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春のはじまりに ~ 本当に大切なこと ~

今日は春分の日。宇宙元旦ともよばれる、新しいはじまりの日。
地球のどこにいても、昼と夜の長さが同じになり、陰と陽のバランスが取れる日。
太陽が真東から出て真西に沈む日。
日本では「自然をたたえ、生物をいつくしむ」祝日。彼岸の中日。
色んな意味で、とっても特別な日です。

この春の始まりの日に、私がここ1ヶ月ほど考えていた
「本当に大切なこと」についてまとめてみたいと思います。

療養中に思い出したこと

2月の半ば、私はコロナにかかりました。
4日ほど寝込み、熱が下がったあともしばらく体調が悪く、発症の翌日から10日間は隔離療養しなくてはいけないこともあり、2月後半は自宅で過ごしていました。

これまで毎日当たり前にしていたことが何もできず、
身体がだるくて、呼吸が苦しくて、ただ寝て過ごしていたとき、
私は生きる意味、生まれた意味についてぼんやり考えていました。

こんなに何にもできなくても、私は生きている意味があるんだろうか?
みんなに迷惑をかけ、みんなにお世話になり、
でも何も返せない私が、存在している意味はなんだろう?

そんなことを考えながら寝室で過ごしていたある日、
やっと起き上がれるようになって自分の日記帳を開くと、
最初のページに書いたこの言葉が目に入りました。

もし私が、私のために存在しているのでないとすれば、だれが私のために存在するのであろうか。
もし私が、ただ私のためだけに存在するのであれば、私とはなにものであろうか。
もしいまを尊ばないならば ― いつというときがあろうか。

「タルムード」第一編「ミシュナ」より

これは、ドイツの社会心理学者エーリッヒ・フロム(1900 - 1980)の『自由からの逃走』という本の冒頭に書かれていた引用文で、私が大学時代に出会って以来大切にしている言葉です。

自分がメモしたこの言葉を読み、私は忘れかけていた大切なことを思い出しました。


私はまず、誰のためでもなく、私のために存在しているということ。
私は私のためだけでなく、大切な人のためにも存在しているということ。
というとき、このを大切に生きよう、ということを。


フロムの言葉

今から122年前にドイツで生まれ、42年前にスイスで亡くなったエーリッヒ・フロム。彼の残した著書の中に何かヒントがあるような気がして、でも彼の本を本棚から引っ張り出してくる元気もなく、彼の名言を携帯で検索してみると、まさに私が探していた問いの答えが書いてありました。


There is only one meaning of life: the act of living itself.

人生にはただ一つの意味しかない。それは生きるという行為そのものである。 — Erich Fromm

Part VII: Freedom and Democracy, Chapter 2. Freedom and Spontaneity


そうか。生まれたから、ただ生きるんだ。
他の誰も私の代わりに生きてくれない。
自分の人生を自分で生きる。
ただそれだけ。
とってもシンプルなことだったんだ。

この単純明快な言葉が、その時とても腑に落ちました。
じゃあ、どう生きよう?
と思ったとき、目に入ってきたのがこの言葉です:

Man's main task in life is to give birth to himself,
to become what he potentially is.
The most important product of his effort is his own personality.
人生の主なタスクとは、自分自身を誕生させることである。
本来の可能性としての自分自身になることである。
その努力のもっとも重要な成果とは、自分自身のパーソナリティ、つまり「自分らしさ」である。 — Erich Fromm

Man for Himself (1947), Ch. 4 "Problems of Humanistic Ethics"


気づき

私はただ誰かや何かのために生きるのではなく、
自分らしく生きることが何より大切。
まだ私は、私が生まれもった可能性を出しきれていない。
そろそろ眠らせている「本来の自分」を目覚めさせなきゃ。

まずは、ないものを求めるのでなく、あるものに目を向けてみよう。

太陽の光、風、水、花、季節、人の優しさ、時間、、、いつもすぐそこに全てがある。

生産性やTO Doリストなんて気にせず、
お日様がでたら洗濯してお布団干して、
必要なだけ新鮮なものを食べて、
気持ちよく眠りにつこう。

余裕があれば、自分の分だけでなく、
誰かのためにもおいしくて体によいものを作り、
一緒に味わおう。
そこには義務はなく、あるのは感謝だけ。

私はまず、私を生きる
自分ファーストでいい。それはわがままじゃない。

でもきっと、自分のためだけ、自分だけの満足だと、完璧には満たされない。

喜びや安心、優しさを与えられる人になりたい。
本当の意味で私がWell-beingであれば、
私が平和な存在になり、平和を生み出していけるはず。
それが循環し、私の幸せになっていく。
全てはつながっているから。

日々の忙しさや、目に映る情報、きこえてくる雑音に惑わされず
自分の心地よさを、いつでもどんな状態でも作れるようにしておこう。

自分のサンクチュアリ(聖域)を、物理的にも精神的にも作れるようにし、そこを守ろう。
そうすれば、周りがどんな状況であっても、
そこはいつも穏やかで平和。

私が平和で満たされていれば大丈夫。
自分の健やかさは自分で守る。
それが一番大事。


大切なこと(決意)

生まれてきたから、この身体を守る。
生まれてきたから、この心を磨く。
生まれてきたから、その理由を自分に問い、
大切なことを大切にして生きる。

命を与えられたから、私ももらったものを世界に還す。
命を与えられたから、何かを与えられる人になる。

生まれ出た命を大切にする。
生まれ出た命の邪魔をしない。
生まれ出た命に、たくさんの愛を注ぐ。
与えられたものは全部感謝で還す。
そして命や愛は廻っていく。

余計なものは入れない。
汚れたらきれいにする。
なんにも執着しない。

ただただ、自分自身を、自分に誇れるように生きる。
毎日、この瞬間を大切に。

すべてに感謝し、すべてを味わい、全てを愛して生きる。


きっとこれが、私にとって大切なこと。
すぐ忘れてしまうから、ここに書いておきます。


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P.S. ここに書いたことを、私の音声番組 Across The World Podcastのエピソード40「Meaning of Life - 本来の自分を生きる」でお話しています。
よろしければ聴いてみてください。



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