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久しぶりの外が暑いのでびっくりする ~とあるOLの乳がん日記【135】

136.

先生が外に出てもいいですよ、と言ったのでさっそく明日から外出するために、外出届を出すことにした。

外出届には、日付と、出発時間と、帰り時間を書くところがあったので、それを埋めて看護師さんに提出した。
どこに行くか全然決めていなかったけれど、まあ適当に、病院周辺をふらふらしようと思った。

そういえば、持ってきた本を読み終わってしまったので、姉に、何かおもしろそうな本を母に渡してほしいとお願いした。
母は明後日来ると言っていて、それまで読むのがないので、コンビニの本棚を眺めたりした。
コンビニの本棚では、人気の作家さんの、ドラマ化もされた小説があって、買おうかどうか悩んだけれど、とりあえず一旦保留した。

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次の日になって、いよいよ外出の日になった。
洋服は、入院したときに着てきたものしかなかったので、それを着た。
お化粧は、最低限、眉毛とアイラインだけ引いた。

あと、帽子を被った。
帽子を被ると、髪の毛がないことがあまり目立たないので、よかったと思った。

外に出るのは約2週間ぶりだった。
前回の手術の入院のときはトータル5日間だったので、すごい久しぶりな感じがした。

でも、さあ、外だ、と思ったのもつかの間で、さてどこに行こう、と思った。
病院の前でぽつんと立っていても仕方ないので、とりあえず病院の周りを散策しようと、うろうろ歩こうと思った。
しばらく歩いたけれど、目的もなく歩くのは、なんだかつまらなく感じた。

なので、ひとまずじゃあ駅のほうへ歩いていこうと思っていたら、道路標識に見覚えのある地域の名前が出てきた。
あまり気にしていなかったけれど、考えてみると、このあたりは、私の中高生の頃に通っていた学校の最寄り駅から、遠くないことに気づいた。
だから、母校のほうへ行ってみよう、と思った。

てくてくお堀沿いをひたすら歩いた。
それからしばらくして、なんとなく見覚えのある風景になってきたので、おぉ、と思った。懐かしいなあと少しだけ感傷的になったりした。

でも思ったより早く着いてしまったので、またどうしようと思った。
どこかのんびりできるところを思い浮かべて、近くに神社があるのを覚えていたので、そこに行った。

神社はものすごく広いところで、学生時代はここに、制服のまま行って鳩にエサをやって大量に鳩に囲まれたり、あと、浴衣を着て、友達と来たことがあったりした。

そんなにしょっちゅう来ていたわけではないから、思い出と比べてどれだけ変わったかとか、変わっていないとか、わからなかったけれど、たぶんそんなに変わってないなと思った。

6月中旬で、そろそろ夏の前振りみたいになっていたので、この日はとても暑かった。
でも、神社の中は木がたくさんあって、木陰がとても涼しかった。
しばらくぼんやりしながら神社にいて、他の場所にも行こうと思ったけれど、思ったより時間が経過していたので、行くのは明日にして、今日は帰ろうと思った。

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お昼ご飯は不要と外出届に書いていたので、学生時代によく食べていたサンドウィッチのチェーン店で買って病院で食べた。
あと昨日保留にしていた本も買って読むことにした。
でも、久しぶりにたくさん歩いたせいか、いつの間にか眠くなって、気が付いたら寝ていた。

夕方になると母親から、外出はどうだったかの連絡が来た。
外が暑くてびっくりしたことと、また明日も外出をしようと思っていることを伝えた。
何か必要なものはあるかと聞いてくれたので、日傘を持ってきてくれるよう頼んだ。
明日も歩くぞ、と思った。

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