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本枯節って何?普通の鰹節と何が違うの?なまり節や荒節などもあるけど差は何?〜実は知らない食の豆知識〜

鰹節フリー写真素材1

日本人にとって鰹節は、「だし」のもと。意識しなくても、間接的にでも、誰もが必ず口にしている、とっても重要な食材です。
ですが、鰹節削り器が自宅にあり、毎朝のお味噌汁を鰹節削りからやっています!という人は、今の時代にはかなり少なくなっているのではないでしょうか。そして、そんな方でも、「本枯節」と聞いて、それが何なのか説明できる人はごく一部ではないでしょうか。

一言で鰹節といっても、その中にはたくさんの種類があります。この記事では、それぞれの用語の違いを説明していきましょう。

「なまり節」

なまり節

なまり節は、西日本では「生節」と呼ばれるように、鰹節の中でも一番生に近い状態のものです。生のカツオをさばいて、蒸すなどの加熱処理をしたもので、スーパーなどでは冷蔵品のコーナーに置かれていることも多いです。常温で販売しているなまり節の多くは、1度焙乾(=燻製)し、余分な水分を飛ばした物です。見た目も少し黒く固くなりますが、味と香りが良くなります。出汁を取るのに使われることはなく、料理の具材として使われる場面が多いものです。

「荒節」

スーパー等で売られている、削った状態で売っている鰹節の約80%(!)が、この荒節と呼ばれる種類の鰹節にあたるそうです。ですが、多くの人がイメージしている鰹節とは、少し違うかも・・?

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これが荒節です。あれ、黒い・・?

鰹節を作るには、

生のカツオを解体する

煮熟=煮る

焙乾=燻製

修繕・整形

日乾=天日干し、カビ付け

などの工程がありますが、荒節はこの工程のうち、繰り返し焙乾して乾燥させるまでの工程を行ったもので、約20日間で完成します。

イメージする鰹節よりも黒いのは、繰り返し燻したことにより付着するタールの色。では、よくメディアなどで見る鰹節の色は、どこからくるのでしょうか?

「枯節」「本枯節」はカビ付けをして熟成していきます。

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あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、より品質の高いものを「枯節(かれぶし)」「本枯節(ほんかれぶし)」と呼びます。
枯節や本枯節は、荒節のタールを削り落とし、整形をしてカビを付け、天日干しをすることで更なる乾燥と熟成をしたもののことです。このカビ付けと天日干しを繰り返しおこなうのですが、枯節が二回以上本枯節が四回以上のカビ付けの工程を行ったものです。

カビをつけることで、脂肪分が分解されたり、魚臭さが軽減したり、熟成してうまみ成分が増す効果があります。「鰹節は発酵食品」と言われていますが、正確には枯節や本枯節になって初めて発酵食品と呼べるということですね!
たくさんの工程を必要とするため、枯節で3ヶ月ほど、本枯節で半年もの時間をかけて作られます。その分お値段も高いことが多いですが、味は全く別物です。

「本節」「亀節」「雄節」「雌節」・・・・?🌀

まだまだあります。鰹節用語。
本節は、3kg以上の魚体のカツオから作られる鰹節のことを言います。
大きなカツオからは全部で4本の鰹節を作ることができます。
一方で亀節は、3kg以下の魚体のカツオから作られた鰹節のことで、半身を使って作られるため、一匹のカツオから2本の鰹節ができます。

本節のうち、カツオの背中側の身で作られた鰹節は背節又は雄節と呼ばれ、腹側の身で作られた鰹節は腹節又は雌節と呼ばれます。雌節(腹節)は、雄節(背節)に比べやや脂肪が多いのでこくがあり、雄節(背節)は、雌節(腹節)に比べ脂肪が少ないのであっさりしているという特徴があります。

パックで売られている削り節の原材料表示にも違いが?

パックの鰹節の表示を見ると、

・かつおかれぶし削り節(鰹枯れ節削り節)
・かつおぶし削りぶし(鰹節削り節)
・かつおけずりぶし(鰹削り節)

など、実は表示に違いがあります。
どんな違いがあるのでしょうか?

「かつおかれぶし削り節(鰹枯れ節削り節)」「かつおぶし削りぶし(鰹節削り節)」は枯節や本枯節を削った削り節であることを表していて、原材料名には「かつおのかれふし」「かつお・かれぶし」などと書いてあります。

「かつおけずりぶし(鰹削り節)」は、荒節を削った削り節で、原材料名には「かつおのふし」「かつお・ふし」と書いてあります。

さあ、たくさん用語が出てきましたね。

まとめると、こんな感じになります。

鰹節用語まとめ

スローフードが世界中の「後世につなぎたい・守りたい味」をカタログ化しているプロジェクト「味の箱船」にも本枯節の一種である「伊豆田子節」が登録されています。

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皆さんも、日常の生活に少しずつ、本格的な日本の伝統の味を取り入れてみませんか?

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