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雑記:新年の挨拶、夕刻、佐潟の洞窟

皆様、あけましておめでとうございます(二週間ほど遅くなりましたが)。
素浪汰 狩人slaughtercult です。

1/12夜の飛行機で出て、1/16朝の飛行機で帰る、実働は1/13~15の3日間を予定していた長野フィールドワーク計画が、年明けからのコロナウィルスのパンデミックにより爆死し、蘇りかけた心が再び死に戻っていました。

1/13~16の4連休……何もすることがねえ……。とか言いつつあっという間に休日が1日過ぎ、2日過ぎ、3日目の朝を迎えそろそろいい加減にしろよと。

いやまあ、実際の所、2日目にちょっと車で遠出して、鹿児島県北部にある阿久根市のイワシビルという所を訪れ、下園薩男商店というローカル企業が作ったクラフトコーラ『パーティータイム』を買いに行ったりしてました。

クラフトコーラは今日の話の本題とは関係ないので置いておきます。

で、私がイワシビルの帰りに寄って行こうと思った場所が、Google Mapでイワシビルを検索している時に見つけた『佐潟の洞窟』という場所ですね。

洞窟……何とも、中二心(どっちかつーと、小二心か?)を擽られる響き。

洞窟なら誰も居ないだろうから、まあいいかという軽い気持ち。

というわけで、トワイライト・タイムの佐潟地区、奥の細道に突入です。


写真からは見切れているが、左側の直ぐ側には海。簡素な港となっている。

阿久根市教育委員会の看板。左上に描かれた黄色い果実は、ミカンじゃなく『阿久根文旦(あくねボンタン)』という、この地域特産の柑橘類ですね。

ボンタン/ブンタンは『ザボン』など様々な別名でも呼ばれ、鹿児島県では有名なラーメン屋『ざぼんラーメン』の店名の由来ともなっております。

閑話休題。Google Mapに示された、蜘蛛の巣のごとく込み入った田舎道を矯めつ眇めつして、目的地の洞窟へと向かうために坂道を上がりましょう。

達筆な看板。遠目には『伝説の洞窟』と書かれているようにも見える。

釣り針状の分岐路を曲がり、見下ろしたところ。この道が曲者で、私は初め看板を横目に素通りしてしまい(達筆過ぎて見落としてしまった)、写真の奥に伸びる上り坂を直進してしまいました。Google Mapの現在地を確かめ道を外れていることに気づき、迷子になったと大慌て。坂を慌てて駆け下り出発地点に戻ってくると、進むべき方角を見失って暫し途方に暮れました。

グダグダ話すより、周辺地域のGoogle Mapを見た方がジッサイ早い。

まあな……スマホ画面をじっと睨んで歩けば、気づいたかも知れないけど……いや実際スルーしちゃったわ。分岐点? どこにあるの? って感じ。

現代人はテクシー(死語)にもナビが無いとマトモに歩けないんだなあ。

雰囲気のある上り坂。トワイライトタイムの逆光が眩しい。

錆びたトタン張りの物置小屋、いかにも古めかしい継ぎ接ぎの舗装、中々に好みの風景です。しかし急勾配の坂でして、運動不足の餅腹には応えます。

田舎……だが、地図にもある通り、家屋が密集している。

開けた十字路に出てきました。軽自動車が離合できない細道ですが、周囲の民家の敷地は当たり前のように車が停まっており、驚愕すること頻りです。

私の住んでいる限界集落も似たようなものと言えば、そうなのですが。

いかにも港町という感じ。どことなく、長崎の裏路地を思い出す町並み。

四辻の真ん中まで来ました。佐潟の洞窟を示す目印の看板が立っています。

ここ、こういう感じ。立体的な圧迫感。古き良き過密集落。好きですねえ。

隘路を往き、振り返れば味わい深い風景。昭和の残り香がどこからともなく強烈に匂って来ます。汚い野良犬や野良猫が歩み、子供たちが歓声を上げて路地を駆け抜け、ご婦人方の井戸端会議が聴こえる傍ら、ふと夕餉の香りが鼻腔を擽って言い知れぬ思いが胸を込み上げ……郷愁の幻想が垣間見えては掻き消え、死んだような静けさの中に立ち尽くしては、我に返るのです。

行きましょう。この景色の中では私だけが別世界から迷い込んだ異物です。

長い道を通り、浜辺。漂着物のゴミが多く、非常に残念。

岩がちな浜辺に出ました。波打ち際から海を見ると、暮れ方の空に水平線。

大体こんな移動経路である。若宮神社は行ったが、写真を取り忘れた。スマン

写真には入れてませんが、隘路の終点に車が3台くらい停まっていました。
えぇ……こんな道を、終点まで車で来たの? 正気か?(ドン引き)恐らく目的は磯釣りか何かでしょうかね。それを匂わせる物が後で見つかります。

看板と、その奥には水道。海水浴とかプール的なサムシングを感じる。

なんかこう……無機質なコンクリートが、情緒をぶっ壊すというかですね。

佐潟の洞窟。よく見ると、これもコンクリートで固められている。

ほらよとばかりに、ジャスト・穴。情緒も感動もクソも無い、お寒い光景。安全のためには致し方ないのですが……自然と言うのは些か憚られますね。

この光景だけ見れば、鵜戸神宮のアレみたく、観光地っぽく見えなくもないが……。

反対側から覗くとこんな感じ。往路よりは見栄えがするかしら。

護岸と、波打ち際。石組みにへばりつくセメントの素気なさたるや。

まあね……見ての通り、水は綺麗です。幸い、薄汚い漂着物も無いし。

トワイライト佐潟の洞窟。1080p/30fpsで撮ると、思いの外画質が汚い。

洞窟の向こうは、やっぱり漂着物。うんざりするネ……

何というか、感動する隙を一切与えないこの景色。逆に感心しますよ。
そして玉砂利のような礫がちの浜辺、下手な砂浜よりも滑って歩き辛い。

よせばいいのに動画リトライ。リトル鬼の洗濯岩……と言ったら宮崎県人に怒られてしまいますね。画質の汚さが、見たくない物を隠してくれます。

浜辺の突き当りには、岩がちな磯。待てよ……何か転がっている。

余りにも洞窟がショボ過ぎて、この先にも何かあるんじゃないか? と考え浜辺の奥まで突き進み、釣りに打ってつけな磯場の手前でナマモノを発見

アンディ・フグならぬ、ロンリー・フグ。

浜辺にキャッチ&リリース(殺害のシノニム)された、何らかのフグ物体。尻の辺りから血が滲んでいますが、岩陰隠れ前後行為に及んでいたわけではなさそうです。ファック&サヨナラした犯人は既に姿をくらませています。

食用に適さないからポイ捨てしたのでしょうが……外来生物法により防除が義務付けられている外来魚ならともかく、単なる外道は海に戻してやるのが釣り人のマナーだと思うんですがね。一寸の魚にも五分の魂とか何とか。

それはともかく、まだ見ぬ洞窟があるかと、波風に浸食された岩が散乱するゴロタ場を八艘飛び(非常に危険だから真似してはいけない)して、磯場を奥へ奥へと探検しましたが……これ以上日が暮れると、帰ってこれないな。

そう思って、100mくらい進んだだけですぐ引き返してきてしまいました。

まさか、あのしょっぼいコンクリ舗装された風穴が、大層な看板の能書きに謳われる『佐潟の洞窟』だったのだろうか? 今でも判然としません。

まあいいや。日暮れが近いので帰ろう。今から家まで3時間のドライブだ。

これといって山も落ちも意味もありませんが、一先ずこの話は終わりです。

みんな、生き物を無意味いたずらに殺すのは……やめようね!


From: slaughtercult
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