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「新失敗学」 by 畑村洋太郎

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失敗学の大家の畑村先生の新作本である。この本の中で、何回も書かれているように、現在の日本は失敗を恐れるばかりに、新たなことにチャレンジしない風土がいまだに蔓延しており、それが経済の停滞を招いている。

自分の子供のころもドンドン失敗して、新たな可能性を見つけようなんていう教育は全く受けてこなかったし、会社に入れば失敗=減点のルールの下、持ち点がドンドンなくなっていく世界に生きていたため、閉塞的になるのは当然だと思う。

この本では、まず失敗というものの捉え方を変えて、これから起こりえるリスクを踏まえて仮説を立て、その仮説に基づき迅速に行動に移したうえで、結果を検証し、また新たな仮説を立てて、これまでにないものにチャレンジしていくことが重要であると言っている。システム開発で使われるアジャイル方式が参考になるとのことである。

今の日本は国民自体が高齢化している中、社会的に意識して失敗を恐れず新たなことにチャレンジする体制や社会構造に改革していかないと、日本は本当に先進国から脱落してしまう可能性が十分ある。今は、それなりに平和で豊かな国であるが、もっと危機意識を持たないと本当に危ないとこの本を読んで改めて感じた。

評価は、5/5です。

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