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中学生の夏休み課題をプロジェクトマネジメントしたら、拍子抜けするくらい順調に完了できた話

芦沢です、今日は家庭であった一連の出来事をお伝えします。子供の夏休み課題・冬休み課題は正直、毎回負担感があって親子とも疲弊していました。計画的に進めているつもりが、いつの間にか破綻して結局登校日の前日になってからの追い込み、あるいはまるっと未着手の大物課題が見つかり…というのはいつもの事。

そこで昨年の夏、中学校の夏休みを初めて迎えた息子の夏期課題をターゲットに、本気でプロジェクトマネジメントの手法を用いて課題の完了にトライしてみよう、と思い立ち実際にやってみたので、その詳細の記録をお伝えしていこうと思います。

《そもそもプロジェクトマネジメントって?という方はこちらなどご参照ください》

要は「スコープ(範囲)、品質(完成度)、スケジュール(優先順位)、コスト(費用)」を計画化して、実際にどのように進んでいるか進捗管理をすることです。ある程度の規模以上のプロジェクトに適用されることが多く、システム開発などにおいてはこの考え方に基づいて日々の仕事が進められる事が多いようです。
夏休み課題においては「人件費」はかからないのでコスト以外の要素である「範囲、完成度、スケジュール」を対象に計画しました。

一連の取り組みについて、昨年の夏休み明けに原稿を書いてはいたのですが、一回ではマグレかもしれないので冬休みの課題でもう一度検証してからと思い、実際に冬休みに再現できることを確認しました。
また段階的にプロジェクトマネジメントそのものを本人に移譲していくことも目指していたので、冬休み課題ではその部分も少し取り組みが進んだ今のタイミングで公開することにしました。

⑴2019年8月 夏休み課題への取り組み

◆計画の概要
・8/3(日)計画を立てた
・全4週間で計画
・帰省旅行中の4日間はお休み
・実質24日間

◆終えてみての本人振り返りコメント
・奇跡的です。違和感しかないです。
・びっくり。この量、難易度を終えられている。
・学校で課題を貰った時は「やばい」。
・半分くらい、やり切る事はあきらめていた。
・「パパ計画やって」 から本当に終わった。
(我が家では課題のプロジェクトマネジメントのことを簡略化して「計画」と呼んでいます。)

◆やった手順
1.課題の範囲、やることを確認
2.完了となる条件を把握し、完成度70%を目標に設定
3.所要時間(日数)を課題ごとに算出
4.一人でできること、他人の支援が必要なことを分けた
5.やる順番を決めた
6.スケジュール(カレンダー)を作成した

<ポイント>
・上から順に本人にヒアリングしながら、何をどのような状態にしたら終えるのか、完了条件を確認
・最終的な提出形式がデータなのか、紙なのか、また提出先が学校の授業管理のシステム上にデータ保存なのか、夏休み明けの授業なのか正確なゴールを確認
・所用日数、時間を実感値で設定
・所用日数、時間はあくまで本人の申告による
・「70%の完成度」に必要な時間に限った
・全ての課題を終えてそれでも時間と精神的な余力がある場合のみ、完成度を70%より上に引き上げることに着手するルールにした
・「必須課題」にのみ注力し、できればの任意課題は対応しないことを決めた

◆スケジュール(カレンダー)の工夫
1.すぐおわる小さな課題をまずやる(数を減らす)
2.チェックポイント(CP)を毎週土曜日に設定した
3.進捗状況を確認して、スケジュールを毎回組み直した
4.その日何をやるか確認するために、毎朝スケジュールを見る事を習慣化した
5.一枚の紙にまとめて、一目でいつでも確認できるようにした

<ポイント>
・私(親)は基本仕事で不在なので、本人が一人で使うツールとして本人と一緒に作成
・「ワクワクする課題」と「義務感だけでやる課題」「いずれでもない普通の課題」をざっくり区分けし、「ワクワクする課題」のスケジュールを優先的に決めた
・その後に普通の課題と義務感の課題を時期が偏らないように4週間の中に配置
・小さくて簡易な課題は初日に全て片付ける
・他人の協力が必要な準備(親から○○を用意してもらう、△△を購入する等)を洗い出し、まず先に着手するようスケジュールする
・毎日やる課題、英語のリーディング10分、数学ドリル、などは日々の最初に着手する
・毎週土曜日の「チェックポイント」で進捗を本人申告により確認、遅延があればそれを取り込んで翌週の計画をリスケジュール
・日々の声かけは「達成度70%だよ、やり過ぎてない?」のみ
・課題の中身は、本人からヘルプが出ない限り確認やアドバイス等をしない
・1週間のうち1日は調整日=何もなければお休み を設定した

◆本人の心境(後日談)
・すげー
・進んでいる感じがした
・一つ一つ確実に終わるので、実感がある
・スケジュールをきちんと立てたら、やる気が出た
・計画通りにやれば、ちゃんとやりきれる安心感があった

と、ここまでが夏休みの時の取り組みでした。客観的に見てもやり切れるか微妙な分量と品質要求だったので、適切にスケジュールすることと、一つの課題で深みにはまらないこと、完成度70%を念仏のように唱え続けることが効いたように思います。
結果的に数日を残して全ての課題を終えたので、本人がこだわりたいプログラミングの課題を完成度100%まで高めていました。

⑵2019年12月〜2020年1月

しばらくして冬休みを迎え、今回はある程度「自分で計画を立ててみる」ことをスタート時点の目標にしました。冬休み開始日に夏休み課題時の一覧とカレンダーを見直し、何をやったかを思い出しました。
「できるところまで自分で進めておいて、土曜日に計画しよう」と声かけ。そして数日後の土曜日に出てきたのがこちら。

既に自分で課題ごとの所要時間、他人の支援が必要なことをリストアップ。それらを優先順位付けしてスケジュールにも落としてありました。

部分的に課題の所要時間が曖昧だったので会話しながら工程を分割し正味の所要時間を算出したり、冬休みは2週間と短いのでチェックポイントのタイミングを見直したくらい。自分でプロジェクトマネジメントしてみたら大体こんな感じ、というのをつかんでいました。

夏休みに比べると期間もボリュームも半分くらいなので、計画を立てて進めるのは2回目の慣れもあり、本人的に順調のようでした。

元日からの旅行では今回は余裕だね〜と話して帰宅してよくよくカレンダーを見たら「1/4が2日ある!」ことが発覚。急遽1/5に予定していたゲーム日を返上して計画に追いつく、というハプニングもありましたが、それでも完了には大きな支障なく冬休みを終えることができました。

⑶まとめ

今後は計画と進捗を自己管理できる部分を増やしていければ、日々のその他の課題や取り組みたいことについても有効に時間を使えるようになるのではないかと思います。とは言え私たち大人と同じく、自分一人では完璧な自己管理はできません。紙にして見える状態にしておくことが、さりげない周囲の支援や理解を得られ有効ではないかと思います。

ちなみに我が家は中学1年のほか小学1年生もいまして、ともにYoutubeとゲームは時間無制限です。子供用に2台のPCと中古のタブレット、スマホがあります。中1にはYoutubeやSNSから好きなことをどんどん発信したらいいよ、むしろするようにと伝えています。就寝時刻だけ21時を過ぎないよう声かけして、早寝の習慣にしています。

もし今回の経験を必要とするお子さんがいらっしゃるなら、来年の夏休み前には親子一緒に「夏休み課題をプロジェクトマネジメント」のような学びの機会にもトライしてみたいと思います。

2020.1.16

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