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【small design】ジーンマイク

先日、noteでお世話になっている建築家の吉田裕枝さんの記事が頭から離れず、自分なりに考えたことをまとめてみようと思う

まず概略は、ドラえもんの『ジーンマイク』というお話についての議論である
のび太くんがテストで0点をとってしまって落ち込んでいると、先生が

「目がついてるのはなぜだと思う?」
「前へ前へと進むためだ!」
「ふりかえらないで。」
「つねにあすをめざして、がんばりなさい。」


と励ましてくれます。
これにのび太くんはジーンとなり感動する

この感動を共感してもらいたくて、しずかちゃんやママ、ドラえもんに話しても聞く耳を持ってもらえない

そこでドラえもんが四次元ポケットから出したのが『ジーンマイク』

このマイクで話した言葉は、すべて聞いた人にジーンと伝わるという不思議なマイクである


これを、それぞれの人の気持ち『水の流れ』としてのび太くんの聞いた話『カヌーの向かう方向』だとして解説したのが吉田さんの記事です

そして、吉田さんの仕事感は『人間ジーンマイク』であるということ


実社会において、ひとつの仕事には多くの人が関わっています
会社であれば、様々な業務を分担しながら仕事を進めますし、個人事業主の方でも色々な分野の人との関わりで仕事が成立しています

私自身で言うと、個人で建築設計の仕事をしている
建築設計には、クライアントから依頼を受けて、土地を探して、予算を調整して、基本設計をまとめて、構造設計、設備設計、エクステリア設計などなど、たくさんの業務があります

コロナもあって、これから個人にしろ組織にしろ『個の力』が求められる時代になると考えている

大企業でも小さな権利を持ったチームの集合になるだろうし、個人事業主はバラバラに仕事をするのではなく、細分化された小さな企業がつながり合うことで、仕事ごとに適当なチームを編成するようになるのではないだろうか

それはたまたま居合わせたイルカ達が群れをつくってはまた別の方向に泳いでいくようなイメージである

こうした働き方は、小さくて明確なビジョンをもった企業を集めることでよりクオリティーの高い仕事に繋がる

また低賃金で人を雇うようなブラック企業に対する対抗策にもなるのではと思っている


話をジーンマイクにもどすと

これらの『小さな個』を同じ風向き(気持ち=志)カヌー(話=目標)が進めたときに、これからの働き方が見えてくるように私は思う

再び話を私の建築設計事務所の仕事に移すと、
個人で事務所をつくると、全ては自分のオリジナリティが求められる
全てを自分でこなすことが良しとされる傾向があって、不動産のことも精通しなければならないから宅建の資格を取得して、お金のフォローも出来るとお客さんに信頼されるからFPの資格を取得して、福祉にも対応したいから福祉住環境コーディネーターの資格も取得して、ついにはホームページもつくりたいからプログラミングも勉強してみたいなことになりかねない

決してこのような努力を否定するつもりはないし自分自身も複数の資格を持っている

ただ全てを1人でやるのは限界があるし、それが必ずしもクライアントにとってベストとは限らない

同じ風に乗ったイルカの群れをつくることで、自分の役割に集中することが出来るはずである

また全てをこなすことで、家族との時間や自分への投資の時間がなくなってしまったら豊かな暮らしとはならないのではないだろうか

私の仕事で一番大事なのは、
『こんな建築をつくりたい‼︎
という、のび太くんが感じた強い『ジーン』を発信することだと思っている

これを人間ジーンマイクであらゆる人に共感してもらい、みんながハッピーになることが目標である

大企業のように潤沢な資金があるわけではないから、私のような小さな個人の場合、どれだけ深いジーンを発信できるかが大事だろう

大企業であれば、同じ風に乗っているのは水上バイクのような動力を持ち合わせているかもしれないが、たとえカヌーであっても一生懸命漕いでもらえるようなジーンを発信したいと思う

私で言えば、
『小さい(=small)』ことで生まれる豊かさをデザインしたい
と思っている

noteでお世話になっているTAISUKE YAMASHITAさんの記事には深いジーンとなる発信が詰まっていて刺激を受けています

いつか一緒の風にのって仕事をしてみたいと思っています!


また、こちらもnoteで知り合った同じ岡山県倉敷市で青果市場を営む丸一青果さんは『食』を通して農業の現状を知ってもらいたいとnoteで発信をされています。

より美味しくて、健康的な『食』を確保することの難しさを訴えています。大量生産は日本の食と経済を考えるとなくてはならないことである一方、品質に拘れば経営的にリスクが大きくなるようだ
私の知人の旦那さんも個人で農家をやられているが朝から晩まで仕事をしておりなかなか家族の時間が取れないようだ

建築設計事務所と似ているところがあるのかもしれない
設計事務所はブラックな働き方が当たり前だった
好き好んでひたすら仕事をしているところもあるので一概には言えないが、スタッフには働いた対価はしっかり支払われるべきだと思う


より良い品質のものを届けたいという丸一青果さんのような深いジーンを同じ風にのってカヌーで進めるような仕組みが出来ればいいなと思った

農業について詳しくは分からないが、異分野で合っても同じ風にのってカヌーを進めることは出来るのではないだろうか

例えば前述のYAMASHITAさんは、淡路島で農業をはじめようとしている


小さいかもしれないが、深いジーン人間ジーンマイクによって繋がりが生み、豊かな社会になることを夢見ている

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