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子供が大好きな私が、「子供に関わる仕事」を一度も選ばなかった理由。

突然だけど、私は子供が大好きだ。

保育園で0~1歳クラスのお子さんに会うと「あー可愛い!!」と思わず手を振ったり、見とれてしまう。

YouTubeのショート動画で、「赤ちゃんのお喋り」をつい見てしまう。

次男の就学まで残り半年ほどになり、来年からは「小さい子」に会う機会がグッと減ると思うと寂しくて仕方がない。

そんな私だけど「子供に関わる仕事」は一度も選ばなかった。

「無理だな」と感じた原体験について話してみたいと思う。

5日間だけの保育士

高校時代の夏休み。
市の企画で「5日間保育士体験プログラム」というものがあった。

今となっては信じられないけれど、何の基礎知識も研修も受けていない高校生が市の認可保育園へ出向き5日間連続で「保育士」として職業体験をするという内容だった。

私が通っていた高校が、何かそういう「子供に関わる仕事」について学ぶような学校だったワケでもない。

恐らく市内全域の高校生誰でも応募できたと思われる。


私は小さい頃から子供が大好きだった。
小学生位の頃から、電車で出会う「自分より小さい子」に対して、変顔を見せたり、話しかけたり、オバちゃんみたいな子供だった。

高校生になっても「将来」について、ほぼノープランだった私。

「小さい子と遊べるなんて、楽しそうだな!」程度のノリと、ノープランな将来に「保育士」という選択肢が増える事をちょっと期待して保育士実習に参加した。

保育園という現場で


当時、「保育園」と「幼稚園」というモノの違いすらあまり分かっていなかった気がする。

自分は幼稚園出身だし、周りを見渡しても「保育園児だった」という友達は出会った事がなかった。

配属先の保育園は、自宅から自転車で3分程度の「超ご近所」保育園だったけど、その保育園の評判を見聞きした事も一切なかった。


実習がスタートすると、限られた5日間の間に、0歳児~年長までほぼ全てのクラスを体験した。

2歳以上位になると、子供達は「目新しい先生」である私に対してグイグイと来てくれた。
「私のコップ使って!」「抱っこして!」と、一斉に迫ってくる感じ。

どの子も凄く可愛くて、泣いてるワケでもないのに順番に抱っこしてみたり、猫可愛がりした。

当時の保育園は0~1歳の部屋にしかエアコンがなく、暑くてたまらなかったけど、子供の可愛さで帳消しになっていた。


その一方で、「見なければ良かった」と思う事もあった。

昼食の時間、「時間内に子供に食べさせなければ!」と言わんばかりに先生がせっせと子供の口にご飯を運び、床に落ちたうどんを食べさせる様な人もいた。

昼寝中には他のクラスの先生が教室にやってきて、シフトに対しての口論が始まった事もあった。
「〇〇先生だけ、こんなに連休が長くておかしくない?」の様な、明らかにネガティブな会話だった。

「保育士」が将来の選択肢の一つになるかもしれない…。
と思って臨んだ実習だったけど、ちょっと微妙になってきた。

そう思っていた矢先、私にとって「今でも鮮明に覚えている風景」がやってきた。

早くお迎えに来て欲しい子供達


保育園と言っても、今と比べたら全体的なお迎えの時間は早かった。

一番早い子はお昼寝中の14時位にお迎えが来た。
16時台になると一斉にお迎えラッシュが来て、17時を過ぎると全学年が一部屋に集められる程少なくなっていた。

これも今ではあり得ない気がするけど💦
16時を過ぎたら皆で「教育テレビ」を見ていた←Eテレじゃない時代(笑)

でもテレビに見向きもしない子供が数人いた。
窓の外、園庭の方をずーっと見つめて「お迎え」を待っていたのだ。

先生がどんなに声をかけても、私が近くまで行って「一緒に見よう?」と誘っても窓から絶対に離れない子がいた。

ずっと、パパやママが来てくれるのを待って他の事が目に入らなかったのだ。


私はこの瞬間に、「絶対に保育士になれない」と思った。

今でも思い出すと何だかとても苦しい。

その子供の姿が切なくてたまらないのだ。


それと同時に「私は将来、絶対に子供を保育園には預けたくない」と思った。

皆で決まった時間にバスで帰る幼稚園と、家庭によってお迎え時間がバラバラな保育園は全然違う。

保育園は「帰れる時間が違う」という時点で、子供にとって凄く残酷にさえ思えた。

「ワーママ」にはなったけれど

「子供を保育園に預けない」と思っていた筈の私だけど、時代の変化もあり結局ワーママになった。

それでも保育実習の事を思い出し、「誰よりも早く迎えに行く」という、「社会人として失格」な目標を心の中に立ててやってきた(笑)

今となっては育休中のママにも負けないくらいサッサとお迎えに行っている(笑)

とても有難い事だ。



そして転職を2回したけれど「子供に関わる仕事」は一度も検討しなかった。

子供が好きで堪らないからこそ「色々な親がいる」という現実を受け入れられない気がする。

子供への当たりが酷いとか。
子供に対して無関心とか。
そういう保護者さんに出会った時に、平常心ではいられない気がする。
きっと割り切れない。


「子供に関わる仕事」に直接就く事は、今後もきっとない。

だけど「全ての子供が幸せな社会」になって欲しいと思う。
だから、ひっそりとこのnoteを書いている。


<あとがき>
そもそも高校生の頃に「働く」という意識が相当薄かった気がします。
お迎え待ちの子供が切なかったというのは保育士を選ばなかった大きな理由ですが、それに負けないくらい「ドラマに出てくる様なOLになりたい」というお花畑な高校生でした(笑)
20代の時、都内で働くようになり「今日の帰りにプランタンのセールに行く」というセリフ?を口にした時、痺れました(笑)
今ではイトーヨーカドーが一番のオアシスですが( *´艸`)

今日も有難うございました。



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