私達は何を見れば良いのか?
「えっ!!!」
7月7日 午後8時。
私はこの日だけは特別…と大晦日以来、久しぶりに夜7時以降にリビングのTVをつけていた。
この日、投開票が行われた東京都知事選挙。
8時を回ってすぐに現職が当選確実というテロップを見て、力が抜けてしまった。
名乗り出るという事
大前提として。
市長でも、都知事でも、地域のTOPになるという事はとてつもない事だと思う。
災害情報などがすぐ入るように、自宅では常に無線機の電源が入っているそうだ。
都知事になれば、ONもOFFも関係なくSPがついてくる。
私は地方政治でも、国政選挙でも、誰かがTOPに名乗り出てきた時にいつも思う。
「よく引き受けようとしてくれたな」と。
確かに甘い蜜を吸える部分もあるかもしれない。
だけど、365日記者に追いかけまわされて、ある事ない事何でも書かれて。
ストレス指数は半端じゃないだろう。
初めての景色
そんな中でも、石丸伸二さんの選挙戦は今までに見た事のない景色を沢山見せてくれた。
YouTubeでライブ配信をしたら文字が全く読めない程チャット欄にコメントが溢れる。
ボランティアを募集したら5千人以上が集まる。中には九州や北海道など遠く離れた場所から泊まり込みで活動されている方もいたそうだ。
そして何よりも街頭演説。
17日間で200回以上の街頭演説が行われたそうだ。
最終日、東京駅で行われたマイク納めには全国から1万人以上の人が集まった。
フェス?
ファンクラブのイベント?
政党色が一切ない、誰かから「動員」を呼びかけられたワケでもない。
こんな景色を見た事がない。
国民の責任を問われる
石丸伸二さんの街頭演説は、ちょっと変わっている。
「勝たせて下さい」「清き一票をお願いします」等というお決まりのセリフが一切出てこない。
最終日にはこんな事を話していた。
言い回しは少し違うかもしれないけれど、
つまりは「都政に注目しろ」というメッセージだった。
よく政党と巨大組織の癒着は非難されている。
だけど、巨大組織は私利私欲の為だとしても政治の動きに対して敏感なのだ。働きかけをしているのだ。
一方で、巨大組織ではない人々はどうだろう。
本当に政治の動きや政策に対して当事者意識を持って見ているだろうか?
私達は何を見れば良いのか?
私は、今となっては一切TVを見ていない。
今回の都知事選についてもYouTubeばかり見ていた。
石丸伸二さんは勿論、他の候補者の方の街頭演説や対談も見た。
そしてこれはこれで怖い事だと思った。
正直、現職の方の動画に対してはコメント欄は批判的なアンチコメントが多かった。
一方で「挑戦者」である方達の動画のコメント欄は「〇〇さん一択!」「〇〇さんと新しい政治を!」等、応援してる方が多かった。
誰か1人だけを追いかけていると、そのコメント欄によって徐々に思考が洗脳されていくような感覚があった。
一方でTV。
そもそも最初は「女帝対決」として、主要候補の2人しか取り上げなかった。
その後「主要4候補」という形で取り上げていたけれど、やはり他の人は名前が紹介されるのみだった。
TVしか情報を得る手段のない人にとっては候補者について知る機会が全くない。
そして、「報道する側のフィルター」もよく分った。
現職の方が街頭演説をした時に、YouTubeの動画では「辞めろ」「嘘つき」等、ちょっと見ていて辛くなるようなヤジが飛ぶ場面が多く見られた。
一方でTVでは、その辺りは一切カットされて常にポジティブな報道をされていた。
昨日も、選挙結果が出た後に行われた石丸伸二さんのインタビューの中で記者から「国政進出」を問われた際に「選択肢の一つではある」と答えたものを某新聞が「石丸伸二、国政に意欲」という見出しを付けていて本人がXで苦言を呈していた。
二次情報は物凄く恐ろしいものだ。
社会人になりたての頃「新聞は見出しだけでもチェックするように」と教えられてきた。
だけど見出しも記事も、伝える側の意図や思惑がある。
政治家の一挙手一投足を全てチェックする事はできない。
議会の様子だって、毎日チェックできない。
だけど、「自分の目で見る事」「自分で情報を咀嚼すること」は大事な事だと改めて感じた。
この選挙に関心を持った全ての人が、この先も関心を「持ち続ける」事。
これを今、試されている。
今日も有難うございました。
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