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気になるアルバムランキング(ビートルズと私④)

The Beatles and me Ⅳ

 夢中になる感じではない距離感の私が、ビートルズについて、アレコレを ”note” します!


 今回のテーマは、ビートルズのアルバムについて

 というのも、ちょっと前に、自分のスマホニュースに、ビートルズのアルバムに関する記事が流れてきたんです。

 ビートルズの人気アルバム投票の企画なんですが、5000人規模の投票で結果は以下の通り。(:後の数字は得票数)

1. Abbey Road:1305
2. The Beatles (The White Album):734
3. Rubber Soul:626
4. Revolver:582
5. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band:501

 ネット調査なので、どういう世代の人の票かは分かりませんが、笑ってしまったのが、上位に選ばれたアルバムの順が、まったく自分の意見と同じだったことです。

 まあ、好きなアルバムなんで、人それぞれでいいと思うし、それでアルバムの価値が上がったり下がったりするわけじゃないんで、こういうランキングを気にする必要はないのでしょうが...

 この距離感の私と、まるっきり同じってことは、自分みたいなCD世代やサブスク世代の人たちの投票が多くなってきた結果なのかもしれません。

 

+  +  +  +  +  +


 ビートルズのアルバムは、通常のものに加えて、企画盤、ベスト盤、はたまた、米国を始めとした各国での編集盤など、かなりの枚数がありますが、英国盤としては12枚のアルバムを公式オリジナルアルバムとしています。

【英国盤公式オリジナルアルバム】
1. Please Please Me (1963.3)
2. With The Beatles (1963.11)
3. A Hard Day's Night (1964.7)
4. Beatles For Sale (1964.12)
5. Help! (1965.8)
6. Rubber Soul (1965.12)
7. Revolver (1966.8)
8. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (1967.6)
9. The Beatles (The White Album) (1968.11)
10. Yellow Submarine (1969.1)
11. Abbey Road (1969.9)
12. Let It Be (1970.5)

 12枚のアルバムを見ると、スマホニュースで人気のあったアルバムってのは、キャリア中~後期のアルバムなんですよね。

 でも、これは特異なことではなくて、徐々にアイドル的なコンサート活動を控えて、レコーディングアーティストの道を歩み始めたとされているのが、6thアルバム「Rubber Soul 」の頃で、音的にもシタールの導入や実験的な録音技術が見られたりするのです。
 なので、「Rubber Soul 」以降のアルバムと、それ以前のアルバムを区分する流れは、以前からあったんですよね。

 アルバムとしての完成度でいえば、中~後期の作品が人気となるのは、多くの人が納得すると思うのです。

 ちなみにローリングストーン誌が2020年に発表したアルバム500選でも、この傾向は同様なんですよね。
 アルバム500選のうち、ビートルズのアルバムだけをランキング順に掲載すると以下のような感じになります。


「歴代最高のアルバム」500選 | 2020年改訂版

5. Abbey Road
11. Revolver
24. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band
29. The Beatles (The White Album)
35. Rubber Soul

 やっぱり、同じ5作品が上位です。

 なので、スマホニュースでも人気になるのは当たり前だと思うんですが、気になってるのは、8thアルバムの「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」のポジションなんです。


 「架空のバンドのショー」というコンセプトに基づいて構成されたアルバムは、史上初のコンセプトアルバムと呼ばれていて、ジャケットデザインといい、実験的でサイケデリックなサウンドといい、ビートルズの最高傑作と呼ばれたアルバムなのです。

※アルバム内でのアンコールにあたる『A Day in the Life


 自分の記憶では、自分がビートルズを意識した80年代では、ビートルズで最高のアルバムといえば「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」ってのが揺るぎない評価だったんですよね。

 それがよく分かるのは、ローリングストーン誌が発表したアルバム500選の2003年版の様子


「歴代最高のアルバム」500選 | 2003年版

1. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band
3. Revolver
5. Rubber Soul
10. The Beatles (The White Album)
14. Abbey Road


 2003年版ではトップ10に4枚も入ってますね。
 しかも「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」は、他のアーティストも含めた全アルバムの中で1位に選出されているのです。

 それぐらい評価の高いアルバムなのです。

 なのに、17年後の500選 | 2020年改訂版や、スマホニュースでは、ちょっとポジションが下がってるな~って印象になるんですよね。


 まあ、自分自身の順位も5番目なんで、文句を言う筋合いではないのですが、この「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」のポジションの変化を見ると、やっぱり音楽を巡る環境は着実に変化してるって実感するのです。

 多分、コンセプトアルバムを丸ごと聴くってことは、現代では求められてないのかもしれません...
 これは、いわゆるアルバムというパッケージそのものの価値が変わってきたということだと思うのです。


 サブスク時代には、好きな曲を聴きたいわけで、好きな曲がたくさん入ってるアルバムの人気が高くなるはずなんで、スマホニュースのランキングも、そういう傾向の現れだと思うのです。
 いわば「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」は時代の洗礼を受け、ポジションを変えてきたということなんでしょうね。

Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」に収録される予定だったシングル曲『Penny Lane


同じく『Strawberry Fields Forever

   この2曲が収録されなかったってのも、すごい話ですよね

+  +  +  +  +  +


 冒頭にも述べましたが、好きなアルバムは人それぞれで、ランキングによってアルバムの価値が上がったり下がったりするわけじゃありません。

 でも、どうして人気が高いのか、ポジションが変化したのかを考えていくと、興味深い感じなんですよね〜。

 「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」がポジションを下げてしまいましたが、逆に言うと、それは、新しい世代の方々の中にも、新たな感覚でビートルズを聴いてる人がいるってことだとも思えるんですよね。きっと、それって、いいことなんです。うんうん。
 

 ちなみに、スマホニュースでは、9thアルバム「The Beatles (The White Album) 」も人気が高い感じがしました。
 これについては、昔々、サザンの桑田佳祐さんが、ラジオの中で「無人島に持っていくなら『ホワイトアルバム』!」と発言したことが影響してるんじゃないかと、これは手前勝手にそう思っているところなのです。




<「ビートルズと私」シリーズ>
①ビートルズと私
②「ノルウェイの森」の第十一章を聴く!
③ジョージ・ハリスンを聴いています。
⑤"永遠のポップ・スター" ポール・マッカートニー
⑥近くて遠いジョン・レノン
⑦「Sgt. Pepper's~」のジャケットに出てくる6人の作家