解析などにも役立ち、様々なインフラ維持管理の分野で広く活用されています。

3. 取得データのオープンデータ化

今回取得した都庁前駅構内の3D点群データは、G空間情報センターでオープンデータとして公開しています。WEBサイト上からダウンロードしてどなたでも自由に活用できますので、ぜひアクセスしてみてください。(東京都オープンデータカタログサイトにもリンクを掲載しています)

【公開範囲】
 都営大江戸線都庁前駅 地下3階(ホーム階)から地下1階までの一部

【ファイル形式】
 LASファイル及びPLYファイル

【公開先】
G空間情報センター
東京都オープンデータカタログサイト

今回オープン化した3D点群データを活用して、こんなものを作ってみた、もっとこんなデータが欲しいなど、ご意見・ご要望がございましたら、下記フォームからお知らせください。
引き続きデジタルツインの実現に向け、チーム一丸となりプロジェクトを推進していきます!

【ご意見募集】
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