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総務省実証実験に都保有アセットを活用! 〜5G普及に向けた周波数帯の活用〜

 皆さん、こんにちは。
 今回は、ネットワーク推進課から5Gに関する実証実験についてご紹介させていただきます。ぜひ、最後までご覧いただけると嬉しいです!

「5Gがもっと使えるようになったらいいのにな…」

 2020年3月に商用サービスが始まった5Gですが、まだつながる場所は一部です。
 5Gが利用できるエリアが少ない今、「5Gがもっと使えるようになったらいいのにな…」と思われる方も多いのではないでしょうか。
 そんな中、5Gの普及に向けて総務省が興味深い実証実験をしています!
 また、その総務省の実証実験の場として、東京都施設を活用してもらいましたので、その様子もご紹介します。

5G用に新たな周波数帯を活用!

 総務省が取り組んでいるのは、5G用に新たな周波数帯を活用するためのDynamic Spectrum Sharing(DSS)/ダイナミック周波数共用システム(以下、DSS)の実用化です。
 DSSなど聞き慣れない言葉が多いので、順にご説明していきます。

2.3GHz帯の活用
 少し専門的な話になってしまいますが、日本国内での5Gには、6GHz以下の帯域であるSub6(サブシックス)としての3.7GHz帯と4.5GHz帯、ミリ波としての28GHz帯の周波数が利用されています。
 そして現在は、3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯以外の周波数帯を新たに5Gに活用することが検討されています。
 今回ご紹介するのは、現在、放送事業者が報道やマラソンなどのイベント中継等に使用している2.3GHz帯を5Gに活用するための実証実験となっています。

図1

DSSとは
 では、すぐにでも別の周波数帯を新たに5G用として利用できるかというと課題があります。既存の利用者がいるため、この周波数帯でこのまま5Gを利用してしまうと、お互いに干渉してしまうのです。
 そこで、既存利用者に干渉しないように、既存利用者と新規利用者とが仲良く共用で周波数を利用していきましょうという仕組みが考えられています。これが、DSSです。
 DSSを活用すると、既存利用者と新規利用者とが共用で周波数を利用できるかどうか、時間や場所を踏まえて、自動的にシステムが判定することが可能になると考えられています。すごいですね…!

<イメージ図>

図2

(出典)令和2年1月21日 総務省・総合通信基盤局「電波制度改革について」https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/toushi/20200121/200121toushi01.pdf

実証実験場所として、東京都の施設を提供しました!

 これまで説明してきたDSSを総務省が進めるにあたって、東京都からは立川都税事務所などの3施設を実証実験場所としてご提供しました。

図3

立川都税事務所

図4

立川地域防災センター住宅棟

図5

多摩職業能力開発センター本館棟

実証実験の立会いの様子

 その中の1施設である立川地域防災センター住宅棟で行われた実証実験について、実際にどんな実証実験が行われているか、都の職員数名で実験の立会いをさせていただきました!

図6

(実証実験で使用していた基地局)

 実証実験では写真のとおり3種類の基地局からそれぞれ電波を発射し、半径数km圏内に受信用機器を乗せた走行車と通信することで、お互いの電波受信データを記録する実験が行われていました。

 使用する帯域や電波を飛ばす方向等、それぞれ別々のパターンで実証実験が行われていました。中でも、飛ばしたい方向へ直線的に電波を飛ばしていることには驚きました(お恥ずかしい話ですが、素人の考えとしては、電波はどこもアンテナを中心として同心円状に飛んでいるかと思っていました…笑)。

図7

(実験立会いの様子)

 冒頭でも述べたように、5Gが使えるエリアはまだ少なく、5G基地局を全国に十分設置するにはとても時間がかかります。
 本実証実験によって今後5Gの利用手段が増え、全国レベルでの5G普及加速化に寄与することを考えると、非常に意義のある実証実験だと感じました。

おわりに

 今回は、5Gに関する総務省の実証実験、その実証実験の場として東京都施設を活用してもらったことをご紹介しました。5Gをはじめとしたデジタル技術は日進月歩です。今も、日本や世界各地で、このような新たな取組に向けた実験が行われているのかと思うと、とてもワクワクします!
 また、現在、我々ネットワーク推進課では国内の5Gアンテナ基地局等設置を更に促進するために、都内区市町村及び全国自治体へ5Gアンテナ基地局等設置のための公有財産の公開を後押しする取組を行っています。今後、他自治体に公有財産の公開をご提案するにあたっては、公開をすることでどのような価値があるのかを伝えていけたらいいなと思っています。

 今後も引き続き、このnoteでもデジタルサービス推進部のいろいろな取組をご紹介していきますので、是非フォローの上、更新をお待ちいただければと思います。