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SIWA×INDIGOシリーズ 希少な天然藍で染めた和紙製品

山梨県の和紙メーカー大直の古屋です。今回は、藍染工房の壺草苑こそうえん様とのコラボ企画、SIWA×INDIGOシリーズについてお話いたします。
今年も「SIWA×INDIGO」シリーズが数量限定にて復刻いたします。
今回も染めは東京都青梅市にて伝統の藍染技法を続ける「壺草苑こそうえん」様にご協力いただき製品を染め上げていただきました。
壺草苑様は化学薬品を一切使用しないサスティナブルな藍染を行っている工房です。
藍染の染色方法や壺草苑様のこだわりについて、工房長の村田様と職人の丹羽様に、お話伺いましたので、紹介させていただきます。

壺草苑 工房長 村田様

藍染あいぞめとは

壺草苑様の染色技法を紹介する前にまずは藍染の基本を書かせていただきます。
藍染とは「インジゴ」と呼ばれる色素成分を持つさまざまな植物や化学染料(化学藍)を使った染め物の総称です
インジゴは不溶性色素なので、アルカリ性の水溶液に溶かし染液を作る(藍をてる)といった手順があるのも特徴です。
染料には植物由来の「天然色素」と化学合成した「化学色素」があり、建て方にも菌(インディゴ還元菌)の発酵による「本建て」と苛性ソーダのような化学薬品による「化学建て」があります。
どちらの色素を使っても、どちらの建て方をしても、藍染と呼ばれます。つまり、一言に藍染と言っても、化学的なものから天然のもの、その中間のものなど多様な手法が存在しています。
それぞれの手法に一長一短がありますが、現在は、安価で大量生産に適した「合成インディゴ(化学色素)×化学建て」の手法が多く見られます。
一方、天然物の藍を使った藍染は安定した染めが難しく、染料づくりから染に至るまで、手間も時間もかかり、職人の熟練した技術も必要とするため希少なものとなっています。

発酵が進むと現れる「藍の花」
壺草苑の藍甕

壺草苑の藍染

今回、我々の製品を染め上げてくださった壺草苑様では、江戸時代より続く「天然藍灰汁発酵建ててんねんあいあくはっこうだて」という手法を行っています。
この手法は、天然染料であるすくもを使い、菌と灰汁あくで発酵することで染めるこだわりの製法です。

①藍を建てる
染料の蒅から藍染液(染液)を作る工程を「藍建て」と呼びます。
深さ1.5mの藍甕あいがめに、「灰汁(ナラなどの木灰を水に浸した上澄み液)」と「石灰」を入れ、インディゴ還元菌の住めるアルカリ性の環境を整えていきます。

藍甕(あいがめ)


そこに2俵(約100kg)ほどのすくもを入れます。


ふすまを灰汁で炊いてお粥上にしたものを入れ、藍甕(あいがめ)の中の菌に栄養を与える


ここに、菌の栄養となる、「ふすま」と「日本酒」を入れ、毎日毎日、攪拌かくはんし、菌の活動を促し続け、約1週間かけて発酵させます。
このように日々、手をかけることで、蒅の中にいるインディゴ還元菌が、液中に不溶性色素を溶かすことが出来、ようやく藍染液が出来上がります。
(染をしていく中、藍が疲れた際には再度、日本酒を与えるなど、日々、藍染液のコンディションを整え続けます。)
これほど手をかけて出来上がった愛染液もインディゴ還元菌の活動限界とともに約3~4週間でその役目を終えます。

②天然藍染料「蒅」について
壺草苑様では、徳島の国選定文化財・阿波藍製造技術保持者「藍師・新井修(無形文化財)」さんのもとで作られた蒅を使用しています。
約1年という長い時間をかけ、タデ藍の葉を乾燥・発酵させて惜しみない手間をかけ作られた非常に貴重な天然藍です。

藍師の印が入った蒅の俵


役目を終えた藍染液は畑に撒くことで堆肥となり、自然に還ります

③染色
藍染は製品を藍染液に浸して放置すれば色が付くわけではなく、酸素に触れて酸化させることではじめて染まっていきます。
まずは藍染液に製品を浸しながら、丁寧に染液を揉みこんで空気(酸素)を追い出し、色ムラを防ぎます。
頃合いを見て、浸していた製品を引き上げ、きれいな水で洗い、空気に触れさせて色を定着させます(酸化)。

隅々まで染液が染み渡るように丁寧に揉みこんでいく


藍染の色調整は、この浸しと酸化の作業を繰り返すことが基本です。
しかし壺草苑では、単純な作業の回数だけではなく、各藍甕あいがめの藍染液のコンディションを判断しながら調整するとのこと。
インディゴ還元菌の状態を見極めながら、浸す回数や時間などを決めていく、まさに職人技です。

④灰汁抜き
染色が終わったら、天日干しを行い、きれいな水で洗い流すという作業を繰り返します。
こうすることで、天然藍染料に含まれる余計な灰汁(藍色以外の色素)を出来るだけ外に出していきます。
藍染製品で稀にある茶色いシミのようなものの正体はこの灰汁です。洗うことで流すことができるこの灰汁は天然染料の証でもあります。

天日干しと洗いで余計な灰汁(藍以外の色素)を落としていく

☆壺草苑職人【丹羽様】からのメッセージ☆
SIWA製品を染める際に工夫したポイント
「SIWAの製品は、綿や麻のような一般的な繊維より染まりにくかった為、一回一回の染めに長い時間をかけました。また、ムラの原因となる空気をなかなか追い出せない為、手を離して染液に漬け込むことはせず、付きっきりで染める作業をしました。」

製品を使う方へ
「藍染は美しさだけでなく、染まった物を丈夫にするという目的を兼ねて古くより行われてきました。使い込んで脆くもろなった品物はすぐに処分するのではなく、藍染を施すことで見た目の美しさも、丈夫さも取り戻すという、古来からの知恵を味わって頂ければと思います。製品に付いている皺は、職人が何度も藍を揉みこんだ手仕事の跡です。愛着を感じながら、移ろいゆく色をお楽しみ頂ければ幸いです。」

このように、希少な原料を使い、藍染液の管理や調整、染めから仕上げる工程において、いずれも職人が多くの工夫や手間ひまをかけて行う藍染が「天然藍灰汁発酵建て」です。
安価で大量生産ができる染め方と比べると、効率が悪いようにも見えますが、自然界からとれる原料のみを用いる環境に優しい素晴らしい伝統技術だと感じました。

SIWA×INDIGO シリーズ

SIWA製品は「繰り返し大切に長く使うこと」を提案する紙の製品です。
安価な価格で様々な物が手に入る現代、使い捨てされてしまう物もたくさんあります。
そのような中で、「繰り返し長く使い、物を大切にしていこう」といった思いをお客様へ届けることが、我々ができる環境活動の1つだと思っております。
壺草苑様の人や地球環境に対する想いや、手間をかけることでしか得られない美しさ、そして古来からの藍染を施すことで物を大切にするといった理念と重なり、SIWA×INDIGOシリーズはとても美しく、大切にしたくなる商品となりました。
是非、この機会に自然がもたらしてくれた深みのある藍の色をお試しください。

販売アイテム:
・クラッチバッグ M(¥7,920 )
・クラッチバッグ wide(¥8,800 )
・トートバッグ S(¥20,680 )
・トートバッグ M(¥27,500 )
・バッグスクエア S(¥8,800 )
・バッグスクエア M(¥11,000 )
・ブリーフケースWide(¥33,000 )
・文庫カバー(¥4,180)
・マスク S/M/L(¥2,200)

販売開始日:
2024年6月18日(火)〜

販売店舗:
<和紙舗 大直 丸の内>
〒100-6590 東京都千代田区丸の内1丁目5−1 新丸の内ビルディング 4階
電話番号: 090-1650-8045
※お電話でのご注文も承っております。詳しくは店舗までお電話ください。
営業時間:11:00~21:00(日曜のみ20:00)

最寄駅:
JR 東京駅(丸の内中央口側・地下直結・徒歩3分)
丸ノ内線 東京駅(地下直結・徒歩1分)
千代田線 二重橋前(地下直結・徒歩5分)
有楽町線 有楽町駅(地下直結・徒歩15分)


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