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私はピアノの謎(There is a Song)

『私はピアノ』:高田みづえ(1980)


 『私はピアノ』は、サザンオールスターズが1980年にリリースしたアルバム「タイニイ・バブルス」に収録されていた曲で、同年、高田みづえさんがカバーした曲です。

 以前、紹介した『シャボン』と同じく、桑田佳祐さん作詞・曲になるんですが、今回は、この『私はピアノ』の歌詞について考えてみようと思います。



 そもそも、タイトルの "私はピアノ" って、どういうことなんでしょうね。

 歌詞中にピアノが出てくるのは最後のとこだけなんですが...

ひとしきり泣いたら
馬鹿げた事ネと思う
ピアノに問いかけてみたけど
ピアノに問いかけてみたけど
くり返すのは ただ Lonely play
Lonely play

 曲全体では、失恋した女性の孤独さを歌っている感じなので、ピアノに問いかけてみたのはその女性になるはずです。
 なので、文脈的には、「私ピアノ」や「私ピアノ」というタイトルが正解だと思うのですが、そこを敢えて『私ピアノ』とするあたりがらしいとこですよね。

 1番の歌詞のサビの終わりでは、”言葉もないままに生きてる”って部分があるので、弾く人がいなければ音が出ないピアノにイメージを重ね合わせてるんでしょうね。

あなたがいなければ
1から10までひとり
言葉もないままに生きてる
くり返すのは ただ Lonely play


+  +  +  +  +  +


 この曲、サザンオールスターズの原曲と高田みづえさんバージョンでは、アレンジが違っていて、サザンの原曲は、もっとサンバテイストが入ってるんですよね。

 個人的には、先に耳にした事もあって、しっとりとした歌謡曲っぽい高田みづえさんバージョンが好きなんですが、原由子さんの歌声もやっぱいいのです!


 また、この曲の中には、ラリー・カールトンビリー・ジョエルという実在のアーティストが出てきます。
 後になって、ああ、『私はピアノ』の "ビリジョ" ってこの人のことだったんだ。みたいに広がっていくのが楽しいんですよね。

あなたから目が離せない
ふたりして聞くわラリー・カールトン
つらいけど涙見せない
雨のふる夜にはビリー・ジョエル

 正直、ビリー・ジョエルの音楽には、ほどなく出会えたんですが、ラリー・カールトンの音楽には、中高生の間は出会えなかったんですよね。

 ビリー・ジョエルがピアニストだったこともあって、『私はピアノ』で登場するんだから、きっと、ラリー・カールトンもピアニストだろうと信じきってたんですよね~。
 なので、ギタリストって知ったとき、ちょっと違和感を感じたのですが、それって私だけですかね…

 一応、私と同じように、ラリー・カールトンがギタリストって知らなかった人のために、代表曲『ルーム335』を紹介しておきます。




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