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Office365とGoogleWorkspaceの違いの本質

世界一わかりやすいDX入門でも少し触れた通り、表題の2つツールは似て非なるものである。しかし、非なる部分の違いを理解し、そのGAPを埋めると、おそらく多くの人やチームが、この2つのコラボレーションツールをうまく使い分けられるようになるのだろうと考え、そのGAPと埋め方についてまとめようと思う。


私が本件に関して知見を持っている背景

2000年頃、私はCompaq Computerにて、ソリューションエンジニアとしてMicrosoftのソリューションをCompaq製品と組み合わせてR&D、マーケティングをし、設計やインプリのベストプラクティス作り、デリバリチーム(Compaq社員、パートナー企業)に横展開するという仕事をしていた。
同時に、自らのチームの生産性を高めるために、CompaqのIAサーバであるProLiantの製品のTipsをまとめ、日本全国に爆速で広めるための仕組みを作りたく、IA Server Tipsという仕組みを、当時の同僚と一緒に作り上げたりもしていた。

その後、DECと合併し、彼らがもつ検索エンジンAltavistaを使ったナレッジシェアの仕組みを使い込んだり、2002年に転職をしたEMC Corporationにおいては、2004年に買収をしたDocumentumというソフトウェアのナレッジシェアの仕組みのオーナーシップをチームで持つなど、コラボレーションのR&Dやソリューション開発をしてきた。

その後、VMwareの最後のフェーズでは、VDIのソリューション Horizon View(Horizon Suite全体も)のPMとして、日本マーケットのワークスタイル変革をリードし、そしてMicrosoftに移籍し、そこではOffice365チームと一緒に、PCやMDM、VDIを組み合わせたワークスタイル変革を支えると同時にOffice365のユーザとしての経験を積み、2016年に移籍をしたAWSでは、エンジニアが好むSlackやWikiを軸とした働き方を行ってきた。

直近では、2017年よりDigital Native企業のDwangoでコラボレーションツールを活用し、典型的な日本企業であるKADOKAWAのDXをCIO役として進める中で、Microsoft製品とGoogle、その他コラボレーションSaaSの組み合わせのベストプラクティスをみつけることができている。

選択のポイント

オフィス系ソリューションの王であるMS Officeの世界を継続すると得をすると判断をした情シスは、それを継続する。一方で、継続すると損をすると判断をした情シスは、それを継続しない。
また、新しい会社では、新たにこのようなツールを選択するので、何を選ぶと良いのかゼロベースで考えることができる。
では、これらのポイントを整理してみよう。

Office365を選択する人


既存人材がもっている経験や、社内にある資産を活かす事が良い場合は、Office365を選択するであろう。具体的には

  • Officeを使っていたので、従業員が持つその経験を活かしたい

  • MS Officeのファイルの資産が沢山あるので、それを活かしたい

  • Active Directoryの資産があるので、それを活かしたい

  • Microsoftの大型契約があるので、それを活かしたい

  • 出入りしているSIerさんが、Office365に詳しいからそのノウハウを活かしたい

  • MS製品を選択する=意思決定を事実上しなくて良いので、責任が発生しないため楽だからそこを選択する

あたりではないかと思う。

Google Workspaceを選択する人

一方で、Office365を選択しない、そして違う選択肢をする人たちは

  • Google WorkspaceとSlack、Wikiを組み合わせてコラボをするとビジネスのスピードが上がる(機能、API連携等により実際そうなるケースが多い)

  • いけている会社のイメージを作れる

  • 既存の資産が少ないので、そこをケアする必要が無い

  • 出入り業者も実はそんなにノウハウを持っていないので製品選定に影響がほとんど無い

わかりやすく言うと、ベンチャーのような新しい企業はこの選択肢をする可能性が高いということである。

では、MS Officeを使ってきた企業が、Google Workspaceを選択をするとメリットが出る可能性はあるのだろうか?

Google Workspaceを選択する企業が持つ特徴

既存の経験を活かしながらも、新しいツール群を使い、新しい道へ踏み出して変革を行う、つまりDXを爆速で行おうとすると、このような選択肢になることが多い。
もしMS Office中心のワークスタイルをとっていた日本企業がGoogle Workspace選択をし一定の成功を出している場合、その企業はDXに成功していて、今後も成功をし続けられる可能性が高い企業であると言える。
もちろん、Office365を選択していてもDXを成功している企業はあるが、Googleを選択している企業は改革に向けて下記の事をコミットしている可能性が高い。

  • スピードを、新興勢力レベルに上げたいとTOPが本気で考えている

  • 従業員はある程度なら変えられると、マネジメントが従業員を信じている

  • MS OfficeとGoogleの共存をする投資に対するリターンを理解している

  • Google WorkspaceとMS製品の互換性や、ファイルサーバ機能などの知見が深い

  • 変革の際に現場にインプリをする仕組みを持っている(作る根性がある)

  • 変革をリードする人材がいる

SlackやConfluenceのようなコラボレーションツールを積極的に導入し、浸透させられていることは、DXができるチーム、組織、会社であるという証明の1つになるかもしれない。

結局は、DXという変革をするにあたり、TOPがコミットし、従業員を信じ、ROIをきっちり計算し、現場に入って変革をインプリし、それをコミットし支えるリーダーがいるということなのだろうということだけはわかった。

下記ネタは 宣伝っぽくなってしまうが、このような事で困った時に読むと少し助けてくれる本である。参考になれば幸いである。

参考図書

事例集

事例にいくつかの本質を込めて語っているので参考になれば幸いである。

Google Workspace (Mail, Calendar, Drive, Online Meeting)

Slack (Chat Tool, Flow型コミュニケーション基板)

Confluence (Wiki Tool)


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