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秘伝のタレを育む場所、心躍る相棒〜手帳の佇まい(1)

名店の鰻屋さん、焼き鳥屋さんの秘伝のタレのようなのです。何年も継ぎ足し継ぎ足し、コクや旨味がじんわりと育まれ、独自の風合いを生む。そのお店にしか出せない、その店主にしか作れない深い味わいになるのです。

システム手帳とはそんな存在です。そこには自分が生きた軌跡が刻まれます。夢や希望、ひとしおの喜び、ささやかな幸せ、かけがえのない記憶、長所や短所、趣味や嗜好、思考や思想、価値観など、自分自身のすべてが束ねてあります。  

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何年にも亘り、いわば魂が投影され、自分自身を知ることのできる場所。生きる喜びと感謝、成長を促してくれる拠り所。

秋深く、文具フロアで手帳売り場が最も活況な頃合いです。毎年、そのさざめきの光景にワクワクします。

2021年の予定や記録、タスクなどがやがて書き込まれ、持ち主のそのときどきの内容が刻まれる手帳。そんな新品たちが一糸乱れず整列しています。

スケジュールや目標の管理はもとより、弱気な心を奮い立たせる言葉、忘れ得ぬ記録、忘れてはならない自省、大切な仲間や家族との思い出、趣味などを書いて書いて書きまくる。                   そのすべて、あるいはその一部を常にお守りのように肌見離さず、一年に限らず永続的に持ちつづけられる…。
それがシステム手帳を使いこなす醍醐味。

30年数年以上前に一大ブームとなったシステム手帳。当時から僕は複数のシステム手帳を使い分けし、本当にお世話になり続けてきました。

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かつて、売り場でシステム手帳の影が薄くなった時期がありました。年々狭くなるスペースで感じていました。

その背景には、デジタル化の進展、システムの手帳の重さ・分厚さ・書き難さ、個性的な綴じ手帳の登場などがあるでしょう。

手書きの素晴らしさ、経年で育つ本皮の風合いや光沢の美しさ、自由にページを入れ替えて常に変化に対応でき、一生使い続けられるという魅力と利点のあるシステム手帳は、この数年で大きな進化を遂げています。

もう重くないし、本体サイズは多様。
リングも小さく薄い手帳も。
バインダーもリフィルの種類も多彩。
その佇まいは格好良くて機能的、
ときに優しく、ときに甘美で麗しい。
仕事のモチベーション向上に繋がります。

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自分の仕事や役割が変わるたびに
あるいは季節ごと、ときに気分次第で、
バインダーを変えるのも楽しい。
中学生の頃に使った旺文社の参考書と同じ
「自由自在」。
システム手帳こそ、
ニューノーマル時代に必須のアイコン。

そんなことを考えながら、我がシステム手帳に、今、そっと手を添えてみます。命を温めてくれるような逸品。

30年以上のシステム手帳愛、その具体的な魅力とコロナ禍での効能を、しがないビジネスパーソンである僕がこれから何回かに分け、綴っていきたいのです。

「晩秋の手帳売り場や胸弾む」弥七


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