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Less is More

私が初めて ”Less is more” という言葉に出会ったのは約10年前。

シンガポールに住んでいた当時、時々通っていた素敵な日系美容室のコンセプトがこの言葉でした。

日本語にすると、「少ないほうが豊かである」とか、「足るを知る」などと訳されますが、私はこの「レス イズ モア」という言葉の響きや「禅」や「茶の湯」にも通ずる何かに惹かれ、それ以来大好きな言葉の一つとなりました。

三日前、このタイトルでFacebookの投稿をしたところ、たくさんの方からリアクションをいただいたので、noteにも残しておきたいと思います。

現代社会への疑問

”Less is more” というこの言葉、当時はてっきり、その美容室の代表の方が作られた言葉かと思っていましたが、実はこれ、ミニマリズムなデザインを生み出したドイツの建築家、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(1886 ~ 1969)が遺した言葉であることを、私が帰国後に入会したオンラインサロン 〈Lifestyle Design Camp〉で、主宰者である執筆家の四角大輔氏が書かれていた記事で知りました。

このオンラインサロンの根底には、 ”Less is more” の精神が流れていて、そこに共感する人たちが集うこのコミュニティは、私にとって、とても心地よい場所となっています。

「キャンプ」と呼ばれるこのオンラインサロンで出会った素敵な仲間達の中に、再生可能エネルギー関連企業で働きながら、オフグリッドなタイニーハウスを製作中の方がいるのですが、つい先日、今彼女が感じている矛盾やモヤモヤのお話をきいているとき、こんなことを言われていました:

「どんなに再生可能エネルギーが普及したところで、それがパチンコ店の煌々とした照明に使われたり、今の電力消費の多い生活に使われていたりしたら、全然意味がない。
生活や考え方から変えていかなきゃ、何のために頑張っているのかわからなくなる。」

と。これを聞いて、私はハッとしました。

この先世界がどんなに「サステナブル」とか「エコ」とか言われるようになっても、そこが変わらないと、やがて歪みが生じる原因になるはず。

余分なものや思考、街や生活の中に充満するノイズに溢れる現代、
何かが満たされなくて刺激を求めたり、
より便利に、より効率よくと、常に何かを求め、いつまでも飽くことがない、満たされない感覚、、、。
何なんでしょう、これは。
世界は昔より豊かになっているのでしょうか??

シンプルで大切なこと

そんな疑問を抱えつつ、私は10月最後の週末、千葉県いすみ市にあるBrown's Fieldというところで開催されたヨガリトリートに参加してきました。そこで丁寧に育てられたお米やお野菜をいただき、ヨガ哲学のお話をうかがい、みんなでマントラを唱え、語り、歌った二日間で、これまで何となく感じていた、シンプルで大切なことに気づきました。

お肉やお魚がなくても、工夫次第で全然満足できること。

電気って、そんなに明るくなくてもいいということ。

夜空には、こんなにもたくさんの星があったということ。

洗剤は使わなくても、布でふいてから洗えば、食器はきれいになるということ。

昔はそんな暮らしをしていたはずなのに、いつから私達はもっともっと、と求めるようになったのでしょう。


ブラウンズフィールドから戻って丸四日が経ち、色んな気付きや疑問がわいてきて、何かもっと、大切なことに気付けそうな気がしています。

気づきかけていること

私が今つかみかけていることは、
 ”Less is more”という言葉の中に、何かヒントがあるのかもしれない。

本当は私たちは既に十分持っていて、
もう足す必要なんてなくって、
今あるものに感謝し、
あとはそれを生かすだけでいい。

「和」や「共生」、「破壊と創造」、「思い出す」こと、「温故知新」、「生かし合う」、「慈愛」etc、、、。

そんな言葉たちが脳裏をよぎりつつ、「ピコーン」という携帯の通知音や、帰宅した家族の「ねぇ、ちょっと来て」というノイズに遮られ、私の静かな内省の時間は瞬く間に消えていくのでした。

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