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果物との巡りあわせ

これまでご縁がなかったことでも、偶然が重なり、繋がりが出来ることがある。

むしろ避けてきたことであっても、再び出会ってみると意外と良かったりして、避けてきた時間がもったいなかったなと反省したりもする。

自分で物事をキチキチと決定していくことも大事だとは思うけれど、偶然に身を任せておいても、案外良い方向に転がっていくものだ。先入観を持たずに世界と触れ合ってみれば、どこまでも広く可能性に満ちている。

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最近、果物をたくさん食べるようになった。

ここ二カ月で食べた果物を書いてみると、アンデスメロン、クインシーメロン、イチゴ、ビワ、スモモ、ユウカメロン、パイナップル、バナナ、である。

気付かれてしまったかもしれないけれど、メロンが3種類入っている。いま暮らしているところは日本の中でもメロンの生産量が日本一の地域で、5~6月にかけてメロンが最盛期となる。

一言で表現してしまえば「メロン」なのには違いないのだけど、品種によって本当に同じメロンなの?と思うくらい味が違う。果肉の色も違う。香りも違う。

正直これまでの人生で、メロンとそこまでご縁があったとは思えない。わざわざメロンを積極的に買おうと思ったこともなかったし、実りの時期を気にしたこともなかった。東南アジアを旅する時、決まって味の薄いメロンを食べていたのが唯一の思い出かもしれない。

それが今は、町の直売所へ行けばメロンが山積みになっているし、地域内で配布される冊子はメロンで大盛り上がり。飲食店では、メロンの季節だけの限定メニューも用意されている。

そうなったら「食べてみようかな」と思うのが、人の心というもの。

結果はもちろん驚きだった。これまでのメロンの概念が良い意味で壊されたし、素直に「とっても美味しい」と感動した。両親が訪ねてきたときにも、メロンをお土産で渡した。

メロン以外の果物もこんな感じで、以前は「フツウ」だったものが好きになったりしている。正直、ビワなんて全然食べたことがなかったけれど、お隣さんちで実っているものを頂いたら、絶句するくらい美味だった(ビンタされた気分)。

スモモもそう。やっぱり近所で作っている人がいて、頂いたら甘酸っぱくて、ジューシーでクセになる味だった。プルーンと似ている。イチゴも頂き物で、小さくて出荷する程のものでもなく、冷蔵庫に眠っていたとのことだった。小さくたって甘さは金賞。

自分から好んで選んでこなかったものも、何となくお店で山積みになっていたり、何となくご近所からもらったりすることがご縁というものなのだろう。果物との巡りあわせを想う。

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朝ごはんにはバナナを食べているけれど、これはさすがに地元のものではない。沖縄を旅したときは、国産の小さいバナナがたくさん売っていて羨ましかった。

まだまだ知らない果物もたくさん溢れているんだろうな。次のご縁を待ってみよう。

そのとき必要なことに必要な分だけ、ありがたく使わせていただきます。