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サステナブルな行動で生まれる課題とは? ー【イベントレポート】slowz × IDEAS FOR GOOD  オンライン哲学カフェ「サステナブルのジレンマ ~サステナブルにまつわる “もやもや” を語ろう~」後半

こんにちは!slowzのコミュニケーションマネジャー西田です!

前回に引き続き、残り3つのテーマも興味深いものばかりでした!
今回も少しずつ掘り下げて行きたいと思います。
では後半スタート!より倫理的なテーマへ。

問い3:日本で多様性社会を実現するには?

多様性

サステナビリティ というと地球環境の問題として捉えがちですが、一方でそこに生きている私たちが歪みあっては、何も進んでは行きませんよね?。
自身がLGBTであることや、男性社会の企業の中で感じることがあり、
かつその歪みを埋めるにはどうすれば良いか?ということを、
参加者のお一人が、打ち明けてくださいました。
「自分と違う考えの人を受け入れないことや、抵抗がある人との距離を縮めて理解し合うためには何か必要なの?」という、悩み続けるだけではない前向きな姿勢に、一人一人が呼応するように発言していく様子が印象的でした。

こちらのジレンマについて出た意見をみていくと、

●問い3に対する意見A:
多様性という言葉や捉え方の違いを考えてみる

 日本における多様性って、SDGsなどのイメージが先行してしまい、
まだちょっと一面的で消費的なイメージがあります。新しい言葉を作ってしまうなど、自分が本当に伝えたいステージで話してみることもありだと思います。
 また多様性というと文化的な捉えられ方の違いもあり、アメリカでは多様性というと、システマチックな解決策と、人々の間の問題とは分けて考えられているようにも思います。アメリカの場合は、システムとして整備され切ってしまった世界への声なのかなと思います。

●問い3に対する意見B:
実はみんなマイノリティなのでは?

 究極その人自信が自分らしく、自然な状態であれば多様性って担保できるのだと思います。海外に行くと全員があまりに違いすぎ、その人が存在する意味がそれぞれに出てくるので 、全員がマイノリティみたいになると居心地がよくなると思います。
 また、マイノリティだと自分で思われている方のほうが、「自分がどういう人間なのか?どういう風に考えて生きていくのか?」ということを、はっきり主張できていて、信頼できるなと思います。

●問い3に対する意見C:
それぞれの場面で対話を創り上げる

 10年ぐらい海外に住んだ後、日本企業に就職した経験があります。
双方にカルチャーショックを受けたのですが、その後認め合うことができました。日本人だから、相手は女性だから、男性だから、学歴が高いからとかそういうことではなく、そこから調整しながらコミュニケーションとっていくことは、人それぞれ創り上げるものなんだなと感じました。
conversationという言葉がありますが、もとはconverse(対面する)という意味です。会話って、全く違う人が対面するときのためにあるのかなと思います。

●問い3に対する意見D:
言葉のない包みこむようなコミュニケーション

 沖縄で予備校教師をしていると、生徒さんがお菓子を必ず分けてくれるんです。歴史的に辛い時代があったことも関係していると思いますが、違いだとかに目くじらを立てずに包んでいくことが、ひと昔前の沖縄にはあったように思います。本当にこれから地球環境の調和ということを考えるのであれば、言葉ではないやりとりもあった方が良いように思います。

○slowz西田の所感:
多様性と言うのは、個々人の対話の上で成り立つものだと思っていましたが、文化的な背景や言葉での主張ばかりでないことも共存して行ける方が、牽制しあわないやりとりを最初から醸成していけるのではと学びました。

問い4:フードロス×消費者心理?

フードロス

 「廃棄をだすとフードロスに繋がるけれど、でも商品を切らすとお客さんから不満が出てしまう。なので多少の廃棄は容認するシステムにジレンマがある。」という、飲食店で働かれているからこその立場で、需要と供給の間にあるリアルな意見をいただきました。いつでも美味しい食事が食べられる!、スーパーに行ってもいつも食材がある!という消費者サイドの過剰な安心感が、フードロスに繋がっていることはあるのかもしれません。

一方で、IDEASでは「フードロスはコミュニケーションの問題」ということをよく話されるそうです。メニューについて店員さんと会話することや、レシピ通りに作らなくても良いというように、少しの工夫でも軽減に繋がって行くのだと思います。

こちらのジレンマについて出た意見をみていくと、

4に対する意見A:
従業員はステークホルダー

従業員として働かれている方々は、サプライチェーンとしての企業にも、消費者サイドにも働きかけられるというすごく大事なステークホルダーだなと思っています。その意見を活かし、廃棄の仕方もの肥料だったり循環する仕組みなど、もう少し企業との意識をすり合わせて変えていければ良いと思います。

●問い4に対する意見B:
個人間の対話を補助する存在としてのテクノロジー

 テクノロジーで、街全体でのごみの量を算出し、可視化された状態で、供給側と消費者が繋がっていけば、対話は進むんじゃないかと思います。
 また子供食堂に賞味期限切れの食品が持ち込まれ供給過多になっていたり、一方で隣町で栄養失調での餓死してしまう子供がいたりとか。その偏ったバランスも可視化され、外に接続していくことが必要なのだと思います。自分たちの課題は、外にとってはメリットかもしれないとか。テクノロジーだけでなく、個人間の対話レベルでも街の情報交換をしていけば、もう少し変わっていくんじゃないかと思います。

●問い4に対する意見C:
上勝町での具体的な取り組み

上勝町では例えばメニューの中に、麦何%だとかが具体的に書かれています。また、あるオーナーさんは「本当にあなたそれだけ食べられるんですか?」っていうのを電話で問い詰めるらしいです笑。他にも残り物でできる料理だとか、規格外の商品を使うことをのクレド(信条)をwebで公開していたりします。フードロスと食糧廃棄は違っていて、後者は流通の段階で捨てられてしまうものです。上勝町では規格外の野菜や市場に出ないで捨てられていそうなものを、積極的に農家さんに聞いていくスタンスでいるそうです。

○slowz西田の所感:
 フードロスは店員さんとの対話などで、本当に食べたいものを選んで行くことで防げるんだなと感じました。
 また、「レシピ」や「規格品」なんていうのは、エンドユーザーにとってはいくらでも価値観を変えられる基準なのだと思います。その基準を捉え直し、そこから見たこともないような料理に出会える方が、個人的にはワクワクしますね!

問い5:サステナビリティの業界で働く人は本物のサステナビリテストであるべきか?

オーセンティック

サステナビリティ業界で働く存在として、またボランティア活動なども行う中で、頭では理解しているけれど、結局生活に合わずやめてしまうなど、思考と行動の乖離が起きてしまうことに悩むというジレンマ。
たまに炭酸やコーラがどうしても飲みたくなって買ってしまうことや、、
できないものまで知ってしまって楽しめてない!なんていう関心があるからこその感情も。
どこまでもオーセンティックであることは、誰しも難しさを覚えてしまう課題のようです。

こちらのジレンマについて出た意見をみていくと、

問い5に対する意見A:
カーボンオフセットを行う

海外に取材にいく時に環境負荷が高いので、かなりカーボンオフセットの取り組みはしています。サステナビリティ原理主義になりすぎず、自分を追い詰めすぎるのはよくないということがチームでは共有されています。

問い5に対する意見B:
サステナビリティはジャッジメンタルになっちゃいけない

 ニューヨークで活動をされている方に伺った言葉で、「サステナビリティっていうのはライフスタイルだから、ジャッジメンタルになっちゃいけない」と仰っていました。本質的だなと思うのは、ライフスタイルって他の人がとやかく言うことじゃないですよね。
 また意外とわからない部分もあって、リユースとして瓶を使う場合にも、すごい薬剤で洗浄するんです。北欧の先進国などでは進んでいますが、ペットボトルも100%回収できるようになれば、あえてそれを選択することができます。まずはいくつかの正義に対して耳を傾けてみることが大事なのかなと思います。

●問い5に対する意見C:
AかBかで判断しない

痛みを知っている人は、他人の痛みに共感できるんだと思っています。
自分も実践してできないとこあるよねって体験していたら、ある程度を容認していくことができます。実践からA か B かで分けきれないなっていう行動が多々あって、そんなに苦しまずに、サステナブルな行動を少しずつ増やしていけばいいんだと気づきます。
合宿の時、ヴィーガンじゃないものが出てきて、その時にちょっと食べてみたいなと言うと、周りに「なんだそういう面もあったんだ!」という風に受け入れられたことがありました。ABではない行動で、その場にいた人との距離が縮まったのかな?という経験があります。

○slowz西田の所感:
自分自身にジャッジメンタルであっては、苦しくなってしまって続かないなと私も感じます。それぞれのライフスタイルを尊重し、できることとできないことを共有できるようになれば、大きい社会が変わって行くような気がします。まずは自分を許し、その上で他者に耳を澄ましながら進んで行ければと思います。

終わりに...

偶然オンライン上で出会った、見ず知らずの人々と繰り広げたとは思えない、フラットで広がりのある議論でした。大変な長丁場でしたが、みなさま本当にありがとうございました!また今後も、どういう形になるかは分かりませんが、イベントを行っていきたいと思っています。

これからもslowzは、一人一人の行動や価値観を大事にし、寄り添って行くことができるアプリになるように、開発を進めて参りたいと思っております!みなさまどうぞ、よろしくお願いいたします!

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