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2-2「青年期:フルコース」


0.「アペリティーボ」
正しいことを考えようとしてる僕が
馬鹿で情けない。
なぜならここには人が多いから。

1.「アンティパスト1」
見えてる世界には物語があって
遠くに見えているものが語っているストーリーは
ファンタジーで面白い。
近くに見えているものが語っているストーリーは
リアルだったり、
これも面白いけど
僕はチラつくファンタジーにずっと憧れてるから
最近はあまり近づかないようにしたりしてる。


2.「アンティパスト2」
腕は割と簡単にちぎれちゃうけど、ちぎれた腕も思ったより簡単にくっつく。
綺麗なパーツはもう脚だけになってしまった。


3.「アンティパスト3」
あなたの為にと買った花は気に入らなかったみたい。
でもあなたは僕のためにとその花を部屋に飾ってくれた。
僕にはそれが嬉しくなかったし、それを優しさだとは思えなかった。
なんでだろうか、
その花瓶は小さすぎた。

4.「アンティパスト4」
なんでいつも電気を付けないの?と聞かれて
明るいと気分が滅入るからと答えたけど
別にそんなことはない。
ただめんどくさいから。
またやってしまった。

5.「プリモピアット」
倍速のアートと規則的感動。
簡略化されたのはやり方で増えてしまったのは情報なのかも知れない。
まだ幻想的に生きていたいな。

6.「セコンドピアット」
僕は未だに誰かの食べるものを作り続けてる
その工場は労働力に支えられた機械で
その労働力である僕は
誰かの2時間を彩ることを課せられた
しがないパーツだと、
ドキュメンタリー映画が教えてくれた。
僕は信頼している。

7.「ドルチェ」
我々は存在証明という強い重力に基づいて形を保っていた。
自分が何者かわからなくなった時、
その重力を再確認すべく
高い塔から空を飛ぶ。

8.「カッフェ」
いずれ深呼吸をするように、心を洗うように
何か大きな決断をするのだと思う。
その時に見える景色がどんなに素晴らしいものでも
小さく些細なものでも
洗われた後の心に残ったものを愛したい。
幻想が現実に変わる瞬間である。

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