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英語学習の過程【幼児期〜幼少期】


人はどうやって他言語を習得していくのか

大学の専攻が英文学科の言語学専攻だったので、お盆休みに実家に帰った際、久々に言語学の「How Languages are learned Third edition」という人が言語を学習していく過程が書かれた本を読んでみたところ、今更ながら非常に面白かったため今回はその本に書かれている人が他の言語を学ぶ過程を共有していこうと思います。

PATSY M. LIGHTBRONW | NINA SPADA著

この本は言語を習得に関することが詳細に書かれており、先生向けの本となっております。どの言語でも幼少期の過ごし方や環境によって言語を習得していくの過程に共通点があると説いています。この本自体は英語で書かれているため、基本的に英語習得の過程が書かれています。

自分は日本語以外の言語としては英語にしか触れてこなかったので、この本の内容を英語の学習に活かせるように共有できればと考えております。

【0歳〜3歳】

0歳〜3歳に差し掛かるぐらいの時期の子供には世界中で共通点があり、ベッドの上で泣いている状態が続きますが、paやbaという音の違いを認識しております。

そして1歳ごろまでには繰り返し聞いてきたBye Byeといった言葉を聞くと手を降ったりJuiceやCookieという単語を聞くと台所にやってくるようにいくつかの言葉を理解し始めます。そして1歳に差し掛かる頃には認識できるような1、2単語を話すようになってきます。

2歳に差し掛かることには50語ほど話すことができるようになってゆき、早い子供だとMommy JuiceやBaby fall downといった文章を話すことができるようになってきます。

文としては三単現のsやtheやaなどの冠詞などがなくて完璧でなくても語順によって我々は意味を推測して理解することができます。1単語では理解できなくても単語と単語の繋がりによってある程度は意味が通じるということになります。

また、tomorrowやlast weekいった単語は子供が時間の概念を理解するまでは出てきません。つまり言語を勉強する上では言葉の概念も大切だということです。

言語習得のステージ

言語習得において、習得する過程はどの子供も似通っており、その過程が反対になったりバラバラになることはほとんどないという実験の結果があります。

Grammatical morphemes

Grammatical morphemesというのは聞き馴染みはないかと思いますが、要は~ingや三単現のs、冠詞などです。
これらの習得の順番も似通っており、下記の通りで上から下の順番になります。

Present progressive -ing (Mommy running)
Plural -s (Two books)
Irregular past forms (Baby went)
Copula (Annie is happy)
Articles the and a
Regular past -ed (She walked)
Third person singular simple present -s (She runs)
Auxiliary be (He is coming)

Negation【否定】

子供はかなり早い段階で否定する言葉を習得していきます。
文章を作ることができない段階でもそれを理解しておりますが、それらを使いこなすには時間がかかります。
それらを習得していくにも下記のように段階を踏んでいきます。

[Stage1]
最初はNoという単体かNoが最初に現れます。
例:No. No cookie. No comb hair.

[Stage2]
その次に動詞の前に否定語が現れます。
例:Daddy no comb hair. Don’t touch that!

[Stage3]
No以外の否定語が現れます。例えばcan’tやdon’tとなります。
例:I can’t do it. He don’t want it.

[Stage4]
そしてより正しい形で否定語を使用するようになります。
例:You didn’t have supper. She doesn’t want it.
それでもまだ否定語を完璧に使いこなすのは難しい段階となります。

Questions【質問】

英語において、質問する文章を覚えるのには一貫性があります。

① What
これは塊(CHUNK)= Whassat?といった形で学習され、What is that?やWhat are these?といった文章よりも前に学習されることがあります。

② Where and Who
これらの単語も早い段階で学習されます。それは早い時期に大人がこういった質問をすることに起因しています。
例:Where’s Mommy?やWho’s that?

③ Why
2歳になる頃にwhyという言葉を使うようになり、大人の関心を惹くために頻繁に使用されるようになります。
例:Why that lady has blue hair?

④ How and When
作法や時間などの理解が進んだ段階でhowやwhenを学習するようになります。

[Stage1]
最初は1単語、または2〜3語の上ったイントネーションで質問します。
例:Cookie? Mummy book?

時々正しい質問をすることがありますが、それは塊(CHUNK)として学習しているからです。
例:Where’s Daddy? What’s that?

[Stage2]
その後、上ったイントネーションで普通の文章を使って質問をします。
例:You like this? I have some?

[Stage3]
この段階では子供は徐々に自分の作っている文章が正しい文章と異なっており、下記の例のような文章を作るようになります。
例:Can I go? Are you happy?

ただし文章の前に何かをつけるという理解とその他は残すという子供の理解において以下のような間違いが起こることがあります。
例:Is the teddy is tired? Do I can have a cookie?
       Why you don’t have one? Why you catched it?

[Stage4]
ここでは助動詞が入ってくることで文章を作っていきます。
これはStage3と似ていますがもっと種類が増えてきます。
例:Are you going to play with me?

また、この段階になると助動詞がないような疑問文でもDoが付くようになります。
例:Do dogs like ice cream?

[Stage5]
この段階になってくるとwhの質問やyes/noで答えることができる質問も正しく作ることができるようになってきます。
例:Are these your books? Why did you do that?
  Does Daddy have a box?

しかし否定の質問に関してはまだ難しい状態です。
例:Why the teddy bear can’t go outside?

また、従属節の中にある質問もまだ正しい語順を作るのが難しい状態となっております。
例:Ask him why can’t he go out?

[Stage6]
この段階でようやく全ての質問を正しく作れるようになります。
子供は新しいことを学んで古いパターンに落とし込んで行くことで周りで話される言葉を習得してくのです。


重要そうなところをかいつまんで書こうと思いましたが、どれも面白い内容で長くなってきたので、もう少し年齢が上がって幼稚園や小学校で、子供はどうやって言語を学んでいくのか、第二言語習得にはどういった過程を通るのかについてはまた次回以降に書いていきます(・・;)

今回の内容だけ見ても、ネイティブの子供でも最初は第二言語を勉強している人たちと似たような間違いを何度も繰り返しながら習得していくことがわかります。間違いを恐れず続けていけば振り返った時には上達してるということです!

継続は力なり!
それでは( ´ ▽ ` )

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