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僕が見たかった青空 「僕が見たかったワンマンライブ vol.1」に行ってきた

2024年6月22日(土)アイドルグループ「僕が見たかった青空」の結成1周年記念ライブがお台場Zepp DiverCityで行われた。

「僕が見たかった青空」(通称:僕青)は2023年6月15日に乃木坂46の公式ライバルとして結成され、このたび1周年。

乃木坂46がAKB48の公式ライバルとして結成されたのは広く知られるところであるが、乃木坂が結成から10年以上の年月をかけて日本を代表する大きなアイドルグループに成長した今、新たに「公式ライバル」を仕掛けることになった。

詳しくは触れないが、少し調べると乃木坂と僕青は運営会社が近しい関係にあることが分かる。
結成当初、個人的に今回の「公式ライバル」にはあまり強いコンテクストを感じなかったことを正直に告白するが、どうやらそこら辺が関係しているようにも感じる。

ソニーミュージックは元々所属していたAKB48という大きな魚を取り逃したという苦い経験から、乃木坂46の立ち上げには相当な意気込みで挑んだであろうことがうかがえるし、結果AKBを凌駕する存在にまで上り詰めた。

そういう意味では僕青の立ち上げにおいては、ソニーミュージックほどの強い動機が感じられなかったというのが第一印象ではあったけれども、乃木坂46には欅坂46という姉妹グループが成功を収めたことも事実だし、それはコンセプトにおいて乃木坂との棲み分けを明確にしたことで成功した。

また乃木坂がAKBの公式ライバルとして立ち上がった当時と現在では状況も違っていて、オープニングメンバーが全員いなくなった乃木坂に食って掛かろうとすでに経済圏を確立している櫻坂や日向坂といった先行者の存在も大きい。

そんな中でも「公式ライバル」というキャッチーな文言はプロジェクトにとってブースターになることは明らか。
乃木坂の最初のファンはAKBから流れてきたし、欅坂は乃木坂のファンが初期を支えたからだ。
実際にライブ会場では46のファンと思われる来場者を何人も見かけたし、なにより私がその一人だ。

僕が見たかった青空、新しいコンセプトを提示して次なる成功者になることはできるだろうか。

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さてライブ。
会場はZeppDivercityで、今回の動員は1500-1600人ほどと思われた。
フロアは綺麗に埋め尽くされ、それでいて窮屈さを感じない、まさに理想的なフロア環境だった。

ファンのコールはオーソドックスなもので、楽曲を楽しむ姿勢が心地よかった。

印象的だったのはオープニングのMCで発せられた「今日もみんなで青春しましょう!」という言葉。その後もライブ中に「青春する」という言葉が何度かメンバーから聞かれた。
なるほど青春を前面に押し出したコンセプトなのかと理解。

ちなみに私は僕青のお披露目イベントをYouTubeの生配信で見たところから始まり、その後発表された楽曲をチェックするぐらいの情報量で今回の1周年ライブに至ります。

ステージ衣装は学生服を基本としたデザインで、衣装チェンジがあってもそれは一貫していた(ように記憶している)

ひそかに楽しみにしていた乃木坂の「何度目の青空か」の披露はなかったが、「制服のマネキン」は披露され、公式ライバルたるところを感じることが出来たし、パフォーマンスは見事だった。

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距離感という点においてはSKEで培ったノウハウが生きているのかも知れないと感じた。
僕青の母体はSKE48の運営でもあり、SKEはavex traxから楽曲をリリースしている。
ライブではステージの最前ギリギリまでフロアに近づいてパフォーマンスする姿が何度か見受けられ、距離感の近さを感じられた。

またライブ後はお見送りも行われた。
ここでは各メンバーの人となり、アイドルとしての才覚を試される場面。

AKBのレジェンド柏木由紀は
「お客さん全員を自分に恋させる気持ちでやらなきゃだめだよ」
と言った。

一人挙げるならば、柳堀花怜は発見だった。
わりと体育会系の元気さを持った人かと思っていたけれども、話しぶりは控えめだがハキハキとした可愛らしさがあり、お見送りでは人一倍ファンとの距離を縮めようと笑顔で接する姿が印象的で、素直に応援したいと思わせる人柄と思った。

ソロパートでは柳堀の清らかな歌声が楽曲に爽やかさを与えている。

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ライブで何度か発せられた「青春」という言葉、これは誰の青春なのかを考えるといろいろと解釈が生まれてくる。
現役世代の「青春」に向き合うのか、あるいは大人に「青春」を追体験させるのか。
1stシングル「青空について考える」と2ndシングル「卒業まで」を聴いたところではまず後者を連想した。

若い世代はK-POPやボカロに夢中で飽和状態、秋元先生の作風とも相まってここはBPMを落としてゆったりと、まずは社会人相手にマーケット絞ることといったところなのだろうか。

乃木坂のコンセプトは「フレンチポップ」から始まり、徐々にそのスタイルを確立していった。
今後僕青が「青春」にプラスアルファのスタイルを獲得しくのか、あるいはどこまでも「青春」追い求め、誰も見たことのない突き抜けた青空に辿りつくのか、今後の進化を楽しみにしたいと思う。

八木仁愛という個性をセンターに据える文脈を理解できるのは坂オタだ。
乃木坂のショートカットの子。欅坂のおかっぱの子。
いずれもグループの要所を担った。
ぜひ「公式ライバル」という肩書を味方につけてほしい。

曇りの日もあるだろう。
雨の日もあるだろう。
しかしいつか俺たちに「僕が見たかった青空」を見せてくれる日が来ることを祈っている。

1周年おめでとうございます!



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