「ワンダーボーイ アーシャ・イン・モンスターワールド コンプリートサウンドトラック」制作秘話
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「ワンダーボーイ アーシャ・イン・モンスターワールド コンプリートサウンドトラック」制作秘話

サントラ制作。最終確認を終えていよいよ生産に数日で入るというタイミングで、辻坂健次さんから連絡を頂きました。
辻坂さんと言えば先日発売されたセガさんの60周年記念アルバム『GO SEGA - 60th ANNIVERSARY Album -』もレコーディングエンジニアをなさっていた、その道のスペシャリストの方です。そして他にも多くの作品が辻坂さんの録音によってCD化されております。

そんな辻坂さんから共有頂いたのはメガドライブ版 モンスターワールド4の収録音源。「音源」といってもメガドライブのライン出力を録音(A/D録音)したものではなく、デジタル録音(D/D録音)を行ったもの。あのメガドラ特有のノイズ(量子化ノイズ)が含まれません。比較を載せます。

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左がアナログ録音、右がデジタル録音です。緑は波形で、見た目では差は感じられないのですが、スペクトラム表示(声紋のように周波数の高さをX軸、時間経過をY軸、各周波数の強さを色のヒートマップで表したもの)で比べると左側(アナログ録音)のスペクトラムはモヤがかかったようになっており、これは意図しない色々な周波数の音が出力されてる事を意味します。そして、この部分がノイズ。見た目以上に聴いた時にその音は違います。このノイズもメガドライブらしいのですが、本来出したかった音ではありません。早速、現作曲者の渡邉人さんにも聴いて頂きましたが、もう絶賛!!!!速攻でクリエイティブ・マネージャーの栗原さんに連絡をして、そしてゲーム制作関係者も絶賛!
という事で、辻坂さんからは「意見を聞かせてほしい」というお話で共有頂いたのですが、サントラに採用させて頂きたい旨を辻坂さんにお伝えして、土壇場で関係各位様に無理を言って差し替えさせて頂きました。本当はアナログとデジタルの両方をCDに収めたい所ですが盤に余裕がないので「音質」が良い、そして皆さんが聴いた事がない音である「デジタル録音」を採りました。

辻坂さん、本当に絶妙なタイミング(あと1日でデータFIX)で、お声掛け頂きありがとうございました。あと1日遅ければ、坂本は地団駄を踏んで悔しがったでしょう。本来であればCDブックレットに辻坂さんのお名前を記載させて頂くべきなのですが、印刷の変更は既に間に合わない状況まで進んでしまっていたので、こちらで記載させて頂きました。

© SEGA/LAT/STUDIOARTDINK. Original Game © SEGA/LAT

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基板開発黎明の頃からゲーム開発の現場に居ます。 テーカン→NMK→ウエストン→プロファイア→インパクト→メディアビジョン→あまた