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星を救う者は星に夢を見る 第三節

Zenoa=Rolandとは何者なのか
ただの一介の冒険者であるZenoa=Roland(以下ゼノア)が
なぜ、世界の危機を救った「英雄」となったのか?
当記事では彼女について語っていくものとする。

サンクレッドは私が座る椅子を引き、手招く。スタンスは変わらない。
お礼を言いながら席につくと、彼も座りそれぞれウェイターに注文を済ませる。

サンクレッド「で、俺にゼノアについて聞きたいということだったな。」
「ええ、ゼノアの足跡を辿って彼女の本質を見たいと思いまして。
ご両親に冒険者になるまでは聞いたのですが、その後の話をエオルゼア三国で聞き込みをしたのですが・・・サッパリでして!」
自虐的に笑いながら言ってみる。
「なので、ゼノアとサンクレッドの出会いから聞いても?」

サンクレッド「あぁ、出会いか・・・。俺があいつと出会ったのはウルダハ近郊だった。当時ナナモ様の傍についていた時のことだ。初めて会ったときはなんか少し垢抜けない男だなと思ったよ。」

「垢ぬけない・・・男!?!?」
「彼女はゼノアは男性だったのですか!!」

サンクレッド「俺が初めて会った時は同じミッドランダ―で緑髪の瘦せ型の男だったぞ。そのあと、俺は少し離れることになって次に会った時はアウラの女性になっていた。」

「アウラ!!??」
落ち着け私、ウィリアムスも赤子のゼノアに幻想薬を飲ませてたじゃないか。(第一節にて)
不思議はない。姿かたちが変わることは冒険者にはよくある事と先輩も言っていた。

「ちなみにアウラになった時は、どの時ですか?」

サンクレッド「あれは、あいつらがイシュガルドに潜伏していたときだったかな。」

なるほど、合点がいった。エオルゼア三国で聞き込みしても意味がなかった。
彼女?彼?ゼノアは不定期で姿を変えている。特にまだ名もない冒険者のことなどほとんど誰も知らないはずだ。

「いまの私と同じララフェルになったのはいつ頃でしょうか?」

サンクレッド「それは・・・。あまり詳しくは話せないんだが、少し遠方に行っていた時だな。」

「暁の方々が東方で活躍されていたあとくらいでしょうか?」

サンクレッド「その辺りだな。」

なるほど。いまのララフェルになったのは割かし最近の話にはなるのか。
「なぜ、ゼノアは姿を変えるのですかねぇ?」

サンクレッド「俺も直接は聞いたことはないな。仲間とはいえ、そこまで踏み込んでいいものかと。ただ・・・。」

「ただ?」

サンクレッド「あいつが姿を変えるのは何か後ろめたい感じではなく前向きな理由な気がする。」

「その根拠はあります?」

サンクレッド「根拠ほどではないが、あいつは共に旅をしてきたがとにかく何にでも首を突っ込みたがる性分でな。事あるごとに関わっていこうとする。少し咎めたこともあるんだが、毎回
『気になるんだから仕方ない。』
『これは私の生き様よ、諦めてサンクレッド』
『認められないのなら、あなたの悪癖を世に知らしめる!』
なんてな。」
彼は呆れ顔で話す。
サンクレッド「あいつは[知りたかった]んじゃないだろうか。物事に首を突っ込むことで。そして姿を変えることで他の種族の生活・文化・その他含めて知ろうとした。そうやってきたからこそ、あいつは誰にでも手を差し伸べられる・救おうともがく冒険者になったんだと思う。」

ここでもゼノアのキーワード「好奇心」が出るのか。
サンクレッドの話を聞きながら、私は微笑んでしまった。
ゼノアはぶれずに歩んできたことが分かる。
俄然、私は知りたくなった。
世界を救う英雄が何を知りたがり、何を求め、何を夢みたのか・・・。

「ありがとうございます。サンクレッド、このあと貴方はゼノアとどんな旅を共にしたか聞いても?時間があればなのですが・・・?」

サンクレッド「大丈夫だ。割かし今は落ち着いているのでな。では、出会った時から話すか。あいつが・・・。」

第四節へつづく

                著:フリーライター リリル=リル


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