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築地場外市場 もんぜき通り

スローリー余話
街の”なりたち”#19

朝から多くの観光客で賑わうもんぜき通り

早朝から多くの観光客で賑わう『築地場外市場』の新大橋通りに面したアーケード街『もんぜき通り』。東京中央卸売市場が築地にあった頃には全国から集荷される鮮魚を積んだ大型トラックで賑わった新大橋通りですが、現在は団体の観光客を乗せたバスで賑わっています。かつては市場で働くひとの食欲を満たしていた『もんぜき通り』の”美味しいもの”は今や国内外の観光客を愉しませています。「門跡橋」の余話も併せてご一読ください。
(以下、2023年10月発売『東京Slowly² vol.2』より)

働くひとを思いやる
優しさに満ちた中華そば

築地若葉

澄んだ優しいスープと極細麵。この一杯を求めて通い続ける常連客が多い

1955(昭和30)年創業。直木賞作品「魚河岸ものがたり」の舞台にもなった名店。あっさりとした豚骨ベースの澄んだ醤油スープと極細の縮れ麵が特徴の『中華そば』は、築地の名物料理といっても過言ではない。鶏ガラと誤解されてしまう程のあっさりとしたスープは丁寧な仕事によって生み出される美味しさ。スープに絡む極細麵は市場で働く人や仕入れに訪れる料理人など忙しい人を思って1分もかからず茹で上がる創業以来の伝統。観光客のみならず近隣で働く海外の顧客も多く、常連客は日本人だけでなく国際色豊かだという。忙しい人のことに思いやりを持って誕生した「極細麵と上質なスープ」は日本だけでなく世界的にも「美味しい中華そば」として認められている。

素早い調理は、もはや芸術品
NHKでドラマ化もされた直木賞作品「魚河岸ものがたり」の舞台にもなった名店

住所:〒104-0045 東京都中央区築地4-9-11
電話:03-3546-6589
営業時間:5:00~13:00(なくなり次第終了)
休:日・祝・市場休市日

旨み溢れる“煮込みで一杯”
築地を代表するファストフード

きつねや

1947(昭和22)年創業。下駄職人だった創業者が好きなお酒のつまみとして作っていたホルモン煮。創業当時は串刺しのホルモンを煮込み汁の大鍋のふちに置く立飲みスタイルだったという。現在は鮮度にこだわった上質な牛ホルモンを八丁味噌でじっくり煮込み、コクのある旨みで連日行列の絶えない人気店。新大橋通り沿いの行列と店頭で食す多くの人は、もはや築地場外のランドマークと言っても過言ではない。メニューは看板商品の『ホルモン煮』を丼にした『ホルモン丼』をはじめ、『牛丼』『肉豆腐定食』など“煮込み”好きには堪らないラインアップ。かつては忙しい市場関係者が手早く美味しく食べられると人気であったが、現在は「築地を代表するファストフード」として多くの観光客も加わり一層の賑わいをみせている。

創業以来、受け継がれる“煮込み”。築地に集う多くの人に支持され続ける
絶えることのない行列

住所:〒104-0045 東京都中央区築地4-9-12
電話:03-3545-3902
営業時間:6:30~13:30
休:日・祝・市場休市日

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