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応援市場におけるFCの可能性 『KAWAII JAPAN』企業分析

はじめまして、ユーカリです。
こちらはTwitterアカウント:@Eucalyptus_125

note初投稿ですが自己紹介も無しに早速、企業分析の記事を公開します。
記念すべき第1回目のテーマ企業はKAWAII JAPAN、コスプレ応援アプリ「COSPO」を運営している会社です。

本アウトプットは、大手町のランダムウォーカー氏と黒澤友貴氏による企業分析講座にて、プレゼンさせていただいた資料を元に作成しています。

はじめに

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前述の企業分析講座では課題企業として、

Same Sky…個人経営のカフェを定額で利用できる「CAFE PASS」を展開
ALL YOURS...「問題を解決する服」を提案するアパレルD2C

これら2つの企業に加え、KAWAII JAPANが提示されました。

同社を選んだのは、
 ・アプリを提供しており、短期間のうちに実際に利用できる
 ・コスプレに馴染みが無いため、客観的に見れる
という理由からです。

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また、事実の整理とそれに基づく仮説立てを繰り返す形式をとっています。
文頭の〇をグレーとピンクで色分けしているので、その点を踏まえてご覧いただければ。

それでは本題に入ります。

KAWAII JAPANとは

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日本はアニメや漫画、ゲームなど、世界中で発信されているコンテンツをいくつも有しています。

一方でコスプレはこれらと異なり、ビジネスとして未成熟といえます。
これが同社の根底にある課題意識であり、変化させたい現状です。

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同社はコスプレ応援アプリ「COSPO」の運営をメイン事業としており、ユーザー(サポーター)による課金が収益基盤です。

さらに、COSPOで人気を集めたコスプレイヤーを各種イベントや企業とタイアップさせる等のビジネスに展開しています。

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COSPOには、投稿者たるコスプレイヤーとサポーターが存在し、上記のような価値提供が行われています。

市場分析

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次に一旦俯瞰して、コスプレ市場の動向を見てみます。

コスプレイヤー人口は、鳥取以上島根未満といったところ。
これでは何のインサイトもないので、Googleトレンドでも調べてみました。

推移を見ると一時盛り下がっていますが、近年は何らかのパターンがある動きによって、検索数が押し上げられているようですね。

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コスプレの検索が急上昇しているのは、8月・10月・12月の3つの時期。
そして当該時期にあるイベントといえば、そう、コミケとハロウィンです。

特にハロウィンは、上のグラフの通り2013年頃からは圧倒的な検索量で、コスプレの検索トレンドのピークに完全に一致しています。

近年のコスプレブームは、ライト層に支えられているのかもしれません。

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次にコスプレという市場の切り口から一旦離れ、COSPOがサポーターに提供している価値を抽象化し、応援市場という枠組みで考えてみます。

上の通り、応援市場における仮想競合をターゲット範囲と応援に対するリターンという2軸でマッピングしてみました。
ここから、サービス拡大の可能性が見えてきます。

さて、ここまでがKAWAII JAPANを取り巻く市場環境の考察でした。

4P分析

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続いては、企業戦略を読み解いていきます。

ここでは4P分析で同社の戦略の概観を整理してみました。

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これだけでは何のインサイトもないので(2回目)、
KAWAII JAPANと、先述の応援市場における競合を比較してみましょう。

これは同社の優位性や課題を相対的に理解し、仮説を得るためです。
知らないものを見るときは、知っているものと比べるのが一番です。

①Product

画像11それぞれ違う形態で、推し(=応援"される側")の魅力を提供しています。
加えて、いずれにおいても推しの活躍や推しからの認知といった、目には見えない価値提供がなされているでしょう。

共通点としては、コンテンツの提供者の大半が女性であること、
差異としては、KAWAII JAPANはサポーターのリターンが小さいことが挙げられます。(これはSHOWROOMにも言えそうです。)

②Price

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KAWAII JAPANはふるさと納税と比べるとカジュアルに応援ができる一方、利用額では引けを取りません。

しかし、ふるさと納税には返礼品や税控除という分かりやすいリターンがある一方、同社のリターンは小さく分かりにくいものに思えます。

同社とふるさと納税のユーザーでは、応援と見返りの重要度合いが異なっているのかもしれませんね。

③Place

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流通のさせ方に関しては、以上のような論点が挙げられるでしょう。
ここでは2点の仮説を立ててみました。

ライブなどのオフラインイベントはオンラインよりも応援の熱が高まる。

これは想像に難くないのでいいでしょう。
CDとライブでは、提供される価値は全く異なります。行けば分かります。

ブラウザで利用できる方が、利用者にとって参入や継続のハードルが低い。

この仮説は、毎日使うアプリは8個という調査と主観に基づいています。
私は使わないアプリは定期的にアンインストールする派です。


④Promotion

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ここでは、上のような違いが見られます。

有名コスプレイヤーが少ないのは、投稿するインセンティブが弱いからであり、何か別の魅力を付与する必要があると考えられます。

スライドに補足すると、コスプレイヤーのイベント参加による収入は、主催者やスポンサー企業からの出演料だと考えられ、toB寄りの仕組み。
一方SHOWROOMは、握手会やライブなどのtoCで収益が立つアイドルにとって、顧客との有用なコミュニケーションの場であり、場の魅力が大きい。


おまけ:アプリを使用して感じた問題点

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Google Playでの低評価レビューの大半は動作トラブルによるもので、コンテンツへの不満は比較的少なく、むしろ良い評価が目立ちました。

実際の使用感としては、画像のロードが若干長いこと、UIが洗練されてない点が気になりました。
主観ですが、利用に大きなストレスがかかるほどのものではありません。

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その他では、サポーターからたくさんの応援を受けた、投票上位コスプレイヤーがある程度固定化しているようです。

またアカウントはあるものの、長期間投稿していない休眠コスプレイヤーも数多くいました。
有名コスプレイヤーの休眠アカウントも複数確認しています。

ここから、登録コスプレイヤー数の増加のみならず、投稿継続率も同様に視野に入れるべきというインサイトが導き出せます。


さて、かなり長くなってしまいましたが、4Pを総合的に見ると、同社が抱える課題がはっきりしてきました。

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それは、コスプレイヤーとサポーターの両者において継続のインセンティブが弱いという点です。

施策立案

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さて、翻ってここでは、COSPOの売上拡大施策を考えてみたいと思います。

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COSPOの売上を目標とした理由は以上の通りです。

COSPOの収益力向上が全体に波及する、という点については、前半のビジネスモデルを参照していただければと思います。

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次に4P分析を通して得られた、「コスプレイヤー、サポーターともに継続のインセンティブが弱い」という課題と、売上に影響する測定可能かつ重要なKPIを踏まえ、施策の方向性を定めます。

以下、簡単ではありますが3つの施策の目的と概要をまとめました。ご覧ください。

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いずれもKAWAII JAPANの基盤事業「COSPO」の売上拡大に大きく作用するものと考えます。

しかしながら、資金が少ないスタートアップ企業にとっては、施策の優先順位付けが極めて重要です。

そこで最後に、施策の評価を行います。

施策評価

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まず、プロフィットデザインにおける各施策の位置づけにを整理しました。

上記は事業の仕組みを、「フック」「ロック」「チャージ」の3段階に分類したものです。
いずれも「継続」というKAWAII JAPANが抱える課題へのアプローチが可能になっていることが分かります。

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そして最も優先順位の高い施策ですが、上記の理由からファンクラブ機能実装に定めました。


さて、分析は以上になります。

初の企業分析レポートゆえ、つたない部分もあったかと思いますが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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また、本レポート作成にあたっては、投資家と事業者のマッチングプラットフォーム「FUNDINNO」を大いに参考にしました。
資料とプレゼンのレビューをしていただいた、大手町さんと黒澤さんにも大変お世話になりました。

末筆ではありますが、お礼申し上げます。

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世の中のあらゆる製品・サービスの提供価値を、会計とマーケティングの視点から分析します。