なぜDXに抵抗するのか、そして解決策は?

 ここ1週間でDXについて、再考する機会があった。
 母校のGlobis経営大学院にて、アルムナイアワードを受賞し(https://mba.globis.ac.jp/feature/alumni/alumniaward/#2020)、Globis主催のあさって会議の分科会や、ナイトセッションで色々な論点に触れる事があった。また、ビザスクにてオンラインセミナー(800名登録)でのプレゼンとQ&A、大手出版社からのインタビュー、現在執筆中の本の執筆活動など、、、 そこから本日の話題について深堀してみる。

 多くの方が「DXに抵抗する人がいるのでどうクリアするべきか」という質問をされていた。ということはそれに対する回答をするのが良いと考えまとめることにした。

何故抵抗をするのか

「日本は島国である、だから外圧を受けにくい、よって自ら変化をしなくても生き残ることができる。一方で、ちいさな島国だけに、海や山、地震の災害に合いやすい。よって、外圧によってディフェンシブに変化をすることが得意。」
 上記のような仮説を立てることができると思う。
 欧米が、、、、とか言われる方がよくいるが、欧州と北米は全く状況が異なるのはみなさんご存じ通り。そもそも北米はEUみたいなもので、アメリカ合衆国内の内部の競争が激しい。よって、内部の競争により変化が内発的に発生しているといえる。
 一方で、欧州、ヨーロッパ諸国は国の間の競争が激しかった歴史があるように、つねに国の間で外圧がある。よって自ら「その歴史、お国柄を軸として」変化をするということが日常である。
 以上のように、欧米と日本を比較すると、日本が自ら変化をするのが得意でないため、変革であるDXに抵抗をするということを仮説ベースであるが、前提を立てる事ができた。

抵抗を緩和する方法は何か

 外圧によってディフェンシブに変化するのであれば、ディフェンシブに変化をする際に、変化を受け入れる人々がDXの「抵抗」と「可能な限り」ならないようにすることが重要であるのがわかる。
 抵抗にならないようにするには、現状よりも良さそうでリスクが低いと感じる受け皿を作る以外に方法はない。そのような条件がそろっていれば人はとりあえずやってみてくれる。
 一方で、現状よりよさそうで、ハードルを下げるとはなかなか難しい。
 今回コロナ渦でリモート会議が広まったが、これは外圧によるものであり、内発的なものではない。しかしながら、そのハードルを下げる事を全力で行った結果、私が所属するグループ企業全体で、受け皿として一定の機能をしたと思う。

緩和をするのが難しい理由は何か

 受け皿をつくるには、受け皿となる別リソースが必要で、最初はあまり評価されず、複雑な現状を整理し、新しい道を発見するという地道な仕事だったりする。
 そのリソースを提供するのは「ギバー&テイカー」の文脈でいうと、ギバーである。なぜならば、受け皿はほとんどの場合、エンジニアを中心とした世の中を改善することが得意な人材であり、DXの場合はエンジニアが必須である。ギバーとテイカーがわかる アダム・グラントさんの動画 が参考になる。
 そして、多くの日本企業ではテイカー、つまり目立って説明がうまい人が出世する事が散見され、そのような人が折角できはじめたギバーが作った受け皿をまだ完成していない状態にもかかわらず、自分の手柄として横取りしてしまう。アルアルですね。
 こうなると、ギバーは搾取されている感覚に陥り、折角軌道にのってきたDXが減速してしまうわけである。

緩和を実現する方法は何か

 ギバーが搾取されない状態で、受け皿を拡大するのが成功要因である。つまり、テイカーが完成する前に横取りしない、邪魔をしないという枠組みをつくることが抵抗を緩和させる成功要因であることがわかる。
 それを実現するためには、きばー向けの権限を分離する、場合によってはDXのコアチームを別会社として、面倒なテイカーからの雑音から離す。同時に、忘れてはならないのは、強力な「エンジニア出身の」マッチャーをならべて、ギバーを守る。これはDXの必須条件である。
 私が代表取締役社長をしているKADOKAWA Connectedでは、強力なマッチャーのフロントに並べる作戦を徹底的に取っている。

Next Step

 次回は DX時にテイカー(腐ったリンゴやミカン)がギバーを腐らせてしまう、パターンについて記載してようと思う。
 内容は下記の通り ↓

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?