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ウラ"角川映画主題歌10年の軌跡"(角川3人娘リプライズ)


 先日、記事にまとめた「角川映画主題歌10年の軌跡」の中では、”角川3人娘”と呼ばれた、薬師丸ひろ子さん、原田知世さん、渡辺典子さんのトリオの活躍を、主題歌と伴に紹介しました。

  角川映画主題歌10年の軌跡【中編 : '81~'84】
  角川映画主題歌10年の軌跡【後編 : ’84~’86】

 基本的に映画の主題歌を追っていく記事だったので、”角川3人娘” による挿入歌や、映画とは無関係だった曲は紹介しきれなかったんですよね。
 なので、落穂ひろい的に、あの頃にリリースされていた3人娘の曲を ”ウラ記事” としてリプライズしていこうと思います。


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■ 薬師丸ひろ子さんのリプライズ ■


「すこしだけやさしく」1983

 作詞:松本隆/作曲:大瀧詠一/編曲:井上鑑
 『わくわく動物ランド』エンディング・テーマ

 シングル「探偵物語」のB面だった曲なのですが、こちらのサウンドの方が、まさに大瀧ソングの王道って感じです。
 もとは、こちらが映画主題歌になる予定だったのが、A面とB面を入れ替えたってエピソードがありますね。
 でも、どちらも名曲なのです。


「元気を出して」1984

 作詞・作曲:竹内まりや/編曲:椎名和夫

 満を持してリリースされた薬師丸ひろ子さんの1stアルバム『古今集』には、(当時)それまでのシングルが入ってませんでしたが、印象的な曲が多かったんです。
 特に1曲目に選曲されていた、竹内まりやさんの「元気を出して」は、後に竹内まりやさん自身もセルフカバーした名曲です。


「スロー・バラード」1984

 作詞:松本隆/作曲:南佳孝/編曲:大村雅朗

 映画『メインテーマ』の挿入歌で、シングルのB面だったこの曲は、その後のアルバムには収録されてない曲だったりするので、ちょっとレアなんですよね。


~1985年3月、角川春樹事務所から独立

 独立後も、『野蛮人のように』(1985.12)、『紳士同盟』(1986.12)に出演するなど変わらぬ人気だったのですが、歌の方では、独立後、初のシングルとなった「あなたを・もっと・知りたくて」はCMソングだったりして、映画主題歌以外にも幅を広げていくのです。


「あなたを・もっと・知りたくて」1985

 作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:武部聡志
 NTTキャンペーン・ソング 

 この透明感!
 薬師丸ひろ子さんのすごさが感じられますよね~。
 途中、セリフが入るのが特徴的なこの曲は、松本/筒美/武部の斉藤由貴さんの「卒業」トリオによる名曲なのです。


「紳士同盟」1986

 作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童/編曲:武部聡志
 映画『紳士同盟』主題歌

 歌手活動40周年ライブでの「紳士同盟」なんですが、時は過ぎても、やっぱり ”なんてね ♪ ” は可愛いのです!


 電撃結婚、そして離婚、活動再開後は、テレビドラマにも出演するようになって、『木更津キャッツアイ』や『1リットルの涙』、『あまちゃん』など、印象的な作品も多いです。
 先日で完結したドラマ『最愛』でも、母役を演じてたりして、その世代世代で、違った顔を見せてくれるのが嬉しいのです。




■ 原田知世さんのリプライズ ■


「悲しいくらいほんとの話」1982

 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
 ドラマ『セーラー服と機関銃』主題歌

 薬師丸ひろ子さんの映画『セーラー服と機関銃』のヒットを受けて制作されたテレビシリーズで初主演した原田知世さんですが、主題歌デビューも果たしています。
 ソングライティングは、「セーラー服と機関銃」と同じ来生姉弟でした。ヒットには至りませんでしたが、なかなかの佳曲なんですよね。


「ときめきのアクシデント」1982

 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
 ドラマ『ねらわれた学園』主題歌

 好評だった前作を受けて、再び、薬師丸ひろ子さんの主演映画のテレビシリーズ版に出演した原田知世さん。
 主題歌も同じソングライター陣で制作されました。
 こちらもヒットしなかったんですが、ドラマでショートカットにした原田知世さんが抜群に可愛かったのです。


「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ」1983

 作詞・作曲:松任谷由実、編曲:松任谷正隆
 ミュージカル『あしながおじさん』主題歌

 大ヒットした映画主題歌「時をかける少女」に続いてリリースされた、原田知世さんの初舞台となった主演ミュージカルの主題歌でした。
 「時をかける少女」と同じくユーミンの手掛けた曲なんですが、ユーミン版も同時期にリリースされてましたね。


「雨のプラネタリウム」1986

 作詞:秋元康/作曲・編曲:後藤次利
 トヨタ『カローラII』イメージソング

 「早春物語」の後は、ダンスも入れながら、いろんなイメージを打ち出していった原田知世さん。
 少女のイメージから脱しようとしてる感じなのでしょうね…


~1986年、角川春樹事務所から独立

 独立後も『私をスキーに連れてって』や『彼女が水着にきがえたら』などのヒット作をはじめとして、数々の映画、ドラマに出演しています。

 90年代以降は、なんかペースを落として活動してた感じですが、音楽活動の方は、アーティスト色を強めていった印象です。
 等身大に音楽に向き合うような、そんなナチュラル感が強くなっていった感じです。
    あのトーレ・ヨハンソンがプロデュースしたりとか、それも納得なのです。


「ロマンス」1997

 作詞:原田知世/作曲:Ulf Turesson/編曲:Tore Johansson


 最近ではテレビドラマ『あなたの番です』に主演したりして、ちょっと意外だったりしたのですが、雰囲気はやっぱり変わらないですね。



■ 渡辺典子さんのリプライズ ■


「花の色」1984

 作詞:三浦徳子/作曲:財津和夫/編曲:大谷和夫
 ドラマ『探偵物語』主題歌

 デビュー曲、映画『少年ケニヤ』の主題歌と両A面シングルとしてリリースされたのが、自身の主演ドラマの主題歌だったこの曲です。
 「少年ケニヤ」もいいんですが、この「花の色」がいい曲なんですよね~。松田聖子さんの「夏の扉」コンビの作なんですが、三浦徳子さんの歌詞がまた良くて大好きなのです。


「題名のないバラード」1986

 作詞:阿久悠/作曲:佐藤隆/編曲:清水信之
 「彼のオートバイ、彼女の島」劇中歌

 映画の中で、渡辺典子さんが歌うのが印象的な曲です。
 サントラの方に渡辺典子さん版が収録されています。
 こういう幸薄そうな役柄はピッタリはまるんですよね~。


「火の鳥」1986

 作詞:阿久悠/作曲:宮下富実夫/編曲:瀬尾一三
 映画『火の鳥 鳳凰編』主題歌

 やっぱり角川アニメの主題歌と言ったら渡辺典子さんのイメージが強いんです。


~1986年、角川春樹事務所から独立

 原田知世さんらと時を同じくして、渡辺典子さんも独立します。
 独立後は主演作に恵まれてませんが、ドラマではちょくちょく顔を見かけますね。
 女優業が中心なんで、音楽活動はあまり行ってないのは残念なとこです。


「空色のピアス」1987

 作詞:川村真澄/作曲:タケカワユキヒデ/編曲:瀬尾一三
 『アニメ三銃士』イメージソング

 主題歌はのりピーが歌う「夢冒険」でしたが、番組の中の”三銃士紀行”で使われていた曲です。
 この曲もいい曲なんですよね~。
 以前にも書きましたが、渡辺典子さんの楽曲もサブスク解禁してほしいな~と、心から思ってるのです。


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 1985年に薬師丸ひろ子さんが、1986年には原田知世さんと渡辺典子さんが事務所から独立して、”角川3人娘” は終焉を迎えるわけなんですが、1982年の「角川映画大型新人女優募集」で、渡辺典子さんがグランプリ、原田知世さんが特別賞を受けてからのことなので、わずか4~5年ほどの期間なんですよね。

 その中で、これだけの密度の活動をしてるのは、すごいことだと思うんですよね。
 そういう意味で、”角川3人娘” も80年代を彩ったアイドルだったのは間違いないのです。