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詩はどこにあるのか

 1月に亡くなった天澤退二郎さんの『帰りなき者たち』1981。
 「詩はどこにあるか」というテーマについて深く長く考えていた人で、そのベースには常に宮沢賢治があった。だから、散文詩、物語を書くことは必定で、天澤さんにとってその主要なテーマは夢、夢魔だった。
 この詩集は、大学教員であるらしい私らしい人の夢のようなものが多く記述されていて、自ずと東京という都市に対しての眼差しにもなっている。
大学の生協書籍部に行き当たって、洋書棚に自分の興味のある著者の新刊が並んでいたのだが、手に取ってみると実物大の写真でしかなかった…これでは立ち読みで時間を潰すこともできないではないか…そしてこの写真の1枚目に続く。
 面白いのがこの後の一編はその作品のbisとして、これは行分け詩になっている。文体も主体も違えて、語り直されている。
 さて、どちらに詩があるのだろうか?と、イタズラっぽく笑っておられたのかもしれない。
 このbisの最後は、こうだ。
彼女たちときみと
死神はどっちだ?

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