ツカモト

色と形と音とリズム。絵と詩をかいています。読んでいただけたら幸いです。

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色と形と音とリズム。絵と詩をかいています。読んでいただけたら幸いです。

記事一覧

トラスとススキとスズメたち

枯れたススキも春になって あたらしい葉が揺れうごく 川沿いの道はまっすぐで 鉄橋の上 西へ東へ 電車が出会い すれ違う 電車のリズムとトラスのリズム 岸から岸へと…

ツカモト
3年前
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小さな杜

木漏れ日浴びる 木陰を浴びる 木に包まれた空気を浴びる イチョウとけやきと桜の木 織りなす下から見上げて歩く 小さな杜を抜けていく イチョウとけやきと桜の木 少しの…

ツカモト
3年前
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たんぽぽ

こんなところにたんぽぽの綿毛 こんなところは3階の部屋 こんなところにたんぽぽの綿毛 こんなところは大通り沿い 普段の生活 気づかぬうちに こうして季節が運ばれる …

ツカモト
3年前
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マカロニ茹でて

マカロニ茹でて 8分待って 沸きたつ中を おどる おどる 長さはきっと昔から 新緑5月の正午過ぎ 小さな鍋を火にかけて 固く乾いたひとふくろ 沸きたつお湯に流し込む …

ツカモト
3年前
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鯉のぼり

5月の日差しに輝きながら 積もった雲が流れていく 5月の風にふくらみながら 錦の魚が泳いでいく 時折強い南風 滝だ川だと見立てるように 流れに逆らう強い姿 生きる姿と…

ツカモト
3年前
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海の色は空の色

海が見える丘の上 南に向かって列車は走る 旅路のひとと土地のひと 見ている景色は同じもの 雲ひとつない空 高い空 遠くに見える水平線 しずかな波は深い青 海が見える…

ツカモト
3年前
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トラスとススキとスズメたち

枯れたススキも春になって あたらしい葉が揺れうごく 川沿いの道はまっすぐで 鉄橋の上 西へ東へ 電車が出会い すれ違う 電車のリズムとトラスのリズム 岸から岸へと繰り返し 枯れたススキにスズメがとまって ススキがぽきりと倒れこむ おどろき さえずり スズメが飛んだ そんな春の散歩道 ススキ野原に小風が吹いて 小雨のような音が舞う

小さな杜

木漏れ日浴びる 木陰を浴びる 木に包まれた空気を浴びる イチョウとけやきと桜の木 織りなす下から見上げて歩く 小さな杜を抜けていく イチョウとけやきと桜の木 少しの間の森林浴 社のとなりは小さな杜

たんぽぽ

こんなところにたんぽぽの綿毛 こんなところは3階の部屋 こんなところにたんぽぽの綿毛 こんなところは大通り沿い 普段の生活 気づかぬうちに こうして季節が運ばれる 空いた窓から 気づかぬうちに こうして命が運ばれる

マカロニ茹でて

マカロニ茹でて 8分待って 沸きたつ中を おどる おどる 長さはきっと昔から 新緑5月の正午過ぎ 小さな鍋を火にかけて 固く乾いたひとふくろ 沸きたつお湯に流し込む かきまぜながら余白の時間 茹で上がるまで余白の時間 むかしの記憶もあしたのことも はるか彼方の宇宙の謎も 8分経ってもかわらない 8分経ってもわからない 正午の光が届くころ 固く乾いた昨日のこころが ゆるんでほぐれてあたたまる 気づいたころにはふくらんで 沸きたつ中を おどる おどる マカロニ茹でて 8

鯉のぼり

5月の日差しに輝きながら 積もった雲が流れていく 5月の風にふくらみながら 錦の魚が泳いでいく 時折強い南風 滝だ川だと見立てるように 流れに逆らう強い姿 生きる姿と見立てるように 屋根より高い鯉のぼり

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海の色は空の色

海が見える丘の上 南に向かって列車は走る 旅路のひとと土地のひと 見ている景色は同じもの 雲ひとつない空 高い空 遠くに見える水平線 しずかな波は深い青 海が見える丘の上 北へ北へと列車は走る 家路につくひと土地のひと 毎日過ぎゆく同じ場所 白一面の低い空 遠くにかすむ水平線 はげしい波は淡い色 晴れの日 雨の日 くもりの日 日が傾いた時分にも 向かい合うもの映し出す そのときどきを映し出す 海の色は空の色