辺獄いいとこ戦争日和 #風景画杯
先ず、永久の白夜があった。土埃の舞う、荒涼たる無辺の原野。死者たちは母なる大地から出でて、吹き荒ぶ空っ風の中で立ち尽くし、途方に暮れる。
荒野の只中には、コロシアムを思わせる円形の巨大な、余りにも巨大な壁が天を衝き聳え立っていた。一見すると手頃な競技場(スタジアム)のようで近づけば手頃な山のように大きい、縮尺と距離間の狂う重厚長大な構造物。
壁に閉ざされたその内側は、微睡むような霧が揺蕩うすり鉢状の過密都市。
僕たちはかつて、あの世で死んだ。
ゆえにこの世で何度も死ん