オンライン保育のチャレンジ(4-5歳児)

*写真はみんなのフォトギャラリーから拝借しました。


 週一回のオンライン保育をズームのサイトで始めた。初回は休園になってから3週間ぶりの再会だったので、「友達や先生とつながっているよ」という気持ちをわかちあうことを中心に、再会を喜びあった。そのあと、家にある自分の好きな物をひとつ選んで、画面上で友達にむかって、選んだものについて話をしよう、という時間を設けた。おもちゃが多かった。家で飼っている猫や犬を紹介してくれた子どもたちもいた。
 スクリーンの前で硬直して言葉が出てこない子、友達や先生の顔を見て泣きだす子(休園になってから、毎朝起きると、学校に行きたいと家族に訴えていたと保護者から聞いた)、嬉しさのあまり、画面の前にじっとしていられなくて、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、声だけ聞こえる子(ソファーに向かって話しているような気分になった)。
 わたし自身、初めての試みで少々緊張していたけれど、子どもたちの姿を見て、あー、早く教室でまた会いたい、と思った。


 二回目は、スケジュールを組んで、ダンス、指あそび、読み書きや数の簡単なゲームを取り入れた。うまくいったと思う。これは、一回目で様子を見たあと、チームを組んでいる先生と話しあって、けっこう先生主導のスケジュールで臨んだからだと思う。


 二回のオンライン保育で、つくづく思ったことがあった。
参加者の全員が、聴覚と視覚にのみ頼っていること。教室で一斉指導をするときに、じっと座っていられない子、となりの友達と話をしている子、よそ見をしている子、いろいろいる。ただ、よそ見をしていても話を聞いていたりするし、読み聞かせや指あそびの輪に入らず、一人で他のことをしていても、数日後に同じ物語を読むと、ちゃんと起承転結を覚えていたりする。だから特に気にならない。諸々の眼に見えないことを、お互い、体のどこかで何となく感知していて、ひとつのコミュニティーの中にいるという感覚がある。


 オンライン保育だと、話し手は一人でなければ何も進まない。そして、子どもたちに何かをたずねるとき、誰にたずねているのか、こちらから決めて、名前で呼びかけなければ、誰に向かって話してるのか子どもたちが戸惑う。教室だったら、全員にたいして何かをたずねて、子どもたちが口々に何か言っても、ある程度、それに合わせていくことができる。教室だと、お互い目線でわかるし。
 「何か言いたいときは 手をあげて」というルールを作ることもできるけれど。個人的にこれがけっこう苦手で、教室でも毎年試みるのだけれど、気がつくと、ついワイワイガヤガヤとやっている。 

 子どもに限らず、ヒトはみな、持っている五感、聴覚、視覚、嗅覚、触覚、味覚を可能なかぎり使ってコミュニケーションをとっているんだと実感した。臭覚や味覚も使ってないつもりでも、かなり使っているような気がする。

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