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【企業インタビュー】副業人材とともに、会社の未来をつくる

魚のまち・富山県氷見市で大正10年の創業以来「おいしくて、体にやさしいみりん干し」をつくり続けている有限会社中村海産。化学調味料や着色料、保存料無添加の伝統的なみりん干しを守り続けるだけではなく、イワシのアヒージョ「氷見ージョ」を発売するなど、新商品開発にも積極的に取り組んでいます。今回、更なるビジネス展開のため、副業人材の活用を決めた経緯について代表の中村康紀さんにお話を伺いました。


商品の一例。オンラインショップからも購入可能


―まずは副業人材を活用した背景について教えてください。


当社は富山県・氷見市で海産物の加工食品を製造しています。食品製造業で大事なのは生産調整。製造が少なすぎて欠品になってもいけないし、逆に多すぎても在庫過剰になってしまう。バランスが大事ですよね。当社では創業以来、これを手書きの生産管理表で管理してきたんです。少しでも狂うと全体を見直さなければならず、電卓を叩きながら、修正があると二本線で消して修正するような古風なやり方です。時間もかかるし、スタッフにも急な残業をお願いしなければならず、心苦しさも感じていました。
そんな時に、コロナの巣ごもり需要で大きく需要が伸び、手書きでは対応しきれなくなってきたので、試しに自分でExcelの管理表を作ってみたんです。試行錯誤しながら、足りないものを加え、いらないものは削り…と1年近く繰り返しているうちに精度も高まってきて、実際にスタッフの残業時間も減少、という効果も見られました。でも、問題点もあって、今は作った私しか使えないんですよ。これをソフト化できれば、私がいなくてもスタッフの誰かが使える。コロナ禍を経て、誰でも使える、代わりが務められる体制を作りたいと考えるようになりました。そして、うまくいけば外販することもでき、収益にもつながる。今ではなく、会社の将来のためにお金を使いたいと思い、その考えを取引先の北國銀行に話したところ、Skill Shiftでの副業人材の活用を勧められたんです。

Skill Shiftでの求人内容


―依頼する内容はどのように決めましたか?


銀行の担当者には「サポートが必要であれば言ってください」と言われたのですが、自分で決めたかった。今までも自分でとりあえずやってみて、自分で納得した上で物事を決めてきたので、今回もそうしたいと思い、求人票の作成から人材決定に至るまで、すべて自分一人で行いました。
Skill Shiftに登録している人材はマーケティングや企画系を得意とする人が多く、私が求める技術系の人材は少ないのでは…?と不安もありましたが、真っ先に紹介してもらったのがSkill Shiftだったので、まずはやってみよう、それでダメなら他の手を考えようと思いました。


原料となる魚

―求めていた人材の要件はありますか?


Excelは私が作ったので、私の脳内には明確なイメージがあるのですが、それを形にすることはできません。かつて、東京でSEをしていたので、知識が全くないわけではなかったのですが、最新の動向にはついていけていない。まずは私がイメージを伝え、それを設計図として「形」にしてくれる人を求めていました。
 

―面談時のポイントや採用した決め手について教えてください。


ちゃんと応募が来るのかと不安もありましたが、6名の方から応募をいただきました。まずは応募書類から、その人の持つスキルを見させてもらい、その後、1週間ほどかけてオンラインで面談をしましたね。
面談では会社の現状、課題を伝えた上で、私がいなくなっても会社だけは回り続ける体制が作りたいという話をしました。中には受け身で、自分の考えが伝わってこない人もいましたし、コンサルのようにアドバイスはできるけど、実際に手は動かせないという人もいましたが、採用した方は「この環境だと、この言語を使えばどうでしょう?」と具体的な提案してくれました。同じ富山県出身で愛着を感じたこともあり、即決でしたね。
 

工場での作業風景

―どんな形で支援をしてもらいましたか?活動期間・内容について教えてください。


プロジェクトは私と人材の二人で進めているので、慌てているわけではないし、相手は副業なので、やれる範囲でお願いします、ということは最初から伝えていました。
うまくいかない時もあるかもしれないけど、当社の主力商品はあくまでみりん干し。商品に直結するものではないので、軽い気持ちで…とは思っています。最初の半年はお試しで契約しましたが、これからもずっと一緒にやっていきたいと思える関係が築けたので、さらに一年間、再契約をしました。
月に1回のオンラインミーティングが基本ですが、時には2回の月もありますし、普段はチャットツールのSlackを使って進捗状況を報告してもらったり、こちらの要望や資料を渡したりと、随時連絡は取りあっています。
 

―プロジェクトは何人で進めていますか?他のスタッフも関わっていますか?


今のところ、他の社員は関わっていません。ただ、プロジェクトの仲間がもう一人増えたんです。当初から人材に「自分はバックエンドエンジニアなので、ある程度まで進んだらフロントエンドエンジニアを入れることも必要になる」と言われていたこともあり、富山県の人材派遣会社からの紹介で今年の5月から新たに1人のエンジニアとも契約をしました。採用にあたっては人材にも面談に加わってもらいました。2人が合わないと、これからのプロジェクトも進まないと思いましたから。今は私を含めた3人でいい関係が築けていると思います。
 

製造された商品


―どのような業務を任せましたか?


私はSE出身ですが、もう10年も前のことで知識は皆無に等しいし、人材も副業なので、細かな報告は求めていません。でも、バックエンドエンジニアとして、「ここまでは自分でできる。あとはフロントエンドエンジニアの仕事」というところまでもっていってくれた人材には感謝しています。
 

―成果はありましたか?また、課題点についてもあれば教えてください。


オンラインでのやり取りがメインなので、実際に会って話すよりも伝わり方が浅いという気はしますね。でも、頻繁に現地まで来てもらうのは難しいですし、手軽にやり取りできるのは大きなメリットだと思います。
副業人材って、自分たちができないことを、一時的にお願いするものですよね?銀行やコンサルに言われて、じゃあ使うか~という企業も多いと思います。でも、経営者自身がその事業に踏み込んでいかないとなかなかうまくいかないのではないでしょうか。
私は、副業人材を活用してみて、こんな考え方があるのか~とビジネスを進める上でヒントをもらいました。例えば今、会社のロゴの刷新を考えているのですが、以前だと「この金額で作ってもらう」という提示しかできなかった。それが、副業人材を活用したことによって、デザイン会社に対しても同じように、月いくら、1年かけて作成してください。というお願いができるようになりました。毎月のように打合せをして、考えを知ってもらうことによって、より当社に合ったデザインを作ってもらうことができるのではないかと期待しています。
プロジェクトについてはまだ道半ばですが、展示会でデモ版を出展できるまでになりました。これから、色々な判断を求められますし、うまくいかない時もあるかもしれませんが、当社の商品はあくまでもみりん干し。という気持ちで、気軽にやっていこうと思っています。

富山県氷見市にある本社工場


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