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今日は何の日

今日は9月9日、重陽の節句。
YouTubeや各種SNSで
「重陽の節句にすべきこと」などと
さかんに言われるようになったので、知っている人も多いと思う。

しかし、わたしの学生時代には、そうでもなかった。

この日になると、必ず、現代国語のT先生が、

「みなさん、今日が何の日かわかりますか」と尋ねたものだ。

初めて聞かれたときは、全く分からず、「救急の日…?」などと答えて

「何言ってるの、重陽の節句でしょ!」と、叱られた我々であった。

また一年後、先生から同じ質問をされたが、みんな一様にしーんとする。

「だれもわからないの?platyさん、どう?」と聞かれて

救急の日の失態を覚えているわたしは、
「重陽の節句です」
と高らかに答える。

「そうよ」と満足げな先生。

高校時代はこれを毎年繰り返していた気がする。

たぶん、わたし以外にも「重陽の節句」を覚えている生徒はたくさんいたと思うが、敢えてすぐ答える者はいなかった。

「先生が今日は何の日か尋ねて、一同しーんとして、仕方なくplatyを当てて、platyがそれに答える」、これがわたしたちの初秋のルーティンだったのだろう。

一連の風物詩を、つんと香る秋の気配とともに懐かしく思い出す。

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