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久しぶりに観てみた映画の話【ストリート・オブ・ファイヤー】

 STREETS OF FIRE (at the Amazon prime video)

 

 今は読書が中心の生活になってしまいましたが、昔はよく映画を観ていた時期があります。

 最近は、好きな監督さんの新作をたまに観るぐらいなんですが、Amazon prime video のラインナップを見てると、懐かしいのがあったりして、ちょっと観たくなっちゃうことがあるんですよね。 

 久しぶりにその映画を観ると、何か印象が変わってたり、昔は気づかないことを見つけたりすることもあるので、そういう視点で感想を書いていきたいと思います。


 今回、紹介するのは

「ストリート・オブ・ファイヤー」

 監督 ウォルター・ヒル 1984年 アメリカ
 出演 マイケル・パレ ダイアン・レイン

 

 何十年かぶりに観たんですが、結論から言うと、やっぱり面白かった!

   けっこう引き込まれてみてしまいました。


 簡単にストーリーを説明すると

 悪の魔王にさらわれたお姫様を勇者が救い出す。

 ただそれだけ.....、簡単です。簡単すぎる.....

 

 言ってみればおとぎ話なんですよね。
 ただ、普通のおとぎ話と違うのは.....

 お姫様がロック・クイーンで、悪の魔王はストリートギャングのボス、そして勇者がならず者ってことですかね。

 そう、この物語は、ロックン・ロールの寓話なのです。

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 まあ、寓話(おとぎ話)なのですから、巧緻な物語構成や、思いがけないどんでん返し、哲学的な思想など、深いものを求めてはいけません。

 93分という時間をただ楽しむ映画なのです。


 正直、今、観ると、MTV全盛の80年代ロックン・ロールみたいな感じなので、古臭いことは否めないのですが

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 それも、そういう世界と思えば問題なし! なのです。


 

◎キャストについて

 キャストもなかなかはまってるんですよね~

 

 さらわれるロック・クイーン役のダイアン・レイン

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 まだ10代だったと思うんですが、多分、この映画のダイアン・レインが、キャリアの中で一番キレイなんじゃないですかね。
 『リトル・ロマンス』の少女が、一気に大人の女性になっていった感じなんですが、同時期に撮られた、コッポラの『アウトサイダー』『ランブル・フィッシュ』『コットンクラブ』と比較しても、やっぱりこの映画での美しさには及ばないと思います。


 勇者役のマイケル・パレ

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 無精ひげがの似合うイケメンさんですが、当時はまったくの無名で、この映画を通じてスターになったんですよね。
 クールなくせに、けんかは無茶苦茶強くてカッコ良かったです。


そして、ストリートギャングのボス役のウィレム・デフォー

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 まさに悪の魔王という感じで!主役2人よりも強烈な印象でしたね。
 この作品で一気に性格俳優の仲間入りをしたと記憶しています。

 その武器となったのが彼の "顔芸" なんです。

 とにかく、表情の圧力が半端ない!

 最後の対決でのこんな顔や

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 こんな顔など

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 『半沢直樹』の大和田常務も、足元に及ばないほどの血管の切れ方で、この映画の見どころの一つとなっています。

 デフォーは、今でも、時々見かけるので、見ると、いつもこの役を思い出してしまいます。


◎あらためて観て感じたこと

 今回、観直してみて、改めて凄いと思ったのは、無駄のない編集に尽きると思いますね。

 脚本ではセリフも抑えられていて、テンポよく物語を進めていくカッティングにほれぼれとします。いや~小気味良いです。

 この映画のオープニングとエンディングには、ダイアン・レインのライブシーンが用意されているのですが、そのカッティングも秀逸で、そのままMTVとなってる感じです。

 特に最後のライブシーンで、主人公のマイケル・パレが会場を出ていこうとして、出口で足を止め、ダイアン・レインの歌う『Tonight Is What It Means To Be Young*』を聴く場面があるのですが、

 ここがいいんですよ~ 

 そして、曲のボルテージが最高潮になった瞬間、会場を去る!.....みたいな、この編集の間が絶妙なんですよね。

 私の場合、この一瞬を観るためにこの映画を観るといっても過言ではないので、ぜひ、皆さんにも共有していただければと思います。


*『Tonight Is What It Means To Be Young』


『Inside "Streets of FIre"』



◎ウォルター・ヒル監督について

 ウォルター・ヒル監督のイメージは、男臭いアクション映画を撮る監督って感じですね。けっこう好きな監督で、初期から中期ぐらいまでは追いかけて観ていました。

 ・ウォリアーズ The Warriors (1979) 
 ・ロング・ライダーズ The Long Riders (1980)
 ・サザン・コンフォート Southern Comfort (1981)
 ・48時間 48 Hrs. (1982) 
 ・ストリート・オブ・ファイヤー Streets of Fire (1984) 
 ・クロスロード Crossroads (1986)
 ・ダブルボーダー Extreme Prejudice (1987)
 ・レッドブル Red Heat (1988) 
 ・ジョニー・ハンサム Johnny Handsome (1989)
 ・48時間PART2/帰って来たふたり Another 48 Hrs. (1990)

 残念ながら『レッドブル』や『48時間PART2』が性に合わず、90年代以降の作品には興味を失ってしまい、最近の作品は観てません。
 最近では、製作者としてクレジットを見ることがあって、なんか懐かしくなったりしますね。

 代表作となるのは、ニック・ノルティとエディ・マーフィの『48時間』と、この『ストリート・オブ・ファイヤー』で、恐らく、この辺りが絶頂期だったような気がします。

 ちなみに、ノーアクションの音楽映画『クロスロード』、逆に、とにかく銃弾が飛びまくるペキンパー風の『ダブルボーダー』もお薦めしておきます。




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