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普通のエンジニアによる北欧移住計画【字に書いたサルミアッキ】シリーズ第02章「ググるより実地往訪(総括ポエム編)」


本稿を執筆する前段および契機となる前書きはこちらを、実地往訪の記録はこちらをご参照ください。本節は実地往訪を通した所感や反省、私見に基づく諸国比較、今回の往訪にかかった費用等をまとめた後書きとなっております。

「北欧往訪、とっても楽しかったです!」だけでは今回の旅行にかかった金銭や人的コストが浮かばれない。この総括ポエムが少しでも諸氏の役に立てば幸甚に思う。


北欧実地往訪の反省

今回の実地往訪は、本年の8月末に計画し、9月に行動に移す突貫ぶりであったため、事前の計画がおおよそ皆無であった。片道だけの航空券を料金比較の上でExpediaで確保し、フィンランドの宿をAirbnbで確保。それ以外は現地で計画を立てる始末だった。そのため、当計画のターゲットであったフィンランドの滞在期間が必要以上に長く、他国で過ごす期間が非常に短かった点は非常に残念でならない。滞在期間が短いが故に往訪後に非常に関心が高くなったエストニアやスウェーデンは表面的にしかその国々の様相を伺うことができなかった。委託業務の契約の判断に迷ったことが一因であるため、もう少しスパッと判断できれば、もう少し充実した往訪になったかと思うと、少々の悔いが残ることは否めない。

副次的にはコストも嵩む結果に繋がってしまったため、もう少しやりようがあったなぁと反省。旅券はSky ScannerとGoogle Travelを駆使してなるだけ低価格に抑えられたが、事前に計画をしておけばもう少しコストは抑えられた。特にノルウェーやデンマークは物価が非常に高いため、想定していた費用よりも多額の費用を費やしてしまった点もおおいに反省している。

反面、フィンランドの滞在期間が長かったが故にHelsinki Think Companyと巡り会えたのは不幸中の幸いだった。ここでReactを学習したり往訪の計画を練ったり業務連絡をしたり当noteを書いたりトラベロコを利用したりと、実地往訪中にも今後の実利に結びつく活動ができた。往訪中にお世話になった電動スクーターLimeやHSL,DSBなどの交通機関のアプリもここで見つけて利用し始めた。これらの移動手段のアプリは往訪に非常に役立ったため、読者各位にも利用を是非勧めたい。またトラベロコや国内に強い類似サービスのSmoutは移住を検討している諸氏は一度はチェックしてみるとよい。

(注)以下、文体がものすごく変わります。。。
書いた日が違うとこうも変わるのか。すいません。


北欧諸国比較

さて、以下は各国の首都(フィンランドのエスポーにも往訪したが比較対象外とする)のヘルシンキ(フィンランド) / タリン(エストニア) / スコットホルム(スウェーデン) / オスロ(ノルウェー) / コペンハーゲン(デンマーク)の比較である。比較項目は「日本から移住して生活(≒労働)しやすそうな国」「日本から移住してエンジニア観点での学びが多そうな国」「日本から観光して楽しめそうな国」の3項目。比較基準は完全に私見である。前提として、筆者は日本各地に旅行は行くものの、日本の首都であり日本最大の都市でもある東京都町田市近郊と少し田舎となる同江東区にしか居住したことが無い。結果は次の通り。

「日本から移住して生活(≒労働)しやすそうな国🏡
🥇タリン(エストニア)
🥈スコットホルム(スウェーデン)
🥉ヘルシンキ(フィンランド)
→詳細は前節に譲りますが、1位のタリンは(1)首都機能がコンパクトにまとまっており、(2)e-Governmentも世界一進んでいます。(3)また物価も安く、生活費や交通費も少額に抑えることができます。(4)なにより日本でのVisa取得が他国と比べてダントツに容易です。以上の理由からタリンが1位となりました。2位のスコットホルムは中央駅を中心とした都心部は東京と遜色無いくらい商業施設や高層ビルが充実しているため、3位のヘルシンキは駅周辺はほどほどに栄つつもオスロやコペンハーゲンよりも物価が少々やすかったために選定しました。なお、2位以降のVisa取得難度は軒並み同様にハードルが高く感じます。学生であったり資産が潤沢である場合には学生Visa一択ですが、「稼がないと生活していけない」けど「現地での仕事が見つけられない」ような人は就労VIsaを取得する必要があるため、まだまだ移住のハードルは高いようです。なお「容姿が良い」「英語ができる」などのアビリティをお持ちの方は現地の方と結婚等してVisaを取得するパートナーシップVisaという選択肢もあります。ぐぬぬ・・・

日本から移住してエンジニア観点での学びが多そうな国🖋
🥇ヘルシンキ(フィンランド)
🥈タリン(エストニア)
🥉スコットホルム(スウェーデン)
→エンジニア観点での学びが多いのは、Full Stack Open等の非常に優秀なカリキュラムを提供するヘルシンキ大学等を有し、学費0のプログラミング教育学校としても名高いHive Helsinkiもあるヘルシンキでしょう。政府からの教育支援が非常に手厚く、その一方でテック系のスタートアップも非常に盛んです。駄目押しと言わんばかりにGoogle Digital Garageもありますしね。2位のタリンも同様にスタートアップが盛んです。またタリン工科大学も有名で一つのスタートアップコミュニティになりつつあります。3位のスコットホルム(スウェーデン)と番外のコペンハーゲン(デンマーク)にはフォルケホイスコーレという大人のための学校もあります。これらはエンジニア観点でなければ非常に良い制度だと思います。詳細は各々ググってみてください。加えてスコットホルム(スウェーデン)ではスウェーデン語の学校に無償で通うこともできるため、3位となりました。やはり現地語の習得支援が手厚いのは非常にありがたいです。

日本から観光して楽しめそうな国✈️
🥇スコットホルム(スウェーデン)
🥈コペンハーゲン(デンマーク)
🥉タリン(エストニア)
→正直、今回行った季節が9月だったからこの結果となったというのは往々にして考えられますが、1,2位の都市は街ブラしてショッピングするだけでも非常に楽しめると思います。両都市とも中世的建造物が並ぶ欧州的な景観を、豊かな自然とともに存分に楽しめます。中でも1位のスコットホルムは「北欧のヴェネツィア」と称されるほどに見事な水の都っぷりを楽しむことができます。3位にタリンが来ているのは、旧市街が非常にコンパクトにまとまっているため、1日あれば観光し尽くせるからです。楽なの、いいよね。ちなみに、北欧旅行の一番のオススメは今回の私のように複数国巡ることです。空路使わずとも船や電車とかでも行けますし。時間に余裕があればラトビアやリトアニア、足を伸ばしてロシアに行くのも良いと思います!

ランクに入らなかったオスロは移住者というよりは現状の市民と観光客にとって過ごしやすい街であると思いました。物価が非常に高いのがネックですが、稼ぐことができればその物価の差を活かして周辺国で豪遊できるので、一度軌道に乗れば充実した生活を送れる国であることは間違いありません。また今回はオスロがランキング対象であったためオーロラで有名なトロムソは対象外となっています。ここを対象に含めたならば観光の観点では非常に優位なのでトップ3に入ることは間違いないと思います。


北欧実地往訪の総括

「ググるより実地往訪」は移住を検討している身にとってはガチだと思います。移住を検討するなら、3日以上はその街に滞在し、街の雰囲気やスーパーやコンビニなど、実際に移住してからの生活に近い情報を肌で感じるのが良いと再確認しました。こういった情報がGoogleで検索してそれをオンライン上で感じられる時代はもう少し先みたいですね。そして、現地の人に話を聞くのも我ながら良いアプローチだったなと思っております。おかげで、この往訪では非常に多くの知見を獲得することができました。

各国に往訪して共通に思ったことは「夜が明るいこと」「日本より断然涼しい(寒い)こと」「概ね日本より衣食住の物価が高いこと」「街中を平日でも若者が歩いていること(ただし総数は少ない)」「読書や勉強に熱心な人が老若男女問わず多いこと」ですかね。少子高齢社畜社会の日本との違いをまざまざと見せつけられたような気がしました。とはいえやはり「飯は日本が圧倒的に安くて美味い」「というか飯以外もコスパいい」「夜でも安心安全に歩ける」「おみずおいちい」みたいな日本が優位な点も再確認することができました。「日本は観光地としては最高」みたいな一説がありますが、これもまたガチだと思いました。

北欧の良さ、そして日本の良さを再確認できた良い旅だったとね、思いましたとさ。


北欧移住計画のこれから

さて3節に渡った2章ですが、最後のトピックはこれからの北欧移住計画【字に書いたサルミアッキ】についてお話します。

まず、当計画のターゲットをフィンランドからエストニアに変更します。ここまで紹介してきた手続の難度の低さとe-Government、スタートアップの容易さ、物価などをトータルに判断して移住の確度が他国と比較して高いのが決め手です。

移住の手段はフリーランスエンジニアとして、あるいはサービスを引っさげてのスタートアップVisaやD-type Visaを用いた移住をスコープにいれています。e-Residencyは既に持っているため、最近ローンチされたSetGoを使用したら10分で法人設立できるとのこと。「マジか。これを使えば移住も簡単にできるのでは?」と思っており、近日中にSetGoの運営者に詳細を確認します。

今回の実地往訪で、自分の中でも抽象的なイメージしか持っていなかった北欧移住に、少し具体性が伴ってきて、将来像もイメージできる段階まで進んだと自己評価しています。技術も資産もコネも人並みにしか無いエンジニアではございますが、今後とも一歩ずつ進んで参りますので、ご支援・ご協力のほど、何卒よろしくお願いします!

以上が第二章の本論となります。以下は恒例の課金部分になります。今回も例に漏れず本論には影響のない内容で、今回の北欧往訪にかかった費用になります。北欧ぐるっと巡りたい人には参考になるかもしれません。


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元ITコンサルタントのフリーランスエンジニアによる雑記を書いています。いただきましたサポートは北欧移住および某計画の資金とさせていただきます。何卒よろしくお願いします。