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星を救う者は星に夢を見る 第二半節

Zenoa=Rolandとは何者なのか
ただの一介の冒険者であるZenoa=Roland(以下ゼノア)が
なぜ、世界の危機を救った「英雄」となったのか?
当記事では彼女について語っていくものとする。

前回、ゼノアが冒険者になるまでの話をかいつまんでお話した。
今回は「冒険者」として歩みだした彼女の足跡を追っていきたいと思う。

私は三国(リムサロミンサ、グリダニア、ウルダハ)でゼノアのことについて
一般市民たちから色々と聞こうとインタビューを敢行していた。
しかし、聞けたことは「ゼノアという星を救った英雄」の「噂」ばかり
ゼノアの真実を知るものは少ないのかもしれない。
少し落胆の色が己に見えかけた時、一人の男に声を掛けられた。

「ゼノアのことを探っているのはお前か?」
艶やかでも少し猜疑心と敵意を向けた声
顔は後ろにいるので分からない。

私は少しエーテルの海を想像してしまった。
まさか、帝国はもう崩壊に近い。いまさら、彼女の過去(第一節)で襲われることはないはずだ。

私は深呼吸をしてから、全てを話すことにした。

「なんだ、そういうことか。すまない、少し無礼が過ぎたな。」
男の声からは先ほどの圧は感じない。
振り返ってみる。
そこには白髪のヒューランが立っていた。

「いえ、お気になさらず。お会いできて光栄です。サンクレッドさん。」
私はスカートの裾をつまみ上げ挨拶をする。

「いや、素敵な女性にする行動ではなかった。無礼を働いたお詫びに少しお茶でもどうだろうか?」
彼は素敵な笑みと声で言う。
以前に噂で聞いたことがある。サンクレッドはプレイボーイな所があると。
なるほど、彼の艶やかな声とこの笑みは反則だ。
大半の女性は釣られてしまう。これに釣られないのがいたとすれば、
それはもう魔女や悪魔といった魑魅魍魎だ(笑)

「ならお茶ついでとはいってなんですが、ゼノア=ローランドについてインタビューさせていただいても?」
私としては最高の情報源が目の前にいるのだ。逃したくはない。

「俺で話せることなら。しかし、機密になるようなことは話せないからその辺りは勘弁してくれ。」

「かまいません、少しでもゼノアについて聞けるなら。サンクレッドさん。」

「あと『さん』はいらない。その方が気楽に話せる。」

「分かりました、サンクレッド。」

思わぬ幸運だ、私の心の鼓動が早くなる。
落ち着け、私は記者なのだ。
そうして二人は近くのカフェの席に腰をつけた。


第三節へつづく

                著:フリーライター リリル=リル


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